緋弾のアリア~Sランクの頂き~   作:鹿田葉月

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はいどうも、鹿田(ろくた) 葉月(はづき)(*`・ω・)ゞデス。
もう、一週間に1度くらいでしか更新できない……楽しみにしている方は申し訳ありません。
なるべく早く更新できるように頑張ります!
それでは、第36話、始まります。


36話~巫女占札~

(*´∀`)ノヤァ、零だ。いやぁ……白雪の家事スキルがえげつないわ。夕飯がどこの高級和食店だよっていうレベルだ。

で、食後アリアとキンジのチャンネルの取り合い(アリア、拳銃(ガバ)を出すな。キンジも拳銃(ベレ)抜くな)を見ていると――

 

「三人とも、あのね、これ……巫女占札(みこせんふだ)っていうんだけど……」

「――みこせん……?占いか?」

「うん、キンちゃんを占ってあげるよ。将来のこと、気にしてたみたいだから」

「ふーん……じゃあ、やってもらうか」

 

ちなみに言っておくと、白雪の占いは非常によく当たる。

アリアも占いは興味あるのか、なにそれ、なんて言いながらHDDレコーダーに動物番組を録画セットしながらテーブルについた。

アリアさん、録画で良いなら拳銃(ガバ)抜かないでくれます?

 

「キンちゃんは、何占いがいい?恋占いとか、金運占いとか、恋愛運を見るとか、健康運を占うとか、恋愛占いとかあるんだけど」

 

白雪、どんだけ恋愛系統の占いさせたがるんだよ。

 

「じゃあ……数年後の将来、俺の進路がどうなるのか占ってくれ」

 

そしてキンちゃんはスルーですか。いや、コイツのことだから多分素で気づいていないな。

そして白雪、「チッ」と舌打ちするな。そんなにやらせたかったのかよ。

その後すぐに「はい」と、天使のような笑顔になって、カードを星形に伏せて並べ、何枚かを表に返し始めた。

 

「どうなのよ?」

 

アリアがウズウズとしながら尋ねたので、白雪の顔を見ると……少し、険しい表情をしている。

 

「どうした?」

「え、あ……ううん。総運、幸運です。良かったねキンちゃん」

「おい。それだけかよ。何か具体的なこと分かんないのか?」

「え、えっと、黒髪の女の子と結婚します。なんちゃって」

 

ニッコリと笑って答えた白雪だが……その笑顔はかなり作り笑いっぽい。

一体どんな占い結果だったんだろうな。

 

「はいじゃあ次はアタシの番!」

 

ウズウズしていたアリアが机に乗り出し、ハイハイと挙手をする。

 

「生年月日とか教えなくていいの?アタシ乙女座よ?」

「あ、私の占いは詳細な個人情報はいらないの」

 

そう言ってまた星形に並べて何枚かを取る。

 

「どうなの?」

「――前途多難。この先、様々な試練が襲いかかる。けど、仲間を信じることを心に入れておくこと、だって」

 

アリアの顔を見ながらそう言った白雪。

 

「前途多難、ね……良いわ。そんなの、いくらでも乗り越えてみせてあげるわ!」

 

アリアはグッ、と握りこぶしを握る。どうやら心配無いようだな。

 

「じゃあ、次はレンちゃんの番だね」

「ああ」

 

そう言って三度目の占いを行う。

 

「――ッ!」ガタッ

 

すると、白雪が驚いた顔で突然立ち上がる。その拍子に足がテーブルに当たり、カードがバラバラになった。

 

「あっ……ご、ごめんね」

 

そう言って白雪がアセアセとカードを取って束ねる。

 

「あ、あの、私、勉強しなくちゃいけないから、お休み!」

 

そう言ってサッサと寝室に向かっていった。

 

「……何だったんだ?」

「さぁ?」

 

キンジの疑問にアリアが首をかしげ、俺は何かモヤモヤした気分になった。

一体、どんな占いになっていたんだ……?

 

 

 

 

 

翌日、いつものように早起きして朝食の準備をしていると……

 

「おはよう、レンちゃん。何か手伝うよ」

「ああ、おはよう白雪。じゃあ味噌汁作るの頼むわ」

 

白雪が起きてきて手伝ってくれることになった。

 

ザクッ、ザクッ、ザクッ

ジュ~~~

野菜を切ったり、オムレツを作ったりしていると……

 

「レンちゃん、昨日の占いのことなんだけど……」

 

ポツリ、と白雪が呟いた。

 

「ああ」

「あのね、驚かないで聞いてほしいの」

「……大丈夫、言ってくれ」

「うん……占い結果にね……」

 

 

――レンちゃんが、何者かに殺されるって。

 

「……」

「誰かまでは分からなかったけど、そう、でたの……」

 

そうか……

 

「……白雪」

「ごめんね、昨日言えなくて。でも信じたくなくて……」

「味噌汁、沸騰しているぞ?」

「えっ……あっ」

 

グツグツと音を立てているので、白雪に伝えると、慌てて止めた。

 

「味噌汁は沸騰させすぎるとせっかくの風味が無くなるぞ?それに、キンジとアリアも起きてくるだろうし」

 

チラッと時計を確認すると、大分時間が経っている。早く作ってしまわないと。

 

「……気にしてないの?」

「何をだ?」

「だって……レンちゃん自身のことなんだよ?それに……レンちゃんが死んだら、私もキンちゃんも、アリアも悲しいんだよ?」

「白雪」

 

俺は作業しながら、白雪に問う。

 

「運命って、どうなっていると思う?」

「えっ……」

「俺は……どんなに抗っても、逃れられないものだと思う。元から定められた選択肢があり、そのレールの上を歩いているのが人生だと思う。だから占いに出た将来は、その通りなんだと思う」

「……」

「でもな……その定められた選択肢を増やすことができるとも、俺は思う」

「……え?」

「勝負事だって、元々は『勝ち』と『負け』の選択肢があるけど、まったくの初心者がその道の手練れの人と闘ったって、『負け』の選択肢しかない。でも、努力して、勉強して強くなって闘ったら、『勝ち』の選択肢も出てくる。その結果、将来が変わるっていうこともある。占いに出た将来だって、俺が選択肢を広げれば、『1つの将来』としてしかならないってことだ」

 

俺はそこまで言って、まだ寝てるであろう二人を起こしにいこうとする。このままだと遅刻しそうだしな。

 

「つまり、何が言いたいかって言うと……俺は、簡単に死ぬ気はないってこと。それに……」

 

キィ、と寝室のドアを開ける。

そこには、愛くるしい表情で寝ているアリアと、少し魘されているような表情のキンジがいる。

 

「――お前達を置いて死ぬほど、俺も不孝者じゃないからな」

 

そう言って、俺はアリアとキンジを起こすことにした――

 

 

 

 

 

学校につくと、教室がザワザワと騒がしかった。

 

「いよーう、キンジに零。神崎さんも」

「おはよう剛気」

「朝からうるさいぞ武藤」

「他の人の迷惑よ、ノッポ」

「……あれ、まともに返してくれたの零だけ?」

 

シュン、と落ち込む剛気。あとアリア、他の奴らも騒いでいるからな?

 

「それより武藤、一体これは何の騒ぎだ」

「ああそうだ、転校生がくるみたいだぜ?」

「転校生、か」

「あれ、驚かないのか?」

「そりゃあ、まあ」

 

何故俺が驚かないのかって言うと、普通の学校なら意外なことになるが、武偵高では結構頻繁なことだからだ。理由は、武偵は長期依頼とかで拠点を違う高校を移したり、世界を飛び回るためだったりするから。

 

「逆に何でこんなに驚いているのか、不思議でならないよ」

「バカだね、零は。そんなの、カワイイ女子がきてくれるかどうかで盛り上がるからだよ!」

「……剛気、現実を()ようぜ」

「うるさい!」

 

そんなこんなで、担任の高天原先生が「はぁ~い、HLを始めるので、席についてくださ~い」と言ったので、みんなゆっくりと席に座る。

……武偵高では時間厳守。もし先生が入ってきた時に着席していなかったら、キツい処罰が与えられるのだが……この高天原先生は『武偵高の良心』と言われるくらい穏和な性格で、ダラダラしててもニコニコと笑顔で許してくれるのだ。本当、この人が担任で良かったと思うよ。

 

「では今日は特に連絡事項もないので……早速、転校生さんを紹介しますよ~」

 

ヒュー、ヒュー

パチパチ

口笛を鳴らしたり、拍手をして盛り上げる2-Aの奴ら。

ここに理子がいたらもっと大変なことになっただろうな……と思いつつ、現在長期依頼で出張中ということになっている行方不明の理子の席を見る。

 

「皆さん、驚くかもしれませんよ~……それでは、どうぞ~」

 

先生まで驚くかもって言うんだ……少し興味を持ってきたな。誰なんだろ?

そう思っていると、ガラリラッ。教室のドアが開いた。

――そこには、美少女がいた。

身長は160くらいで、クッキリとした目鼻立ちに、大きな藍色の瞳。

黄緑色の髪を腰よりも少し長いストレートにしており、前髪に桜の花のような髪止めをつけている。

武偵高の制服に身を包んだ少女は、さっきまで騒いでいたのが嘘みたいに静寂になった教室を歩き、教卓の前に立った。

 

「初めましての人は初めまして。知っている人はこんにちは。シェイル・ストロームです。気軽にシェイって呼んでください」

 

そう言ってチラッ、と俺の方を見る少女――シェイを見て、俺は頭を押さえずにはいられなかった。

 

――何で来たんだよ……シェイ!




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それでは、ごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ。

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