緋弾のアリア~Sランクの頂き~   作:鹿田葉月

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はいどうも、前話だけでお気に入り登録30以上だったことにとても驚いている、鹿田(ろくた) 葉月(はづき)(*`・ω・)ゞデス。

前々からなんですけど、アリアの可愛い所や、シェイがメインの回を執筆すると、お気に入り登録者がいつもよりふえるんですよね……やはり可愛いは正義か。
また、

カタミさんに評価3。

夏明蒼さんに評価10!

を頂きました、ありがとうございます!
また、評価をして頂いた時にコメントを貰うと、凄く嬉しいです!ありがとうございます!

では、第61話、始まります。


61話~違和感~

「――理子、キンジ。マズいわ。掃除の時に調べたんだけど……地下倉庫のセキュリティが、事前調査の時より強化されてるの。気持ち悪いぐらいに厳重。物理的な鍵に加えて、磁気カードキー、指紋キー、声紋キー、網膜キー。室内も事前調査では赤外線だけってことになってたけど、今は感圧床まであるのよ」

『な……なんだそりゃ……』

 

(*´∀`)ノヤァ、零だ。今は深夜。作戦決行まで残り4日と迫り、理子との定期連絡を行っている。

……ちなみに、何故かアリアは雷が落ちたあの日以来、毎日俺の部屋にきて寝ている。現在も、俺の隣で電話している状態だ。

本人に聞いたところ、『い、いつ雷が来るか分からないから……』と、ゴニョゴニョ小声で呟いたためよく分からなかった。

 

「おいおい……米軍の機密書類だって、もう少し甘いセキュリティだぞ」

『どうする、理子。これじゃ、金庫の扉なんて開けられるはずがない』

 

本当にアリアが言った通りバカみたいなセキュリティに驚き、キンジが理子に問い掛ける。

 

『よし、そんじゃプランC21で行くかぁ。三人とも、なんにも心配要らないよ。どんな厳重に隠そうと、理子のものは理子のもの!絶対お持ち帰り!はうー!』

 

おい、今何故か鉈を持った理子が想像できたんだが。そのテンションもlevel5だからじゃないだろうな。

 

『んで、いま小夜鳴先生とはどっちの方が仲良しになれてるのかな?かなかな?』

『……アリアじゃないか?』

「ああ、俺もアリアだと思う」

「ええ、アタシ自身もそう思うわ」

『おお!正に三位一体みたいな感じになってるね!』

 

俺達三人の意見がまとまっていたことに、理子は更にテンションが上がっている。

……近所迷惑になってないだろうか、理子の部屋は。

 

『じゃあ、とりあえず先生を地下金庫から遠ざける役目はアリアで決まりね!どう?できそう?』

「……彼は研究熱心だわ。おびき出しても、すぐ研究室のある地下に戻りたがると思う」

『夜もいつも起きてるし……いつ寝てるのかまったく分からん。何の研究してるんだろうな』

「こないだちょっとお喋りしたとき聞いたけど……なんか、品種改良とか遺伝子工学とかって言ってたわ」

 

……そう言えば、この間の探偵科(インケスタ)で行われたっていう履修も小夜鳴先生が担当で、『遺伝子』について行われたって剛気が言ってたな。

他にも、バラの品種改良を行ったとかこの前言ってたし、アリアが得た情報に偽りはないだろう。

 

『キーくん、アリア。じゃあ時間で言えば、何分ぐらい先生を地下から遠ざけられそう?』

『アイツの普段の休憩時間の間隔から見て、まあ、10分ってとこだろうな』

『10分かぁー』

 

と言う理子の声は……少し、考え込んでいるようだった。

歴史的な大泥棒・リュパンの子孫にも、これは難題らしい。

まぁ簡単に言えば、米軍の機密書類を10分で奪い取れってことだしな。難しいことこのうえないだろう。

しかも、今回行うのは理子本人ではなく、通信越しのノーマルキンジだ。ヒステリアモードのキンジなら余裕だろうが、ノーマルキンジは少し手先が器用なだけだ。

 

『なんとか。15分がんばれないかなぁ。たとえばアリアが!』

「たとえばアタシが?」

『ムネ……は無いから、オシリ触らせたりして。くふっ

「バ、バカ!風穴!アンタじゃないんだから!」

『おおこわいこわい。まぁその辺は理子が考えとくよ。いざとなったらレイレイにもアシスト頼むから、そこら辺よっろしくー!りこりん、おちまーす!』

 

ぶつっ。

理子は最後に俺に言いながら、逃げ足早く電話を切っていった。

 

「……俺達も、もう寝るか」

『そうだな』

「そうね」

 

理子が通話を切ってしまった以上、特にすることがないので、明日に備えて寝ることにした。

くいっ。

携帯を充電器に刺し、アリアに上着の裾を引かれる感触を感じながらも、俺は意識を薄めていったのだった――。

 

 

 

 

 

そして日にちはたち――紅鳴館(こうめいかん)潜入、最終日。

今日が、理子の十字架(ロザリオ)を盗み返す日だ。

今アリアは小夜鳴先生を地下から呼び出し、『最終日なので品種改良された庭のバラを一緒に見てみたい』と言って時間を稼いでいる。

その間にキンジは遊戯室――地下金庫の真上にある部屋で、数少ない監視カメラが無い部屋――から、毎日コツコツと掘りつづけた穴を通って、地下金庫へと宙吊りになりながら十字架(ロザリオ)を盗もうとしているだろう。

 

「……まあ、俺は最後まで分からないんだけどな」

 

と、呟く俺の手には――塵取りとほうき。

近くにはモップや雑巾、掃除機等の掃除用具があり、掃除好きの人がいたら黙々と掃除するだろう広々としたホール。

簡単に言うと、単なる掃除中なのだ、俺は。

というのも、アリアが庭にいる以上、館内の監視カメラには俺とキンジの両方が映っているということになる。

それが、両方とも監視カメラに映っていなければ、不信に思われる。朝方だからまだ仕事中になるし。

そこで俺がわざと監視カメラのあるところでいつも通り掃除をすることで仕事をキチンと行っているというアピールをし、キンジは小休憩中ということにすればいい。

だが、これをするためには監視カメラに映る俺に不信な所があってはならない。よって、キンジ・アリア・バックアップの理子はインカムをつけているが、俺は装着していない。

 

(一応、携帯の着信で3回バイブしたら『成功』。それ以外が『トラブル発生』もしくは『失敗』ってことになってるが……まあ、今はアイツらに任せるしかないからな)

 

今俺がするべきことは、この広いホールを掃除することだ。

黙々とほうきをかけたり、掃除機をかけたり……。

 

(――そう言えば、ここはブラドの屋敷だったな……)

 

ふと思い、掃除をしている手を止める。

結局ブラドとの接触は無かったが、いつかブラドと闘う時がくるかもしれない。

その時に全くの情報がないのは、こちらにとっては不利になる。

俺が直接ブラドとやれれば問題ないが……どうせまた、『GOW』を雇っているだろう。残りの『GOW』メンバーは二人。

あの二人のことを考えれば、次に来る奴はもう分かりきっている。それを踏まえると、ブラドと直接やるのは俺じゃない。

 

(なら、今の内に少しでも情報を得て、キンジ達に教えといた方が良いな)

 

そう思った俺は掃除がてら、周囲の観察を行った。

まず今俺がいるホール。ここには獣の剥製や、尖った槍など、言い方が悪くなるが趣味が悪い。

パチリ。

目を瞑り、頭の中で考える。

 

(獣の剥製……コイツは関係なさそうだな)

 

それよりも気になっているのが、槍。これが何故か、妙に違和感を感じる。

槍……ブラド……ヴラド……槍……串刺し……。

 

――『強いていうなら――鬼だ』

 

(――なるほど、な。分かったぞ、ブラドの正体。確かにジャンヌが言っていた通りだな、予想通りなら)

 

ブラドの正体が分かったことで、ある程度の予想はつく。これで少しは対策しやすいはずだ。

 

(だが……何故、ブラドは小夜鳴先生と関係を持っている?俺の予想が正しければ、一般人の研究学者にすぎない小夜鳴先生と関係を持つことは不可能に近いはず)

 

ブラドの正体が分かったことで、更に一つ違和感を感じたことがあった。だがどんなに考えても、一向に答えがでない。

……少し、見方を変えてみよう。ブラドが小夜鳴先生と関係を持つ方々じゃなくて、小夜鳴先生がブラドと関係を持つ方法を考える。

小夜鳴先生は、研究学者。主に遺伝子工学や品種改良を研究している。

ならばここの大きな施設を借りているだけ?

――違う。そのためには一般人である小夜鳴先生には()()()()()()()()()

……もっと考えろ。今までの時間の中に、何かヒントがあるかもしれない。

 

(思い出せ――必要な事柄だけを)

 

 

――『理子は少女の頃、監禁されて育ったのだ』

――『……そうだよ。理子の両親は、もういない。十字架は、理子の5歳のお誕生日にくださった物なの。あれは理子の大切なもの。命の次に大切なものなの。でも……ブラドのヤツ。アイツはそれを分かってて、あれを理子から取り上げたんだ。それを、こんな警戒厳重な所に隠しやがって……ちくしょう……』

――『理子が初代リュパンを超える存在にまで成長し、その成長を証明できれば、もう手出しはしない』

――『それが実は、お恥ずかしながら……詳しくは知らないんです。私と彼はとても親密なのですが……直接話したことが無いものでして』

――『――理子、キンジ。マズいわ。掃除の時に調べたんだけど……地下倉庫のセキュリティが、事前調査の時より強化されてるの。気持ち悪いぐらいに厳重。物理的な鍵に加えて、磁気カードキー、指紋キー、声紋キー、網膜キー。室内も事前調査では赤外線だけってことになってたけど、今は感圧床まであるのよ』

 

 

――数少ない監視カメラが無い場所で、地下金庫の真上にある遊戯室――

 

 

「――まさか」

 

目を開け、驚く俺に。

――ブー、ブー、ブー。

携帯のバイブ音が3回鳴り、止まった。『成功』の合図だ。

 

「……」

 

成功を確認した俺は黙ったまま、雑巾を濡らして絞る用に水を入れたバケツを持って歩く。

各場所を回ったために少し濁った水に映る俺の顔は……ひどく険しいものだった――




はい、どうでしたでしょうか?

最近、自分の作品の1話を見直したのですが……まったくといっていいほど地の文使ってませんね。あまりにも今と違ってビックリしました。
文字数やら執筆の仕方が変わっていく自分ですが、これからもよろしくお願いいたします!

では、ごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ。

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