インフィニット・ストラトス~オーバーリミット~   作:龍竜甲

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お久しぶりです。

鈴「ホントにね」

第二巻への導入です。

クレハ「もうちょい書けるだろ。寝る間惜しめよ」

いやいや、睡眠不足って辛いんですよ?

同時刻、一夏は蘭ちゃんちにいってます。
俺もISのゲームしてみたいです。いや、イグニッションハーツじゃなくて。


二巻
序章


六月頭。日曜日。

 

数日前のあの一件からしばらく経ち、ほのかに初夏の香りを匂わせてきた休日。

俺は部屋にこもっていた。

 

「うーん、やっぱり格闘戦特化にチューンアップするべきなのか・・・・?」

 

目の前にあるのは大型モニタとゲームハード一式。

タイトルは勿論あの名作ゲーム『|IS/VS《インフィニットストラトス・ヴァーストスカイ》』だ。

発売初日で百万本セールスを記録したこのゲームは第二回モンド・グロッソでの各国の機体データが使われており、俺は自分の元愛機、ラファール・リヴァイヴの調整に頭を悩ませていた。

 

このゲームを買ったのはホンの二、三日前のことだ。

一夏に誘われてプレイしたんだが、その時に敗北を喫したのが悔しくて全力で練習中なのだ。

 

「ああ畜生! 俺はどっちのお前に乗ればいいんだリヴァイヴ!」

 

瞬龍に射撃武器が搭載されてから、格闘戦一辺倒と言うわけにも行かなくなり、普段から射撃に慣れておくかと思ったんだが、これがなかなか難しい。

 

「て言うか、なんだテンペスタ! お前そんな強くないだろ!」

 

ゲーム画面に表示されているリヴァイヴを踏みつけたテンペスタに文句を垂れる。

ありえねぇよ。なんだよあの無限コンボ。

コンピューター鬼畜過ぎるぞ・・・。

 

「・・・・・なーに一人でアツくなってんのよ?」

 

唸る俺に後ろから声をかける人物。

そう、俺のパートナーにしてルームメートの凰 鈴音(ファン・リンイン)だ。

休日のこいつの服装は梅雨に入ったからか、一層薄手のモノになってきている。

 

「おい鈴。そんな格好で出歩くなよ。胸が無いの『コントローラー貸せ。 対戦開始』―――って、俺のリヴァイヴがぁ――!」

 

一瞬で2Pに滑り込んだ鈴の打鉄に俺のリヴァイヴは無惨にも切り殺された。

その後、勿論俺も殴り倒されたが。

 

 

千冬さんが言うには、先日襲撃してきた例の黒いIS、『ゴーレム』は、未登録のコア。つまり新しく何者かが生み出したコアを基に造られた機体だと分かった。

俺が地域の警備に出たときのISも同じで、今分かっているだけでもそのなにもにかは五つのコアを新しく作ったことになる。

それは何故か。何が目的か。

分からないことはままあるが、手がかりがない訳じゃない。

双龍の存在だ。

 

アリーナ襲撃事件の影で暗躍していたサラ・ウェルキンはその双龍からの情報をもってこのIS学園に来ていたらしい。目的は俺を殺し、俺の心臓に埋め込まれたIS、Bシステム試作機(トライアル)『瞬龍』の破壊だった。

俺は初のBシステム発動時に、実験に立ち会った人間を多数殺害している。

 

最近気付いたオルコット夫妻。つまりセシリアの両親。

鈴が双龍を追いかける理由である、鈴の親父さん。

そして、俺の恩人でもあるサラの兄。

 

本来なら警察にでも飛び込んで自首するところだが、あの実験自体IS運用法に触れるため、揉み消されてしまうだけだ。

だから俺は双龍を突き止めて、瞬龍やBシステムに纏わる話をすべて聞かなければならない。

だから俺は鈴と行動を共にすることを決めたのだ。

俺の目的のために、俺の贖罪の為に。

 

 

「・・・・んで? なにか弁明は?」

 

モノローグから帰還すると、上下逆さまに映る鈴の顔があった。

 

「・・・・取り敢えず、下ろしてくれよ。頭がボーッとしてきたぞ・・・」

 

俺がそう乞うと鈴は仕方ないわね・・と呟いて俺を縛り上げていたロープを切った。いてぇ。

 

「で? あたしの胸が何だって?」

 

まだそこからなのかよ。

 

「別に。なんも無い。女子ならちょっとは慎めって思っただけだ」

 

こんなことを直視して言うのは恥ずかしかったため、少しそっぽを向いて言う。

実際、今の鈴のカッコは目に毒過ぎる。いや、青少年の観点から見ると目の法薬かもしれんが、そんなことは関係ない。うっかり俺がなっちまったらどうするんだよ。Bシステムのトリガーはなんでか鈴には甘いからな。

 

「・・・・?・・・・!! あ、あんたどこ見ていってんのよ! このスケベッ!」

 

ほら、一瞬でキレた。理不尽すぎるだろ。

 

「まてっ、待て鈴! 別に胸見て言った訳じゃない! 全体的に!タンクトップはまずいだろ!」

「さりげなく全身見てることを言うんじゃないわよ! あとこれブラトップよ!」

 

なおさらダメだろ! 上に着ろ!

最終的には俺が鈴をシーツで巻くという結果に落ち着き、目の前にフガフガいう春巻きが出来た。

 

思わずため息がでる。

鈴に加え、近々アイツもここに来るという話を千冬さんから聞いている。

そして更には全員強制参加の学年別トーナメントだ。

瞬龍の整備も完全に終わっているため、後者については問題はないが、前者にはある。

 

――ラウラ・ボーデヴィッヒ。

たしか最後にあったのはIS学園入学前の3月。最終リハビリでドイツ軍に居たときだ。

俺はそこで千冬さんの殺人的なじごきを受け、今ここにいる。

一緒に行動したのは1ヶ月弱でも、作戦行動中は大体ツーマンセルで組まされた。

今ではとある部隊の隊長を勤めているとかなんとか。

そんなラウラが学園に来るのだ。

 

「・・・・・一夏に、忠告しとこうかな・・・」

 

多分殴られるんじゃないかな、アイツ。

 

 




ラーウーラ! ハイ! ラーウーラ! ハイ!

ちょっとコメディ意識して行きます。

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