緋弾のアリア~Sランクの頂き~   作:鹿田葉月

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はいどうも、鹿田葉月(*`・ω・)ゞデス。

お気に入り400件、有難うございます!これからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします!

では、第31話、始まります。


31話~エピローグ~

目を開けると、そこには知らない……いや、最近見たことがある真っ白い天井があった。

 

「病院か……」

 

俺が体を起こすと、ガララッと病室の扉が開いた。

 

「やぁ、起きたのかね?」

「はい」

 

入ってきたのは、顔にメスの傷痕がある黒髪の前だけ白髪の男ではなく、顔がカエルに似ているわけでもない、いたって普通の医者がきた。

 

「体の具合はどうかね?」

「悪くないですね」

「それは良かった。君のような有名人の手術をするのは緊張するからね」

「そうですか……あの、ここに見舞いに来た人はいますか?」

 

アリアやキンジのことが気になるのでそう聞くと、医者は少し苦笑いしながら俺の右側を指さした。

俺が吊られて指差された方を見ると、

 

「……うわぁ……」

 

と唸らざるを得ない程、見舞品だと思われる物が()()()()()()

流石に花などは机に置かれているが、それ以外はほとんど机に乗りきらなくて、下に置かれている。

 

「ええっと……医者さん」

「はい」

「俺がここに来てからどれぐらい経ってますか?」

「まだ半日だよ」

 

半日でこれだけとか……ヤバすぎだろ。てか、『WE LOVE 零様♡』て書いてあるTシャツとかあるんだけと。誰がこんな手のかかったことしたんだよ。

 

(※零は自分のファンクラブがあることを知りません)

 

「まぁ良いか……医者さん」

「はい」

「見舞いに来た人の中で、ピンクのツインテールの少女と、いかにもネクラそうな男子が来ませんでしたか?」

「ああ、それなら……」

 

医者が何か言おうとすると、ガララッと扉が開いて、アリアとキンジが入ってきた。

 

「(*´∀`)ノヤァ」

「零、起きたのか」

「おう」

「それじゃあ僕は出ていくね」

「あ、はい。ありがとうございます」

 

そうして医者は去っていった。

 

「具合はどう、零?」

「大分良いよ。それにしても、手術大変だっただろうな。めっちゃ怪我してたし」

「それについてはそこまでだったらしいぞ?キレイに切られてたからやりやすかったとさ」

「そうか……でも、めっちゃ血を流してたけどな」

 

俺がそう言うと、アリアの顔が赤くなった。何故だ?

 

「零、何も聞いてなかったのか?」

「何をだ」

「今回で失った血液を、アリアから輸血したんだぞ?」

「……え?」

「本当は病院が管理しているやつを使おうとしたけど、アリアが『あたしのを使って!』ってきかなくてさ」

 

キンジにそう言われて、俺はアリアの方を見た。

アリアは顔を赤く染めながら、自分の髪の毛をせわしなく触っている。

 

「え……えっと……零と血液型が一緒って覚えてて……頑張ってくれた零に少しでも恩返しがしたくて……その……」

 

俯きながらゴニョゴニョ言うアリア。それを見て思わずアリアの頭を撫でた。

 

「ありがとな」

「ッ!うん!」

 

お礼を言うと、アリアがとても良い笑顔で頷いた。

 

「ところで、俺が気を失った後どうなったんだ?」

「ああ、それは……」

 

気になったので聞いてみると、キンジが教えてくれた。

何でも、キンジは操縦室に向かい、剛気と連絡を取って羽田空港に降りようとした。

しかしそこで何故か剛気との通信が途絶。代わりに防衛省が通信に入ってきて、羽田空港が使えないと言い、 海の上で不時着させるように命令してきた。戦闘機の案内つきで。

だがそこで剛気との通信が戻り、防衛省はキンジ達が着陸出来ないと踏み、海の上で戦闘機で攻撃、被害を最小限にするという魂胆だった。

そこでヒステリアモードのキンジは防衛省に、『戦闘機を撤収させなければ紅電を仕向けるぞ』と脅しをかけた。それを聞いた防衛省は慌てて戦闘機を撤収させた。俺は猛獣か!

それでキンジは羽田空港ではなく、武偵高のある学園島の隣り、『空き地島』を使うと剛気に宣言。剛気は滑空距離がギリギリで雨も強いし、発煙筒がないから危険だと言うが、キンジがもう一度言うと剛気は通信を切った。『墜落したら轢いてやる!』という言葉を残して。

そして『空き地島』まで来たが、やはり何も見えない。キンジは如何に被害を最小限に抑えるかということを考えた時、突然『空き地島』が明るくなった。剛気達が装備科(アムド)の備品を強引に持ってきたらしい。

それで着陸を開始。雨のせいで距離が足りなかったが、なんとキンジは『空き地島』にある風力発電にぶつけて止めるという荒業を成し遂げ、無事生還できた、ということらしい。

 

「……なんか、俺が気絶している間に恐ろしいことがあったんだな」

 

ていうか、一歩間違えたら俺、知らない間に死んでたんだな。そう考えるとぞっとする。

 

「もう二度とこんなことはしたくない」

「そうね」

 

キンジとアリアも同じことを考えていたようだ。

 

「じゃあ俺はもう行くぞ。アリアは?」

「アタシはもう少しここにいるわ」

「分かった」

 

キンジは俺の具合の確認と報告が済んだので帰っていった。キンジも疲れてるし、部屋でゆっくりさせてやろう。

 

 

 

 

 

キンジが帰って数分後、アリアと何気ない話をしていると病室の扉が勢いよく開いた。入ってきたのは――

 

「零先輩!」

「おお、あかり「零先輩ッ!」ちゃグホォッ!?」ドスッ

 

名前を呼ぼうとしたらいきなりタックルされ、そのまま抱きしめられた。だから俺は腹を負傷しているってイタタタタッ!

 

「あ、あかりちゃんstop! stop! 俺腹を負傷しているから!」

「あ!す、すみません!」

 

俺が言うとあかりちゃんは慌てて離れた。

イテテ……この前はアリアにやられたし、この戦姉妹(アミカ)揃って一体何なんだ?

 

「零先輩、大丈夫ッスか?」

「零先輩、ご無事ですか?」

「零様、大丈夫ですの?」

 

俺が腹を抑えていると、ライカ、佐々木、麒麟(きりん)ちゃんの順に入ってきた。

 

「あ、ああ。大丈夫だよ」

 

俺がそう言うと、全員ほっとしたような表情になった。

 

「それで、夾竹桃は?」

「はい!無事捕まえられました!」

 

俺が聞くと、あかりちゃんが元気一杯にそう言ってきた。

 

「もう、お姉ちゃん。ココ病院ってこと忘れてない?」

 

と言いながら入ってきたのは、目に巻き付けていた包帯がとれ、しっかりと歩いているののかちゃんだった。

 

「ののかちゃん、無事解毒できたのか」

「はい」

「そっか……『独唱曲を照らす清き水』。先輩と後輩の立場が逆転しちゃったかな?」

「い、いえそんなこと!」

「でもねあかりちゃん、()()()で戦ったでしょ?」

 

俺がそう言うと、あかりちゃんはギクッとした表情になった。図星だな。

 

「な、何でそんなこと……」

「佐々木の怪我を見れば分かる」

 

そう言って俺は佐々木を見る。佐々木の体は、あちこちに包帯が巻かれていた。

 

「佐々木が怪我したことによって怒りを覚えて、死んでも夾竹桃を捕まえてやる。そんな感じだろう?」

「……はい」

「バカ」

 

そう言って俺はあかりちゃんの頭を撫でる。

 

「この世に死んでもいい戦いなんてない。その人が亡くなってしまったら、残された人が悲しい思いをする。だから、二度と死んでもいいなんて思ったらダメだ」

「ハイ……」

「それに、俺も悲しくなるからな」

「ハイ……ハイ!?」

 

ん?どうしてそこで驚く?

 

「え……えっと……れ、零先輩。それって……///」

「ん?何だ?」

「……いや、なんでもありません///」

「?」

 

不思議に思いながら頭を撫でていると……

 

「あかりばっかりズルいですよ!あたしも撫でて下さい!」

「えっ?」

「私もです!ていうか、私も名前で呼んでください!」

麒麟(きりん)もですの!」

「じゃあ私も!」

「ええっ!?」

 

ライカがズイッと頭を出してきて、それに続いて佐々木……志乃や麒麟(きりん)ちゃん、しまいにはののかちゃんまでもが頭を出してきた。

 

「あんた達!一体何してんのよ!」

 

アリアが顔を赤くしながらそう叫ぶと……

 

「すみません、他の患者さんの迷惑になるので、なるべく静かにしてください」

 

と、開きっぱなしになっていた扉から、ナースが笑顔でそう言ってきた。ただし、顔は笑っていない。

 

『申し訳ありません』

 

全員がすぐさま謝った。てかまったく気配感じなかったけど。めっちゃ怖い。

 

 

 

 

 

「まったく……あの子達は……」

「まぁまぁ」

 

それから暫くして、あかりちゃん達は用事があると言って帰り、今は俺とアリアだけと言う状況だ。

ポスンッとアリアが俺が座っているベットの隣に腰掛ける。

 

「……ママの公判が延びたわ。今回の件で『武偵殺し』が冤罪だったって証明できたから……弁護士の話では、最高裁、年単位で延期になるんだって」

「そっか。良かったな」

「うん……ねぇ、零?」

「何だ?」

「これからも、アタシのパートナーで――」

「当たり前だ」

「……そう」

 

俺が即答すると、アリアは微笑みながら俺の肩に頭を乗せてきた。俺はその頭を撫でる。

 

「じゃあ、これからもよろしくね。アタシの()()()()さん?」

「こちらこそ。神崎・()()()()・アリアさん」

 

 

――笑いあう少年少女を、窓から柔らかな日射しが包み込んだ――

 

To Be Continued!!!




第一章、完結!

私が執筆活動してから二ヶ月半といったところでしょうか。
読んでくれている読者さんの感想や評価を、いつも心待ちにしながらも、自分の趣味を続けられる。これって本当に素晴らしいですね。

長くなりましたが、次章もお楽しみに!
それでは、ごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ

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