いや、本当に申し訳ありません。何故中身を確認しなかったんだ、自分!
やることなかったのでパワプロアプリやら白猫やらやっていましたが……ようやく書けます。
また、鍵姫(沙*・ω・)ゞさんに高評価9を頂きました。ありがとうごさいます!あと顔文字ソックリですね(笑)
では、第56話、始まります。
「――ルールは
「いや、僕はあくまで手伝いですよ?元々は綴先生の仕事なんですし、これで最後なんですから。しっかりやってください」
体育館の真ん中に設置された、プロレスとかボクシングなどに使われるリングの中に、水着姿のあたしと桜ちゃんがいる。
リングの横には、審査員である綴先生が椅子を逆に座ってダルそうにしている。
そして先生に話しかけられた零先輩は、今あたしのコーナー下の所に皆と一緒にいる。
(……あたしが負けたら、アリア先輩のランクが下がって、零先輩の
――あかりさん平常心です!落ち着いていけよ!ファイトですの……
あたしのコーナー下にいるはずの皆の声が、やけに遠く感じる。
緊張で震える体を、必死に抑える。
だめ、あたし。考えるな、集中しろ。この試験は――絶対に負けられないんだ!
「じゃあ、始めるぞぉ。えーっと、この対戦のランダム付加ルールはだなぁー……『ビル屋上戦』だとよ。『リング外に落ちたら転落と見なす』。よぉーし、
カァンッ。
ゴングの音が鳴り響いたと同時に、バッ!
先手必勝だと思って、あたしは思いっきり前に出る。
ブンッ。バッ。
そしてそのまま右ストレート、左アッパーと拳を突き出す。
けど桜ちゃんはそれを冷静に、確実に避けている。
この!と思って右フックを狙うけど、それも上体を反らすだけで躱され、がしっ。
あたしの脇の下と首もとを抱き込み、クランチの体制に入られた。
「
(――ッ!?この娘、得点稼ぎのためにわざと避けて――!)
それに気付いた時にはクランチを解かれ、バッ!
左のジャブを数回見舞ってくる。
あたしはそれをなんとかガードしていたけど……
ゴッ!
左ばっかり気にしていた所為で、右のストレートをモロに受けてしまった。
「うっ!」
脳が揺れる感覚を感じながら、なんとか立っているけど……
「打たれ強いですね……じゃあ、それも利用させてもらいます!」
そう言って、桜ちゃんは左蹴りをしてくる。
狙いはミドル。防げる――
そう思った時、カクンッ。
桜ちゃんの足の軌道がいきなり変わり――ドカッ!
あたしの頭部にハイキックが入った。
先程よりも更に強い脳の揺れを感じ、倒れてしまった。
「くっ……うっ……!」
「
仰向けになって動けなくなったあたしの左腕を桜ちゃんが取り……
「――
両手両足で極める――
ギリギリとあたしの腕を極め、締め付けてくる。
い――痛い!痛い!
痛みの所為で、自然に涙が出てきてしまう。
「ぐっ……うう……!」
「――先輩。そろそろ
桜ちゃんが何か言ってるけど、あたしは痛みで何を言っているのか分からない。
(このランク考査は……あたしだけのものじゃない……!みんなのため……アリア先輩のため……)
――皆が応援してくれる声が聞こえる。
「あかり!持ちこたえろ!」
「間宮先輩!」
「あかりさん……!」
「あかりっ!」
そして……
「――頑張れ、あかりちゃん」
(――零先輩のためにも、頑張る役目なんだ!)
――sideあかりend――
――side零――
「――踏み台は踏み台の役目をちゃんと果たし……え?」
「ぐ……ぎぎ……!」
――おいおい、マジかよ……
あっ。(*´∀`)ノヤァ、零だ。ってこんなことしてる場合じゃないな。
つってもビックリしたな……まさか。
(自分より体格が良い相手に、腕極められながら持ち上げられるとは……!)
あの綴先生ですらタバコを落としてるぞ。ましてや担ぎ上げられている乾さんならなおさら驚いているだろう。
「えっ、なっ!?」
「――ヤァ!」
何が起こっているか分からない乾さんを、あかりちゃんはそのままリング内に叩きつけた。
不意打ちで叩きつけられた乾さんは痛みでロックを外してしまう。
あかりちゃんはその隙にリング端まで下がった。
「くっ……!よくも!」
だが乾はすぐに立ち上がり、あかりちゃんに追い討ちを掛けようと近付いた。
(あーあ。やらかしたな、乾さん。あかりちゃんはどっかの
乾さんのダッシュの勢いを乗せた右ストレートが当たる――
ヒュッ。
「……え?」
前にあかりちゃんの姿が消える。
慌てて乾さんがあかりちゃんを探すも――もう遅い。
(――カウンターの方が得意なんだから)
「――
パルスをジャイロ回転によって意図的に使えるあかりちゃん――足の回転で一瞬だけ身体能力を底上げして目に見えない速度でジャンプし、相手が見失った時にもう一度ジャイロ回転で短距離型『
本来なら武器や衣服を震動だけで破壊する鷹捲だが、短距離なのでジャイロ回転が不足し、身体能力を上げた打撃となる。
ドスンッと鈍い音を立てながら直撃した技は、乾さんを一撃で沈めた。
「あー……乾 桜。気絶による戦闘不能。よって勝者ぁ……間宮 あかり」
それを聞いたライカや志乃、
フラッ。
「――よっと」
終わって気絶したあかりちゃんを、俺は倒れる前に抱き留めたのだった――
「――やったよやったよー!ランクDだよー!」
「おめでとうございますですのー!」
「途中まで負けると思ってヒヤヒヤしてたぜ」
「昇格は昇格だもんねー!」
あの後しばらくして、起きたあかりちゃんが無事Dランクを取れたということで皆で集まって食堂でご飯を食べている所だ。
「そういえばあかり。あれ一体なんだったのよ」
「あれって何ですか、アリア先輩?」
「あかりが最後にやったやつよ」
「あー……えっと……零先輩に教えてもらったんです。あたしも感覚だけでやったんで、詳しくはなんとも……」
「……零?」
アリアがこちらに説明を求めるような目線を送ってきたので、弁当を食べている箸を休める。
「あれは間宮一族の技である『
「……?何で零はその、『
「あっ、そういえばそうっスよ。なんで零先輩が知っているんっスか?あれは夾竹桃逮捕の時に使っていたから、零先輩知らないはずっスよ?」
「あかりちゃんに聞いたんだよ。『間宮の技で他に使えるやつないの?あるなら俺に掛けてきてくれ』って。すぐに技の本質に気付かなかったら公開処刑になってたわ。同じ分のパルス当てて相殺したけど」
「零先輩、片手だけであたしと同じジャイロ回転したんですよ……」
あかりちゃんのゲンナリとした言葉に、今更だろと他のやつらが言った。なんか気に入らないんだが。
「――あっ……桜ちゃん」
そんな感じで喋っていると、あかりちゃんが何かに気付いた。
あかりちゃんが見ているを見ると、そこには
「……私もBランクになれたから及第点です」
カタッ、とトレイをテーブルに置き、空いていた俺の隣の席に座りながら、乾さんがそう言った。
……それと同時に、何故か気温がスッと下がった感じがするんだが。なんだ、風邪でも引いたか?
「でも、ひとつだけ分からないことがありました。何故私をリングの外へ投げなかったんですか?そちらの方がより効率的に勝てたのに……どうして?」
あー。要するにリングアウトにすれば良かったのでは?ってことか。
でもそれって愚問なんだよな。何故なら……
「……それは、『ビル屋上戦』っていうシュミレーションだったからだよ。落っこちたら桜ちゃん、死んじゃうんだもん」
「……?」
あかりちゃんの言葉に乾さんは首を傾げている。これ絶対に分かってないやつだな。
「アリア、武偵法9条」
「『武偵はいついかなる時でも人を殺害してはならない』、でしょ?あかりはそれを守ったのよ」
「――ッ!」
アリアの言葉に、乾さんは顔を赤くした。
恐らく、自分が点数稼ぎばかりしていたのを振り返ったんじゃないかな?
「……成る程、確かに私の完敗です。負けた理由にも納得しました。それと、あかり先輩」
そこで乾さんはくるりとあかりちゃんの方を向き、
「今まで失礼なことばかりして、申し訳ありませんでした!」
と、しっかり謝った。
なんだ、普通に良い子じゃないか。強気な発言も自分に発破をかけるような感じだったのだろう。
「ううん。もう過ぎたことだし、気にしなくていいよ」
「ありがとうございます……でも、零先輩に
「ん?いつでも受けにきていいんだよ?」
「いえ。一回しか受けられないのですから、大事にしたいです。それに零先輩の試験は難落不動と聞いていますし」
「そっか、なら良いけど」
「ですので……」
と、乾さんはまたあかりちゃんの方を向く。
「あかり先輩!私を
ゴフッ!ケホッ!き、器官に水が入った。
「あかり先輩は私にないものを『持って』います!その下で学べば、きっと零先輩に近づけますから!」
「えっ。いやでも、あたしよりランクが高い子なんだし、他の人にすれば……」
「アハハハ!あ、あかりに
「ラ、ライカお姉さまが壊れたのですの!しっかりなさってくださいまし!」
「あ、あかりさんの
ワイノワイノ、ギャーギャーと騒いでいる後輩達に対して。
「ああ、青春だのう」
「何でお爺ちゃんみたいなこと言ってるのよ、零」
と、軽い漫才みたいなことをする先輩達であった――
はいどうでしたでしょうか。
これから大学生なのでバイトとかしながらチマチマやっていきたいと思います。
それではごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ。
――S頂!へ~んしゅ~ぶ!――
「そういえばあかり。あれ一体なんだったのよ」
「あれって何ですか、アリア先輩?」
「あかりが最後にやったやつよ」
「あー……えっと……零先輩に教えてもらったんです。あたしも感覚だけでやったんで、詳しくはなんとも……」
「……零?」
アリアがこちらに説明を求めるような目線を送ってきたので、弁当を食べている箸を休め――
ドシャッ。
「――えっ!?ちょ、ちょっと零!いきなりどうしたのよ!」
「……誰だ……この弁当を用意したのは……」
「え……確か、ネリーだったと思う――」
「何か仕込んだだろあのヤロー!」トイレダッシュ
ネリーちゃんを自由にさせてはいけない。絶対に何かやらかしてくるから(シェイ談)