リドル誕生日祝いーいぇーい。
今から本気出します!
ふざけもしますが。
(`・ω・′)イッチョヤルカ
ゆっさゆっさと体が揺さぶられる。
ああ、この起こし方は…
「アリス?」
「ご名答!あさだよ〜リドル!」
「ん、おはよう…」
思った通りアリスだった。にこにこと起き上がる僕を見つめている。
「リドルリドル、今日はリドルの誕生日だよー。」
「…………えっ、そうだっけ」
「うん。」
それでご機嫌なのかと思ったけどよくよく考えると何故それでアリスがご機嫌なのかわからない。
「別名・メローピー感謝祭」
「は?」
誰だそれ。というか何で感謝祭…?取り敢えずアリスが部屋から出て行ったので身支度を済ませて談話室におりる。アリスはソファーにちょこんと座って欠伸をしていた。
「Happy birthday!」
「…………ありがとう…」
なんだか新鮮な言葉だ。差し出された箱は綺麗にラッピングされていて、赤のリボンで結ばれていた。
「それリドルにあげるよ、プレゼント」
ふにゃっと笑ってアリスは言った。目がじんわりと熱くなってきたのでプレゼントを開けるのに集中する。
入っていたのは本とネックレス…、いや、ロケット?
『S』とあるロケットの中身は空だった。まあ当たり前か。本は希少なもので何か傷まない魔法がかかっているようだ。
「…………ロケット?」
「うん、ロケット。好きなものを入れたり、宿したりするといいよ」
「宿…?ふーん、何のS?」
「スリザリンのS!だと思う」
思うだけなんだね。まあなんとなく嬉しかったので首から下げる。本はパラパラめくってみたが、中々面白い内容だった。後でゆっくり読むことにする。
「ありがとうアリス」
「誕生日知ってる人のは祝うよ。まあ今はクリスマス休暇だし…、盛大に祝えるよ!」
「えっ」
まさか盛大に祝うつもりじゃないだろうな。嬉しいけど恥ずかしいからやめてほしい。やるなら寮の中でにしてくれ、頼むから。
「大丈夫だ、問題ない。寮の中でやるよ、先生呼んで」
何故先生を呼ぶ。いや本当にやめてくれ。先生にまで祝われるとか何の公開処刑なんだよ、恥ずかしすぎる。
「え、嫌なの?」
「やめて」
「仕方ないな、じゃあ二人でになるけど」
「!いいよ」
どちらにせよ祝わないという選択肢は無いらしい。まあでも二人でならいいか、と妥協しておく。
朝食へと向かった大広間に、手を引かれたまま入る。グリフィンドール等の女子からアリスが睨まれていたが気にならないようだ。本当神経太いよね、アリス。
思っていたことがばれたのか(本当いい加減にしてくれ)少し睨まれた。でも可笑しそうに笑っていたから冗談交じりなんだろう。
「…何でこんなに豪華なんだろうね、今日」
まさか手を回してやったなんて言わないだろうな。大晦日だからだよ、と言ってくれるよね。
「ナンデダロウネ」
ああうん、やったんだね。わかった、もういいよアリス。様々なところに手を回してあるんだろうね。ダンブルドアと校長はニコニコしてこっちを見ている。微笑ましいのか、微笑ましいのか。
卵が乗ったトーストを「ラピュ○だー」と言いながら食べているアリスを横目にダンブルドアに恨めしげな目線を送っておく。
…手を振られた。あの狸…。
アリスは呑気に振り返してまた入学の時と同じように何かのジェスチャーをした。
ダンブルドアが崩れ落ちた。なんだこれ。いい加減教えてくれないかな、あのジェスチャー。
「ねえアリス、そのジェスチャー何なの?」
「えっ?『いたずらしました』ってサイン?」
…あっ…。校長は気づいてないだけなんだね…。
「うん、ほどほどにしてねアリス」
「まあ冗談だからいいんだよ」
「え、アリスやるといったらやるんじゃないの?」
「いつからそんな印象持ったのリドル。リドルの誕生日だしあんまりないたずらはしないよ。まあシャンデリアからなにまでダイヤモンドにしたりはするけどね」
「あれ、それこの間やったでしょ?」
「グリフィンドール寮と大広間だけだったから。」
「というかどうやってるの?」
「えいって」
訳がわからない。えいっで出来るものなのか。いや、絶対違う。変身術か?いやでも…アリスは「えいっ」て言って…ああ混乱する。
スラグホーンが途中から来たが、豪勢な食事を見てダンブルドアに何事か聞き、僕らの方を微笑ましげに見ていた。何なんだもうお前ら。
朝食を済ませてしまうと(アリスは小食だから早かった。でも待っててくれる)今日も秘密の部屋を探しに行こうとする。
探し部屋と聞いてアリスは初めて付いてきた。地下で果物の絵を見て「あっ隠し部屋、懐かしい」と言っていたので一応何の部屋か聞いてみた。「厨房」だそうだ。
「入るための合言葉とかあるの?」
「ううん、梨をくすぐると開くんだ」
「えっ、そんなのもあるの?」
「うん」
参った、これでは秘密の部屋が在学中に見つかるかも危うい。アリスに聞けば一発なんだろうけど、なるべく聞きたくない。
「そういえば今コカトリス育ててるんだ」
「どこで?」
コカトリスが何かは知らないが聞いてみる。
「禁じられた森」
「そう」
禁じられた森に放置されても平気な生物なのか。まあアリスの奇行は今に始まった事ではないし放っておく。問題にならなければだけど。
散々探していたら昼になったのでまた大広間へ向かい昼食を済ませた。また秘密の部屋を探そうと思ったけど図書室で調べてみる事にして図書室へ向かった。
「あ、そういえばアリスの誕生日は?」
「あるよ?」
「いつ?」
「いつだっけ。言われたのは13月2日だって」
「13月なんて存在しないよ」
それともアリスの居た場所では有るのだろうか。いや、でも元は人間だと言ったし…
「じゃあ12月2日ってことで」
「もう過ぎちゃったね」
「まあどうでもいいや。私が何才かも忘れちゃったし」
「えっ」
「そういえばリドル、勝手にプレゼントあげたけど欲しいものとかお願いとかある?」
「いや、特には………、あ」
「ん?」
そうだ、何かと子供扱いされてるしいけるかもしれない。
冗談でもいいし言っておこう。
「アリス大好きだよ」
「えっ、ありがとう」
「ずっと一緒にいてくれる?」
「ん…まあ多分」
多分か。まあ僕もアリスに悟られないように活動するのは大変だろうし多分くらいが丁度いいのかもしれない。
「えいっ」
廊下のシャンデリアをダイヤモンドにしているアリスはさっき言った通り「えい」という掛け声で手をかざしていた。だからなんでそれでダイヤモンドになるの。
ろうそくの燭台は金にしたらしい。純金…。
アリスならお金もじゃんじゃん生み出せるんじゃないのかな…。いや出来るな。
そうこうしているうちに図書室についた。
「どんな本に載ってる?」
「えーと…創設者についてとか、サラザール・スリザリンについてとかかな…」
「じゃあ持ってくるね、見つけたら」
奥の方の目立たない席(アリスが教えてくれた)についてまだ読んでいない本を読んでいく。
しばらくするとアリスが戻ってきた。禁書ばかりだ。どうしたのそれ。
「ここの本大体私のなの」
禁書は大体アリスの物らしい。司書にも代々それが語り継がれているらしく、禁書の棚への鍵も持っているらしい。
「危ない本は無いから読むといいよ。書き込みもしていいし…、でもサラの部屋なら載ってないだろうねぇ」
「えええ…」
せめて少しでも文献はないのか。
それを聞いたらまああるにはあるらしい。そしてアリスの部屋については文献が0らしい。存在は一応書いてあるが謎の人物として扱われている。と言われた。
謎でいいよ。謎の方がいいよ、多分。
暫く本を漁っていたけど特に有益な情報は載っていない。
あったとしたら秘密の部屋の怪物がバジリスクだということくらいか。そんなことは薄々分かっていたけど。
少し疲れてしまったので息抜きにコカトリスについて調べると魔眼を持つバジリスクに似た生物らしい。アリス、なんてもの育ててるの。というかバジリスクの代わりにならないかな。
…いや、蛇語が通じないだろうから無理だ。この際アリスにバジリスクをくれと言ったらくれるのではないか。いやでも、秘密の部屋を開けることに意味があるのだからだめだ。
いつの間にか机に突っ伏して寝ていたアリスを起こして時計を見るともう夕方だ。
「あ、リドル。夕食は大広間でだけどその後ケーキあるからその分は空けといてね」
「わかった」
その後も本を読み続けた(アリスは羊皮紙に何かの式を書いていた)が、やはり有益な情報は得られなかった。キリのいいところで切り上げると大広間に向かって少しだけ夕食を食べ、寮に行く。
地味に大きい豪華なケーキをどこからかアリスが出して切り分けて食べる。事あるごとにアリスが「メローピーありがとう」と言うので誰なのか聞くと僕の母親の名前だそうだ。そういえば初めて母親に興味を持ったかもしれない。
でも今血筋の関係で大事なのは父親だ。
「メローピー魔力無かったけど環境が良ければもう少し…いやでも…」
とアリスも言っていたしきっと母親はマグルなんだろう。
ケーキはワンホールあったけど流石に僕もそんなに食べられない。アリスは1/4くらい食べてたけど。
残りは明日の朝ご飯にするらしい。太らないのかなそれ。というか朝ご飯でいいのかなケーキ。
そういえばロケットに何を入れよう?
外側は氷のように冷たいのに(触れても温まらないけど揺れて僕に触れるとあったかい)、内側はじんわりあったかいロケット(触れると少し震える)。一体どういう仕組みなのか気になった。
「アリス」
「ん」
「これ何入れよう?」
「好きなもの入れたら?」
「普通写真なんだっけ?」
「うん」
「じゃあ撮ろう」
「え」
「だめ?」
「うーんまあいいか。いいよ」
アリスは少し嫌そうだったけど撮るのを承諾してくれた。二人で写真を撮って、ロケットに入れておいた。
「まあ好きな子ができたらその子のを入れるといいよ。」
「う、うん」
はっはっはと笑ってアリスは言った。ついでに頭を撫でられた。
最近ではあまり恥ずかしくなくなったけどくすぐったいしなんとなくやっぱり恥ずかしいから逃げる。おやすみと言ってそれぞれの部屋に戻って眠りにつこうとしたが、部屋に覚えのないプレゼントが数個あった。
誰からだろうと思いはしたが眠かったので明日開けることにする。
(′・ω・`)ネガイヲコメテ
長い…。
5000くらい行ったの初めてですね。あれか。ハリポタで一番好きなキャラだからか。愛ゆえか。
これでも短くしたんです許してください。
裏設定↓
アリスさんは未来を知っているので、少しでも人を殺さないで済むようにロケットを渡しました。
ダンブルドアなど教員や校長からのプレゼントはお菓子や本、お茶っ葉などです。
リドルに甘いアリスさん。
理由:明日から本気出す人がちょっと同情したから自動的に甘くなった。
いやでも相手のためになる事するだけですよ。アリスさん的にリドルの立ち位置は友人とか家族くらい?特別扱いの理由ですね。
何故特別扱いするのかの根本的な理由はちょっと複雑で暗い話になります。誕生日関係もあるっちゃある。とりあえずアリスさんの幼少期の性格にリドルが似てます。