いつの間にか感想が来ててテンションが月まで舞い上がったので書きます。感想ありがとうございました。
(′・ω・`)ワタシハstomachcrusher(胃を破壊する人的な意味)
ダンブルドア(スペル調べるの面倒臭かったからカタカナ。ごめんねダンブルドア) side
今日は9月1日。言わずと知れた入学式の日である。
先生方はどんな生徒が来るのかとウキウキしていたり、別段普段と変わらなかったりと様々な反応が伺える。
ただし、わしと校長はキリキリと痛む胃を抑えながら深刻な表情でピリピリしていた。
…あの子が来る…。
前までは、校長に全て投げるつもりだった。さすがのわしにも手に負えない。だって人間だもの。校長もだが。
だが、この間認識が覆された。孤児院を勝手に抜け出した責任を、あろうことか全てわしに押し付けたのだ。
アリス、なんという奴だ。恐ろしい。年寄りの胃をこれ以上虐めないでくれ。
その後手紙が来た。アリスからだ。
嫌な予感がしたから開けなかった。同封された胃薬は頂いておいた。
次に吠えメールがきた。アリスからだ。
正直言うとこの時点でもういやだと思った。だが、放っておいて爆発されると非常に困るので開けた。
耳を塞ぎ身構えるが予想していたような怒鳴り声は聞こえなかった。恐る恐る手を耳から離すと、普通の音量で喋っていた。
吠えメール…なのか?これは。
吠えメールとは普通何が何でも大音量の物だ。それなのに普通?ありえない。
「ありえない、なんてことはない。とある人造人間は言いました」
こちらの思考も軽く読まれていた。ああ…胃が痛い。
「………本題です。えー、前の手紙読んでないでしょ。あの内容。孤児院勝手に抜け出して全責任おしつけてサーセン、あと胃薬は私のお手製です。副作用は魔力がちょっと減るくらいかな。面倒臭かったから消さなかったんですよ、ごめんなさい。
でももらってるんだから感謝してね?
あとダンブルドアさん、言い忘れてたけど私創設者から色々預かってるんですよ。」
「………」
預かってる?
髪飾りなどのことか?しかし剣なら帽子の中にあるはずだし、髪飾りは失われたと言われている。それなら…?
「な、なななんと。賢者の石と金庫の鍵です。あと土地と家」
「ゔっ…」
頭と胃が痛い。賢者の石?ニコラス・フラメルがやっと完成させた物をとんでもない奴に渡したのか?
創設者、なにかんがえてるんですか?
金庫の鍵と土地と家は、アリスが娘のように可愛がられていたということでわかる。だがしかし賢者の石、これだけは別だ。
この調子で『死の秘宝』もあるとか言い出すんじゃないだろうか。
…はっ、いかん。こんなことはもうやめよう。グリンデルバルドのことは忘れるんだ。
「残念、死の秘宝はいらないから持ってない。」
「そういう問題か」
思わず手紙にツッコミをしてしまった。落ち着け、落ち着くんだわし。アリスに完全に行動や言動を読まれている。おかしい。
「まあほら、やっぱり神だからそんなものいらないですよ。まあそれはそれ、これはこれ。賢者の石といっても未完成で、『綺麗でしょ〜』って言ってレイブンクローがくれました」
レイブンクロー!!レイブンクローそれでいいのか!未完成とはいえ賢者の石だろ!!それでいいのか創設者!!
「まあそこそこ綺麗だし、なにより遺品だからリボンにつけてあります。だいたい賢者の石なんていらないのに(ボソッ」
いらない…。まあそれはいい判断といえるだろう。
「まあ喉乾いた時に役に立ちますね」
おい。
喉乾いたっていう理由で命の水を飲むのか?あれ?命の水って何だったっけか?
「命の水飲んでも寿命変わらないからいいんですよ。え?寿命が何年か?」
聞いてないのにぺらぺら勝手に喋っている吠えメール。というかよく一枚にこれだけの内容を書き込んだな。
とりあえず早く終わって欲しい。胃がもたない。
「そりゃ永遠ですよ。不老不死なんですよ私。あれ?言わなかったっけ?」
「インセンディオ」
「ちょ、胃薬は用途用法を守ってくださいね毒になりますから」
最後にそう言い残して吠えメールは灰になった。燃えないようにはされてなかった。よかった。
いちおう胃薬のラベルを見て(アリス印の万能薬と書いてある)、用法を確認する。
『〜アリス印の万能薬〜
効能:何にでも効く、ただし風邪など内面の物のみ。
用途:飲め
用法:20歳以上は1日3錠まで。朝昼夜の食後にどうぞ。20歳未満は1日1錠。朝昼夜の食後にどうぞ。
※補足
紅茶に入れると睡眠薬になります
用途、用法を守って服用して下さい。さもなくば実験台になっていただきます。
この薬により何か状態異常が現れた場合直ぐに製作者にお申し付け下さい。場合によっては死にます。』
途中まではなかなかしっかりしていると感心した。だが、それは間違いだったようだ。
まず補足。紅茶と混ざると睡眠薬に早変わりするところからおかしい。あと実験台って何だ。死ぬ危険性があるのか。飲むのをやめようか。しかしこの薬、よく効く。
くるっと瓶を回してさらにラベルを見てみる。
『死ぬ危険性があるのかって、まあ体に合わなければ。ただ、合わない人は多分人の形をした別生物なので注意。あとさらに補足、砕くと副作用のない脱狼薬になります』
これはひどい。何故この才能を生かさない。
アブラクサス(また調べるのが面倒だったよごめんね) side
夏休みが終わり、マグルだらけのキングズクロス駅を通り抜け、9と3/4番線に入った。
騒がしいホームも懐かしく思える。今年は優秀な人材がはいるだろうか。
入り口付近が少し騒がしくなっていた。何だろうとそちらを見れば、新入生と思わしき男女2人が居た。
「うわ、でかっ。こりゃ予想以上だね」
「……!」
マグル生まれか?
思わず眉間にシワが寄る。何故騒がしいのか、よく二人と周りの話に注目してみた。
「あの子可愛いな…」
「ちょっ、あの人かっこよくない?」
…なるほど。人ごみでよく見えないがきっと美人なんだろう。
「ホグワーツには汽車で行くんだよね?」
「うん。まあ降りてからは歩きとボートがあるけど、2年からは馬車だよ」
「そうなんだ」
どうやら女の方はこちらを知っているらしい。すこし興味が湧いた。
しまった。考え事をしていたらコンパートメントが空いていない。わざわざ席を譲ろうとする者もいたが、まずは空いている場所がないか探したい。なにしろ香水くさくてかなわんからな。
奥の方に行くと聞き覚えのある声が聞こえた。
のぞくと、あの二人だ。
がらっとドアを開け、口を開く。
「やあ。ここ、空いてるかな?」
「あ、うん。」
「…どうぞ」
黒髪の少年の方はなぜか威圧感を感じた。…期待できる、が、マグル生まれかもしれない。
白髪の少女の方はあどけなさを感じた。だが、なにかおかしな感じがした。にこにこと笑っていて素性は明らかではない。年相応には見えないな。
とりあえずは少女の隣に失礼することにした。座るとき少年がむっとしたように睨んできて背筋が凍った。何故だ?
隣の少女はというと、眠そうな顔でけだるそうに寄ってスペースを開けてくれた。
「私はアブラクサス・マルフォイ。スリザリンだ。」
「私はアリス。」
「…トム・リドル」
嫌そうに少年、リドルは言った。アリスの苗字はなんだろうか。
「アリス、苗字は?」
「うーん、組み分けの時のお楽しみです」
楽しそうに笑ったアリス。トムはそれを聞いて面白そうに笑った。
「先輩」
「何かな?アリス」
どんな会話で素性を引き出そうかと考えているとちょうど良く相手から話しかけてきた。トムがすこし「うわっ」という顔をしているのはこの際気にしないことにする。
「髪長いですねー、しかもオールバック」
「ああ、伸ばしていてね」
「髪結んでるリボン綺麗ですね」
「君のも綺麗だ」
「ロ……、友達にもらったんですよこの石。リボンはハンドメイド。先輩のは買ったんですか?」
「プレゼントなんだ」
リボンには赤い石がついていた。ルビーだろうか?
コンパートメントでは他愛もない話をした。
トムがリドルと呼んでほしいと言ったり、アリスにここまでエスコートされてしまったことや(僕は男だ!とふて腐れていた)、マグル生まれではない事とか
アリスがいろんなところを転々としていて、今住んでいる所がリドルと、同じ所なんだとか、リドルにならって日記をつけてるだとか。
私の家や純血についてだとか、闇の魔術についてとか。
時間はあっという間に過ぎて行き、ついにホグワーツについた。
「またホグワーツで会いましょう」
笑顔で手を振ったアリスに不覚にもドキッとしてしまった。たしかに可愛く綺麗な子だ。騒ぐのも無理はないと思った。
しかしそれに気づいたのか、リドルがアリスの手を引いて行ってしまった。スリザリンに入ってくれるだろうか?いや、あの子はグリフィンドールな気がする。