小説の『緋弾のアリアAA』買いました。ネタバレにならないように内容には触れませんが……色んなネタになりそうなのはありましたね(  ̄▽ ̄)
それでは、第25話、始まります。
前半コメディ後半シリアスです(コメディって言えるだけのものもないが)
( *・ω・)ノヤァ、零だ。えっ?誰だお前って?この物語の主人公だぞ?あかりちゃんじゃないからな……多分……きっと……( ;´・ω・`)
と、ともかく俺は今、入院して全治数ヶ月と思われたのに数時間後に退院するという医者の度肝を抜かした翌日、美容院の前にいる。その理由は――
「零、行こっか」
と、美容院の中からアリアが出てきた。その姿は白地に薄いピンクの柄が入った清楚なワンピースだ。
実は今日、アリアがどうしても寄りたい場所があるから零もついてきてと言われてついてきたのである。その途中に美容院により、前髪を整えたということだ。
「ああ、そうだな」
アリアの私服を見るのは久しぶりのため少し魅入ってしまったが、すぐにアリアの隣に立ち、歩き始める。
「何か、こうやって二人で歩くのも久しぶりだね」
「そうだなぁ、今じゃ二人とも外見が変わってしまったけど」
「外見が変わったからって関係ないわよ。それに緋色と紅色なんて何だかお揃いみたいで良いじゃない」
「信号では一緒にいない方が良いな。人が間違えてずっと横断歩道渡らなくなるぞ?」
「その前にパニックになるわよ。両方とも赤なんてことが起こったら」
なんてバカげた話をしながらアリアは俺の前を歩いていく。
(……変わったなぁ、アリア。昔はどこかに行くときは必ず俺の後ろについてくるだけだったのにな……)
「零?どうしたの?」
「いや、全国のお父さんの気持ちが分かった気がするだけだ」
「――?」
その後、電車に乗ってついた降りた場所は新宿。そこからまた少し歩いている。道中に街の男たちがチラチラとアリアを見ている。
(ま、そうなるだろうなぁ……アリアみたいな美少女が私服で歩いているんだから、注目するのも無理ないよ)
とか思っていると、アリアは高層ビル街の方へカツカツとミュールを鳴らしつつ歩いていく。
(……意外な方向だな、こっちはオフィスビルぐらいしか無かったハズだが……)
すると、
「――ここよ」
と言ってアリアがある場所で止まった。そこは……
「――新宿警察署?」
何故こんな所に用が?
「それは中に入ったら分かるわ」
「分かった……ところで」
と、俺はそこで言葉を遮り、後ろの方へチラリと目をやる。アリアも俺が何を言いたいのか分かったのだろう、少しため息をついた。そして……
「
「ついでに尾行する時くらい、そのネクラな眼を止めろよ」
「誰がネクラな眼だ!」
そう言ってキンジが電柱の影から出てきた。そういや退院から会ってなかったな。
「あー、零。怪我はもう大丈夫なのか?」
そう言って話題を変えながら俺に聞いてくるキンジ。だがその目は俺を見ておらず少し下を向いている。
「やっぱり気にしてたか……大方俺が怪我したのは自分のせいだとか思って、気まずいから会いにこなかったんだろう?」
ウグッとキンジが呻いた。図星だな。
「まったく……お前はお人好しだから自分を責めているとは思ってはいたが……」
「お、俺のことはどうでもいいから、怪我は大丈夫なのかどうなんだ!」
「図星だからって慌てんなって……それに大丈夫じゃなかったらこんな所に来てないよ。通院中のお散歩だってこんな所までは来ないぜ?」
「まあそうだが……」
俺の発言にキンジは黙りこむ。
「で、どうして追いてきたのよ?」
「あー……、その、お前が昔言ったろ?『質問せず、武偵なら自分で調べなさい』って。ていうか、気づいてたんならなんでそう言わなかったんだよ」
「迷ってたのよ。教えるべきかどうか。あんたも、『武偵殺し』の被害者の1人だから」
「?零は何か知っているのか?」
「知らねぇよ、俺もついてきただけだし」
「まぁ、もう着いちゃったし。どうせ追い払ってもついてくるんでしょ」
と言うアリアはスタスタと署内へ入っていくので、俺とキンジは慌ててついていった。
留置面会室で二人の管理官に見張られながらアクリルの板越しに出てきたのは――ッ
「まぁ……アリア。この方々は彼氏さん?」
「ちっ、違うわよママ」
「じゃあ、大切なお友達さんかしら?お友達を作るのさえヘタだったアリアが、ねぇ……初めまして。わたし、アリアの母で――神崎かなえと申します。娘がお世話になってるみたいですね」
――高校生の子を持っているとは思えないくらいの若々しさがある、アリアの母親であるかなえさんだった。
(……は?)
俺はイキナリのことに驚いてまったく動けない。
な、何でかなえさんが
「あ、いえ。その……」
かなえさんのほんわかとした感じに、キンジがドモる。キンジ、年上の人には弱いもんな。
「そちらの方も、アリアには苦労されていると思います」
と、かなえさんが俺に話をふってきた。ちょうどいい、話すか。
「――久しぶりですね、かなえさん」
「……あら?どこかでお会いしましたか?」
「……僕です。桐ヶ崎……いや、かなえさんは本名知っていましたね。錐椰 零です」
「え!?零君!?」
俺の言ったことにかなえさんが驚く。その驚きかたがアリアとそっくりだったので、やっぱり親子だな~と思った。
「はい、かなり外見が変わりましたけど」
「あらあらあら……見ないうちにずいぶん大きくなって、お母さん嬉しいわ」
「かなえさんこそ、昔とまったく変わってないですね。大学生って言っても不思議に思わないですよ」
「あら、お世辞まで言えるようになったの?」
そんな感じでやりとりをしていると、
「ママ、零。面会時間があまりないから」
アリアに注意されたので俺とかなえさんは話すのをやめた。
「手短に話すけど……零とこのバカ面は『武偵殺し』の被害者なの。先週、武偵高で自転車に爆弾を仕掛けられたの」
「……まぁ……」
かなえさんが表情を固くする。
「さらにもう一件、一昨日はバスジャック事件が起きてる。そこで零が負傷したわ。ヤツの活動は、急激に活発になってきてるのよ。てことは、もうすぐシッポも手を出すハズだわ。だからアタシ、
――アリアの言葉に、俺は目を丸くした。864年だと!?
「そして、ママをスケープゴートにしたイ・ウーの連中を、全員ここにぶち込んでやるわ」
「アリア、気持ちは嬉しいけど、イ・ウーに挑むのはまだ早いわ――零君」
「はい」
「零君がいるってことは、アリアとパートナーっていうことでしょ?――アリアのこと、よろしくお願いしますね?」
「……分かりました、必ず守ってみせると誓います」
「……ありがとう」
と、そこで、
「神崎、時間だ」
壁際に立っていた管理官が、壁の時計を見ながら告げる。
「え……やだ!アタシ、もっとママとお話したい!」
「……アリア……」
「やだやだやだ!」
「アリア……!」
「時間だ!」
興奮するアリアを宥めようとアクリル板に身を乗り出したかなえさんを、管理官が
あっ、とかなえさんが小さく
「やめろッ!ママに乱暴するな!」
アリアがそう言うも、管理官は話を聞かずにそのまま強引に連行しようとする。
……流石に切れたぜ、オイ。
「――おい、管理官」
俺が殺気をこめて呼ぶと、管理官は恐怖のあまり止まった。
「てめぇら二人、いくら犯罪者相手だろうとやって良いことと悪いことがあるだろうが。次そんなことをしてみろ、『紅電』の権限でお前ら二人の首を飛ばすぞ」
そこまで言って、俺が『紅電』だと気づいたのだろう、慌ててかなえさんの腕を離し、普通に同行させた。
そして、かなえさんは面会室から姿を消した――
カツカツとミュールを鳴らしてアルタ前まで戻ってきたアリアは急に立ち止まった。
背後から見れば、アリアは顔を伏せ、肩を怒らせ、ぴんと伸ばした手を震えるほどきつく握りしめていた。
ぽた。
ぽた……ぽたた。
その足元に、何粒かの水滴が落ちてはじけている。
それは……聞くまでもない、アリアの涙だった。
「アリア……」
「零……」
アリアが顔をあげると、今にも涙が溢れ出そうになっている。
俺はたまらず、アリアのことを抱き締めた。
「いいぞ……今は、思いっきり泣いても」
「うっ……わぁ……うぁあああぁぁあああぁぁ!」
アリアは糸が切れたように、泣き始める。
「うあぁあああああああ……ママぁー……ママぁああああぁぁ……!」
アリアが泣き出した途端、ザァーと大雨が降り始めた。まるで、アリアの心の中を表すかのように。
「辛かっただろう……苦しかっただろう……不安だっただろう……ごめんな、1人にさせてしまって……これからは、俺がいるから。絶対に1人にはさせない。一緒に、かなえさんの無実を証明しよう」
「……うん……うん……!」
その光景を見て、キンジは何も言わずに去っていった。恐らくあいつなりに気づかってのことだろう。
「落ち着いたか?」
「うん……」
あれから数分後、ようやくアリアが落ち着いたのでアリアから離れる。
「じゃあ、明日に向けて準備でもするか」
「うん……そういえば、零。一体どこに『武偵殺し』がいるの?調べものが済んだって言ってたけど」
「ああ、アリアには言ってなかったっけ……まあ、部屋にある荷物まとめておけ」
「?何で?」
アリアが不思議そうな顔をする。何故強襲するのに荷物が必要なのか、分からないようだ。
仕方ない、言いますか。
「明日から行くんだよ――イギリスに」
どうでしたでしょうか?
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それでは、ごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ