テストが終わったので、久々の投稿です。テストの結果?聞かないでください……
とりあえず、第34話、始まります。
「零、子供の作り方教えて」
「ブフォッ!」
ゲホッゴホッゴホッ……あ、(*´∀`)ノヤァ、零だ。今俺は自宅のリビングでコーヒーを飲んでいたが、開幕初っぱなに吹き出した。
アリアが聞きたいことがあると言ってきて、何かと思って聞いたら……
「え、えーと、アリア。何でそんなことを?」
「えっとね、この前……」
~回想~
『ね、ねぇ白雪』
『ん?どうかしたのアリア?』
『ここら辺に産婦人科ってある?』
『……え?』
『だから、産婦人科』
『え、えっと、何でそんなことを……?』
『だって、ア、アタシ、れ、れれれ零と、キ、キキキキスしたのよ!』
『え?』
『だ、だから!キ、キスしたのよ!それで……』
『え、えっと、どういうこと?話が視えないんだけど……』
『だから、子供ができてないか、確認するためよ!』
『……えっと、アリア。キスで子供はできないよ?』
『え?だって小さい頃、キスで子供ができるってお父様が……』
『……(純粋だな~)』
~回想終了~
「それで、じゃあ子供はどうやって出来るのって聞いたら、『そ、それはレンちゃんに教えてもらうと良いよ』って言われたのよ。何故か顔真っ赤にして」
おい白雪、何面倒なことを人に押しつけているんだよ。
し、しかし、子供の作り方、か……いや、知らない訳ではないよ?でも、教えるとなると……
「ア、アリア、保健の教科書読んだことないのか?」
「授業は眠たいから聞いてない」
「おい」
ちなみに武偵高の偏差値は50を切っている。まぁ一般知識より専門的な知識を学ぶ武偵高だから当然と言えば当然なのだが。偏差値75である白雪や、それに準ずる者達が必死で勉強するから、まだ50を切るくらいで済んでいるのだが。
ん?俺の成績?白雪といつもテストの点数で勝負しているとだけ言っておこう。
「それで、結局どうすれば子供ができるの?」
ズズイと顔を寄せてくるアリア。だが……
「アリア、そこにパソコン置いてあるから、自分で調べてくれ!」
俺はそう言って立ち上がり、ベランダに向かって走って飛び降りる。
ワイヤーを使って上手く寮の外に降りて、そのままあてもなく駆け出した。後ろから何か聞こえるが気にしない。
だって、それを言ってしまったら、取り返しのつかないことになりそうだし……ヘタレじゃないからな!
――数時間後、部屋に戻ってくると、顔を真っ赤にしてパソコンを見ているアリアを発見し、一悶着あったのは言うまでもない……
数日後、アドシアードに向けて
「零、キンジ、あれ見て」
「何だ?」
ピシッとアリアが指差したのは、教務科の掲示板。そこに書かれていたのは――
『生徒
……珍しいな。(普段は)生徒の模範を素でいっている白雪が呼び出しとは。
「アリア。お前、このあいだ白雪に襲われたのをチクったのか?」
「何で友達を売らなきゃいけないのよ」
キンジがアリアのことを疑うが、アリアは心外とばかりに頬を膨らます。あ、可愛いな。
「それにアタシは貴族よ。『H』家の名に懸けて、そんなことはしないわ」
「……そういえば、結局その『H』ってのは、一体なんなんだ?」
「はぁっ!?まだ分かってなかったの!?信じらんない!このバカ!ギネス級のバカ!バカの金メダル!」
いやアリア、キンジに何も教えてないんだから分からなくて当然だろ。キンジがバカなのは認めるが。
「……ハァ。まぁいいわ、教えてあげる。アタシのフルネームは――神崎・
「ホー、ムズ……!?」
「そう!アタシはシャーロック・ホームズ4世よ!」
キンジは目を見張る。まぁこの学校にも、このことを知ってるのは少ないしな。あかりちゃんは知っているけど。
――シャーロック・ホームズ。
100年ほど前に活躍した、イギリスの名探偵。拳銃の名手で
「じゃあ、理子が言っていた『オルメス』というのは?」
「あれは、『
キンジがアングリと口を開けているが、まぁ仕方ないだろう。誰だって知っている超有名人の子孫が、こんな可愛い美少女だとは思わないだろうからな。
「それにしても、白雪が呼ばれるなんて……何があったんだ?」
「そうねぇ……よし。零、キンジ、白雪が指定されてる呼び出しの時刻、一緒に……」
そこまで言ったアリアはそこで一旦言葉を区切り――
恐ろしいことを言った。
「教務科に潜入するわよ!」
……マジで?
東京武偵高は隅から隅まで危険きわまりない高校だが、その中にも『三大危険地域』と呼ばれる物騒なゾーンがある。
そして、
教師の詰め所にすぎない教務科が、なぜ危険なのかって?
答えは簡単。武偵高の教師が、危険人物ばっかりだからである。
考えてみればすぐ分かるが、普通じゃない学校の先生が、普通な訳がない。
例を挙げると蘭豹先生だが、蘭豹先生は香港マフィアのドンの一人娘で、まだ19才なのに酒を飲んでいる。俺がやんわりと止めたほうが良いですよって言うとすぐにその時は止めるが。
他にも前職が各国の特殊部隊とか、傭兵とか、殺し屋とか。それはもう聞かなければ良かったという人がたくさんいる。少しはマトモな人もいるが。
「零。手が届かないから抱え上げて」
と無声音で言うアリアの両脇をつかんでダクトの所へと持ち上げた。
にしても、軽いなー、アリア。女子に体重の話をするのは厳禁だが、アリアはとても軽いので失礼にならないだろう。その代わり身長の話は何があってもしてはいけないが。
アリアをダクトへ入れた後、今度はキンジをアリアが上から引っ張って入れ、その後で俺がジャンプして自力で入り、ゴソゴソと
ゴソゴソ。
シャカシャカシャカシャカ。
……アリア、匍匐前進速いな~。キンジとどんどん差がでている。
「アリア、
「得意なの。
「だろうと思ったよ。
――ゴスッ!
キンジがとんでもなく失礼なことを言ったら、アリアの足が急にぶれて、気付いたらキンジの側頭部にキックが入り、10センチほどめり込んでいた。
……胸についても厳禁だな。
白雪を――見つけた。
呼び出しをしていた教師の、個室にいたのだ。
俺たちは狭い通気口から、部屋の内部を伺う。
「星伽ぃー……」
この女にしては低めの声……
だが侮ることなかれ。この先生は尋問の技術に
何をさせるのかは誰も知らないが、綴先生に尋問されると、どんな口の堅い犯罪者でも洗いざらい何でも白状する。その後おかしくなって、綴先生を女王とか女神とかよぶようになるのだが。
「お前最近、急ぅーに成績が下がっているよなー……」
ああ成る程、成績の話だったのか。確かに綴先生は2年B組の担任で、白雪は2年B組だからな。
しかし珍しい。武偵高の先生が成績の話をするなんて。やっぱりこんな学校でも先生は先生なんだな――
「あふぁ……まぁ、勉強はどぉーでもいぃーんだけどさぁ」
前言撤回。やっぱり武偵高の先生は武偵である。アクビまでして、本当にどうでもよさそうにしているし。
「なーに……えっーと……あれ……あ、変化。変化は、気になるんだよね」
おい……まさか、『変化』という単語すら忘れていたという訳ではないよな?わざとだよな?
「ねぇー、単刀直入に聞くけどさァ。星伽、ひょっとして――アイツにコンタクトされた?」
「
白雪の言葉に――
アリアがピクッ、と反応した。
『
だが
「それはありません。と言いますか……もし仮に
「星伽ぃー。もっと自分に自信を持ちなよォ。アンタは
「それはまぁ、そうですけど……」
何だよその例え方。白雪も肯定しちゃってるし。
……アリアとキンジ。分かったから『あぁ……』みたいな納得の表情で頷くのを止めろ。そんなに今の例えが適正なのか?
「星伽ぃ、何度も言ったけど、いい加減ボディーガードつけろってば。
「でも……ボディーガードは……その……」
「にゃによぅ」
「私は、幼なじみの子の、身の回りのお世話をしたくて……誰かがいつもそばにいると、その……」
「星伽、
「……でも、
「これは命令だぞー。大事なことだから、先生2度言いました。3度目はコワいぞー」
プフゥーッ、と綴先生は白雪の顔面にタバコの煙を吹き掛けた。おい、白雪は未成年だぞ。
「けほ。は……はい。分かりました」
煙に目を細めつつ、白雪はとうとう首を縦に振った。
……難しいところだな。白雪は
さて、どうしたものかと考えた時に……
がしゃん!
と、アリアが通気口のカバーをパンチで開けて、ダクトから室内に降り立った。そして――
「――そのボディーガード、アタシ達がやるわ!」
と声高らかに宣言した。
おいおい……今度はどんなことが起きるんだ?
どうでしたでしょうか?
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それでは、ごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ