こんばんは。明日から本気出します。
(′・ω・`)エイゴバンオモシロイ
「……」
いつもより5分ほど遅く起きた。アリスに起こされないのは久しぶりだ。同室の奴はまだ寝ている、だらしない。
着替えを済ませて、歯を磨いたりもした。よし完璧。教科書を持って談話室へ行くとアリスがぐてっとしていた。となりにはレストレンジ。お前何した。はけ。
「お、おはよリドル」
「おはよう」
レストレンジは挨拶しない。オイコラ。絶対配下にしてやろう。
「……アリス何してたの?」
レストレンジは答えなさそうだからアリスに聞いてみた。
「ああうん、ちょっと色々教えてた」
「何を?」
「……勉強とか」
ああ、なるほど。レストレンジの前には羊皮紙。そして教科書。内容は一年生の僕にはさっぱりだが、アリスはわかるんだろう。さすが年増、おばあちゃんの知恵袋
「……リドル?」
「な、なに?」
なんてことを考えていたらアリスに恐ろしい笑顔を向けられた。絶対思考読まれた。
「……。まあいっか。私ちょっとサラのペットの所行ってくるね」
「え?ペット?」
僕の質問に答える気は無いらしく煙のように消えてしまった。僕が項垂れているとレストレンジがかなりびっくりした様子で「え、あれ、アリス、え?」ときょどっていた。
「な、なあリドルアリスあれ…」
「……ああ、アリスだから」
「アリスだからって片付けられねーよ」
「いつかわかると思うよ」
「えっ…っていうかお前、俺は仮にも先輩だ」
「アリスも先輩だ」
「あの理論おかしいからな?」
「アリス理論で行くとただしくなる」
からかいたくなったから適当に返す。レストレンジはとうとう頭を抱え、「俺が常人俺が常人…」と繰り返すようになった。暇になったので僕は大広間へ向かい、朝食を食べる事にした。
アリスを待とうかと思ったが、昨日の女子の様子だと多分僕はもみくちゃにされてしまう。アリスが来たら大丈夫でも、アリスがいなければ僕は軽く潰されるだろう。
時間割をもらい最初の授業は何か見てみた。魔法薬学?確か、スラグホーン(昨日のセイウチ)の担当か。一通り勉強はしてあるけど、大丈夫かな。ああもう、アリスが居たら質問出来るのに。
こんなことをこの間言ったら「私はアンサイアリペディアか」と言われた。なんの意味がわからず首をかしげるといい笑顔で「知らなくていい」と言われた。なんなんだ。
…今必要ないことを思い出してしまった。そういえば教員席のダンブルドアとディペットがまた朝食をかき込んで、薬を飲んでいる。あれはなんなんだろう。ダンブルドアの授業の時に聞いてみようか。ちょうど3時間目にあるし。
のんびり朝食を取っていたら人が来てしまった。さっと席を立ち寮に戻って今日の授業の予習をする。
魔法薬学の時間だ。アリスは結局予習が終わった時に僕の部屋に来て、一緒に魔法薬学のクラスに行った。道に迷わないか心配だったが、アリスが適当に地図を書いてくれた。まあアリスと行動していれば平気なんだけど。
「新入生の皆さん!こんにちは、いやはや最初から我が寮とグリフィンドールと出来るとは!いい滑り出しだ。
さて、今日は簡単な「おできを治す薬」を調合してもらおう!」
軽い説明と注意をして、調合が始まった。
二人一組になれと言われたのでアリスと組んだら、角ナメクジを気持ち悪がることなく普通に茹でたりしていた。もっとこう、女の子らしい感じは無いのかな…。
「おお!素晴らしい、私の人生で一番の出来かもしれない!」
「やったねリドル!」
「…う、うん」
「二人とも素晴らしい!スリザリンに一人5点やろう」
「うぇーい」
へんな掛け声とともにハイタッチを求めてきたので軽くハイタッチしてみた。アリスは「スパンキング!」と言いながらハイタッチしていたけど、色々おかしい。
「えへへ、じゃあ暇だからフェニックスフェリシス作ろっかな!」
「なにそれ?」
「調べたらわかるよ!アンサイアリペディアじゃないから私」
アンサイアリペディアが何かは知らないが、休み時間に図書室に行ってみることにする。
スラグホーンに何の許可も取らずにちゃっちゃと調合を始めた。
まあ残り時間で出来るのなら簡単な薬なんだろうし、放っておく事にした。
数分後、アリスが完成と叫んだ。
ぴょんぴょん飛び跳ねて万歳の姿勢をしている。色々手伝いはしたけど、なんだこれ。もう一回言う、なんだこれ。
大鍋の中は黄金の液体で溢れかえっていた。魚が跳ねるようにして所々が時々跳ねる。スラグホーンが何事かと寄ってきて、近づくたびに目をごしごしと擦っていた。
ああ、もしかして、僕とアリス、とんでもないもの作ってたんじゃ…
「あ、ありえん!!」
「ありえる!」
「先生ごめんなさいアリスの常識は僕らの非常識なんです」
とりあえず言っておく。スラグホーンは目を光らせ、本当に今作ったのか聞いてきた。作りました先生。
「す、凄い…スリザリン…50点やろう」
なんだか小さい気がする。まあでも仕方ないんじゃ…
「あげましょうか?」
「もう200点やろう」
教室中から非難の声が上がった。どんな薬作ったのアリス。とんでもない犯罪の片棒かつがされてたりしないよね?いやまさかアリスに限ってそんなことはないよね。
…ないよね?
「先生、フェニックスフェリシスとは?」
「幸運薬…これを飲めばたちまち運が良くなり、全てが上手くいく。ただしこれは非常に調合が困難で、この短時間に作れるものじゃないし、少しの失敗すら悲惨な結果を生む」
今度はクラスが静まり返った。アリス、なんてもの作らせてるの僕に。アリス、何作ってんの。
「えー作れるよ。現に作れたし」
「なぜだ…何故煮込む時間などを無視して…?」
「ほら私なんでもできるから」
「それですまないよ普通は。どうせ指先からでも軽く出したり出来るんでしょ」
適当に言った。すぐに後悔した。
アリスは「まあできるけど」と言って僕の口に向かって黄金の薬を出してきた。不可抗力で飲み込んだ。すごく気分が良くなった。なんてことだ、飲んだ。いやいいのか?
「…それにこれには中毒などの副作用が…ってアリス!?」
「副作用なら無いですよ、暇つぶし穀潰しにやってみました」
「ゴボガバブ!?」
「リドルが!リドルが死ぬ!」
飲み込むどころか浴びた。僕の口から漏れた分は床に着く前に消えたけど、なんにせよ僕の初授業は強く印象に残った。
(′・ω・`)ナンデモデキルヨ
リドルの初授業。アリスさん暴走により幸運になりました。
あるいみ不幸…