緋弾のアリア~Sランクの頂き~   作:鹿田葉月

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はいどうも、鹿田(ろくた)葉月(はづき)(*`・ω・)ゞデス。
エピローグですが、ほとんどオリジナルです。そのおかけで少し早く執筆できました。

というわけで、第二章エピローグ、始まります。


47話~エピローグ~

『さぁ、今年も数々の名シーンがありました。そして時間も過ぎて……アドシアード二日目ラストです!』

 

司会のマイクに観客が湧く。

ジャンヌとサイアとの戦いが終わった後の翌日。俺は会場のど真ん中に立っている。

周りには、一癖も二癖もありそうな、いかにも実力を持っている者ばかりいる。

 

『ここまでで印象に残ったのは、やはり狙撃科(スナイプ)競技ですね。東京武偵高2年・レキ選手が見事世界記録(ワールドレコード)を更新しましたから』

 

へぇ、レキ更新したんだ……まぁ、なんとなく予想はできるが。

 

『だけど……今年はこれよりもっと盛り上がること間違いなしの種目があります!五年に1度しかない、各学校の代表者が己の力をぶつけ合う競技……その名も、対高戦(クロスカントリー)!』

 

ドワァッ――!

 

対高戦(クロスカントリー)』という競技名を聞いた瞬間、先程よりも強く、会場が揺れたような歓声があがった。

そう、今からやるのは、『対高戦(クロスカントリー)』。今年のアドシアードの一番の目玉だ。

 

『ルールを説明します!これはあくまで競技ですので、使える弾丸は非殺傷弾(ゴムスタン)のみ。刀剣類は木刀か、峰打ちのみとさせていただきます……また、戦っている最中は、東京武偵高の生徒のチアも行いますので、そちらも是非ご鑑賞下さい……では、各学校の選手紹介を行います。まずは……』

 

と司会者が選手紹介を始めた所で、チアの格好をした女子達が入ってきた。

そこには、日頃から練習してきたアリアと――

 

「ほら、なに恥ずかしがっているのよ」

「で、でもやっぱりこんなの……」

「あーもう!ここまで来てなに言ってんの!ほら出る!」

 

と、アリアに押されるようにして出てきた、チアガール姿の()()だった。

外出禁止や禁止の技の使用など、今回様々なことをやった白雪は……アリアの強力な推薦により、チアに出ることになったのだ。

まぁ、人前で緊張するのは直せないみたいだが……もう、『かごのとり』じゃなくなったな。

 

『――最後に紹介するのは、知らない人は誰もいない。数々の依頼や事件を解決した、全ての学科においてSランク。紅電こと――錐椰 零選手です!』

 

おっと。考え事していたら、俺の番になったな。

 

『エル!オー!ブイ!イー!零様!』

『おおっと!錐椰選手のファンクラブが一斉に盛り上がり始めました!』

 

いや、俺のファンじゃなくて東京武偵高代表だから応援してくれてるだけだろ。

 

『そんな実力、人気、容姿ともに揃っている錐椰選手!対高戦(クロスカントリー)に向けて何か一言!』

 

と司会の人がマイクをこちらに向けてきた。おいおい、他の人にはしていないだろ……何も考えてないし。

まぁ取り敢えず……

 

「(*´∀`)ノヤァ」

『(*´∀`)ノヤァ』

 

おおう!?まさか会場全体が返してくるとは……驚いたぞ。てかなんで知っているんだよ。

 

「はい、先程紹介に預かった錐椰 零です。今回の対高戦(クロスカントリー)に向けては――皆さんを楽しませるように、頑張っていきたいと思います」

『……あの、錐椰選手。優勝しますとか、そんな感じのを期待していたんですけど……』

「――わざわざ言うまでもありませんよ」

 

――俺の笑みを浮かべながらの発言に、会場中がざわついた。

 

『おおーっと!錐椰選手!まさかの余裕宣言だ!これは期待以上の返し方です!』

 

司会者が盛り上がっている最中、他の出場選手は全員、俺のことを睨み付けていた。

そりゃそうだ。相手は全員3年生。長期依頼などをこなしてそれなりに自負がある者ばかり。それがいくら有名なやつとはいえ、2年生の俺に余裕で勝てると言われたんだ。良い思いはしないだろう。

 

『さぁ、良い感じに選手達のムードも高まってきたので……対高戦(クロスカントリー)、始め!』

 

司会者が開始の合図を言った途端――

 

――パァパァパァパァパァンッ!

 

()()()()が一斉に俺に向けて発砲してきた!

 

「おっと……」

 

まさか全員が俺をターゲットにしてくるとは思わなかったので少し戸惑いながらも刀で弾く。

すると今度はサイコキネシスやら風やら炎やらと、各人の超能力が、俺の周りを覆った。

 

『な、なんと!開始早々、いきなり錐椰選手への集中攻撃!今は立ち上がる煙でよく見えませんが……果たして錐椰選手は無事なのか!?』

 

司会者がいつの間にか実況者になってるし。まぁでも――

 

「狙いは」

「良かったんじゃない?」

「開始早々」

「いい強襲だよ」

「流石3年生」

「侮れない」

「でも」

「それじゃ」

「「「「「「「「俺には勝てない」」」」」」」」

『……は?』

 

この時の会場にいる全員が、何が起こったのか分からないだろう。疑問に満ちた顔をしている。

まぁでも仕方ないだろう。何せ――

 

『な、な、なんと……煙が開けたと思ったら、き、錐椰選手が、一人、二人……八人もいます!い、一体何が起こっているんでしょう!?』

『これは分身して、会場を驚かせようと思ったからですよ、司会者さん』

『ああ、解説ありがとうございます……ってここにも錐椰選手が!?』

『さぁ、会場中が混乱の中、REIsはどう動いていくんでしょうか?』

『勝手に実況しないで!』

 

とまぁ初めてやった分身だが……思ったよりも良い感じだな。一目ではどれが本物か分からないだろう。

 

「れ、零様が9人も……ここが、天国ですのね……」バタッ

『おおっと!何故か選手より先に観客の女子生徒が倒れました!これは一体どういうことなのですかね、解説の錐椰選手?』

『さぁ、こればっかりは僕でも良く分かりません。というか……順応早いですね、司会者さん』

『さて、そうこうしている内に選手達が我に返ったようです!戦闘態勢になっています!』

『……スルースキルもあるんですね』

 

まぁ司会者さんが言った通り、ようやく我に返ったのか、次々と戦闘態勢をとる選手達。

それと同時に、俺の分身達が駆け出した。

鳴り響く銃声と、空を切る斬撃。

 

『す……凄い!あらかじめ相談していたように軽々と銃撃と斬撃を避ける錐椰選手!まるでサーカスのようだ!』

『使っている道具が拳銃と刀剣類とは……世も末ですね』

『あなたが言えるセリフではないですよ!?』

『まぁでも……もうすぐ終わりますよ』

『……え?それは一体どういう――』

 

意味ですか?と続けそうだった司会者さんの隣で、実況している場所にいる俺が、スッ――と指を空に向ける。

そこには――

俺が、()()()()()

 

『な、なんと!錐椰選手の背中に、鳥のような羽が!?』

『因みに言うと、あれが本体です』

 

司会者さんと解説役の俺の分身が喋ったことによって、慌てて他の選手達が空を見上げる。

だが――遅い。

 

『錐椰 零の名の下に』

『一回のみ、剣技・零式を解除』

 

俺が呟いた瞬間、コウヒノホダシが炎に包まれる。

そして羽を大きく羽ばたかせて一気に急降下する。そして――

 

「――剣技。零式・一章――『紅炎(プロミネンス)』――派生(はせい)!」

 

――飛燕焔(ひえんほむら)

 

巨大な炎が、会場を包みこむ。

――そして炎が消えたときには立っている者はおらず、空を駆ける少年に惜しみ無い拍手と歓声が巻き起こった。

 

 

 

 

 

「いやぁ……良かった。会場全体が盛り上がってくれて」

「……零君があんなことするから選手達全員大怪我で私が駆り出されて、結局最後歌えなかったんだけど」

「……申し訳ありません」

「ま、まぁまぁシェイちゃんも落ち着いて。レンちゃんも悪気があったわけじゃないんだし」

「でもあれは流石にやりすぎだと思うけどな」

「アンタの話は聞いてないわよ、キンジ」

 

アドシアード終了後、俺達はキンジの部屋に集まっていた。何故キンジの部屋かというと、白雪が心配かけたお詫びをしたいと言ったので、だったら皆で飯食うかって話になったのだ。

 

「皆……本当に心配かけてごめんなさい」

 

飯もだいたい食べ終わった後、白雪が突然立ち上がったと思ったら、こちらに頭を下げてきた。

 

「……白雪、頭を下げるな」

「で、でも……」

「キンジの言う通りだ。寧ろ謝られるとコッチが困る」

「え……えっと……」

「あーもう!じれったい!この話はもう終わり!」

 

白雪が何かまだ言いたそうにしていたが、俺の隣にいる活火山(アリア)が噴火した。

 

「そんなことより白雪!」

 

ビシッ!と白雪を指さすアリア。

 

「――白雪も、アタシ達のパーティーに入って!」

「……えっ?」

 

突然の発言に戸惑う白雪。

 

「な、なんで……?」

「アタシが入って欲しいから!」

 

理由ないのかよ!?

 

「今なら、もう使わなくなったこのキンジの部屋の合鍵をつけ――」

「よろしくねアリア!」

「うぉぉおい!何勝手に渡してやがる!」

「何か文句あるのドレイ!」

「大有りだ!俺の意見……も聞いていただけると嬉しいのですが……」

 

キンジよ……いくら拳銃(ガバ)出されたからって、もう少しくらい粘ればいいのに……シェイはずっとクスクス笑っているし。

 

「では、新たなパーティーメンバーの歓迎に――Cheeeeeers(カンパーイ)!」

「乾杯!嬉しい、嬉しいよ!合鍵……キンちゃんの愛の証だよー!」

「クスッ……本当に、見ててあきないね。面白いよ……乾杯!」

「ああ、もう……勝手にしろ!」

 

嬉しそうにするアリアと、嬉し泣きしかけている白雪と、それを見て笑っているシェイ。そして、ヤケクソ気味でグラスをあてるキンジ。

――そこには、いつまでも続いてほしい、騒がしいけど退屈しない日常があった――

 

To Be Continued!!!




どうでしたでしょうか?

これで原作二巻が終了しました。本当、小説家の皆様は大変だということが分かります。無の状態から5ヶ月程度で完成させるとは……自分には絶対無理です。

さて、次回からは原作三巻。つまりあの娘の出番です。というか、彼女の喋り方マネするの難しい……まぁ、善処します。

誤字・脱字・ご意見・ご感想・質問などがありましたら、是非感想の方へ。
それでは、ごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ。

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