ちょっと抜けてる神様   作:本気は後で出す

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どうも、明日から本気出すものです。

わがままってゲシュタルト崩壊しやすいですね。なんだよわがままって。

(′・ω・`)デカケタクナイデゴザル



夏休み
ちょっとわがまま


 

 

 

ー7月某日

 

今日は夏休み1日目だ。帰ってきて早々なんだが、ホグワーツに帰りたい。僕の家はあそこだと思っている。

 

そういえばアリスは最初「9月1日までいる」と言っていたのにまだいる。ほんとうにいえがないのかな?

 

兎にも角にも暇だ。日記に書くことがないくらい暇だ。うだるような暑さはどうにもならないし、肌がひんやりしているアリスは庭で草むしり当番だ。

 

僕も行こうかと思ったが日差しが冗談じゃないレベルで強かったからやめた。大人しく1年生の復習でもしておくことにする。

 

 

 

 

 

 

暇だ。

 

復習とかやってももうすでに頭に入ってるし、他の本は僕の読めない言語ばかりでつまらない。アリスのメモに時々「字の間違い?『を』が『ん』」とか、おそらく文章や言葉としておかしいと思った部分に走り書きがしてあったが読めない。何語なのかすらわからない。

 

eに点みたいのがついてる。なんだこれ。

 

(ドイツ語のeが記されている)

 

他の本は…古い。たまに象形文字の本まで混ざっているし、アリスはこれが全部読めるのかと思うと本当にくらくらする。僕も読めるようにならなければ。

 

アリスはこんな本を読めるようになったんだったら、何かそれを学んだ本はないのかと探したが見つからなかった。英語の本(小説)が数冊見つかって終わり。もしかしたら覚えたら忘れないのかもしれない。

 

いや、それなら本なんてざっと立ち読みすればいいのに。…でも金庫があれだし、きっと浪費しなきゃいけないんだろう。

 

〜今日のアリス〜

 

草むしり当番をしっかりしているのかと思って窓からみると既に終えた様子で、毟った葉を編んで作ったと思われるハンモックのような物に同じく葉で作られた日傘をさして寝転んでいた。どうやら小説を読んでいるようだ。

 

しばらく呆然と見ていたらアリスが何か用かと尋ねてきた。僕が見ていたのには最初から気づいていたらしい。

 

何でもないと伝えて部屋に戻るとアリスが居た。さっき庭にいたじゃないかというと気が済んだ、だそうだ。だからといってこんな登場の仕方はやめてほしい。

 

 

 

(7月某日 リドルの日記より)

 

 

「暑いねえ」

 

「涼しくできないの?」

 

ごろんとベッドに寝転んでアリスに言ってみる。するとアリスは青いワンピースに一瞬で着替え、「えいっ」と言って空中に大きな氷の塊を作った。

 

氷の塊からもそうだが、アリスからも冷気が出ているようで部屋は途端に涼しくなった。便利だな。

 

「何で着替えたの?」

 

「なんとなく、久々にコスプレしてみた」

 

コスプレが何かは知らないがただの気まぐれらしい。

 

まあでも青いワンピースは中々似合っていたのでよしとする。あどけない少女という感じだ。悪くない。

 

「何で早くやんないのさ…」

 

ふう、と氷の塊に触れながら聞いてみる。アリスも暑いと言っていたんだし、その気になればできたはずなのに。

 

「私はあったかいなー程度にしか感じないからね」

 

体温の低いアリスなら蒸発するレベルで暑いと思うんだけど、暖かいとしか思わないのか。いいな、便利そうだ。火の中でも平気なのかもしれないし。

 

アリスはあくびをすると小説を閉じてよくわからない言語の本を読み始めた。この際アリスに教わろうかな。

 

「アリスそれ何語?」

 

「ラテン語」

 

「あれは?」

 

「ドイツ語」

 

「これ」

 

「ヘブライ語」

 

「それ」

 

「フランス語」

 

「……アリスは何ヶ国語喋れるの?」

 

「国の数、言語の数だけ。」

 

「蛇語も喋れたよね」

 

「蛇語の本書こうかなって思ってる」

 

「もしかして全ての生物と喋れるの?」

 

「うんまあ。無機物ともその気になれば」

 

年の功なのかアリスだからなのか。よくわからないが…二ヶ国語喋れるのだけで充分凄いはずなのにそれ以上喋れるとかアリスはつくづく人外だ。

 

「全ての生物と喋れるのなら動物園とか楽しそうだね」

 

僕は爬虫類館で蛇と喋るくらいしか楽しいと思わなかった。かなり前孤児院の遠足で行ったけどそれだけは覚えてる。

 

「そんなことないよ」

 

「そうなの?」

 

「うん」

 

「ねえアリス」

 

「うん?」

 

何となく動物園が懐かしくなった。あの蛇は元気だろうか。アリスに連れて行ってもらえないかな。一人でいけないこともないけど、一人でだと色々面倒だ。

 

「動物園行かない?」

 

「何処の?」

 

「え?近所の」

 

「えー」

 

面倒臭いという顔で本から顔を上げて言われた。近所のじゃなきゃ何処のに行くんだ。

 

「何しに行くの」

 

「アリスに喋ってもらおうと」

 

「………。まあいいか、じゃあ行こう」

 

終始面倒臭いと考えていそうだったけど渋々承諾してくれた割には言葉使いがかなり適当だった。投げやりともいうのか?

 

夏休み早々だが、明日動物園に行くことになった。ちなみに泊まりに行くのは後だそうだ。

 

 





(′・ω・`)アタイッタラサイキョーネ

青いワンピースはチルノコスです。リボンはそのまま。たまにアリスさんは変なテンションになります。テンション怖い。

次回は動物園に行きます。影がうすいどころか全く出番のなかったアリスの蛇視点でいくつもり。いやあ楽しみですね。

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