緋弾のアリア~Sランクの頂き~   作:鹿田葉月

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申し訳ありません!(土下座)
はいどうも、鹿田(ろくた)葉月(はづき)です。(正座しつつ)
すみません、諸事情により投稿が遅くなりました。そしてお気に入り300件突破しました!ありがとうございます!
こんな感じですが、これからもよろしくお願いいたします。
では、第24話、始まります。

最近、あかりちゃんが主人公のような気がしてきた←オイ


24話~『コードネーム』~

ーsideあかりー

 

「あたしの家は昔、公儀(こうぎ)隠密(おんみつ)

――今でいう政府の情報員みたいな仕事をしてました。でもそれは生死を懸けた戦いが続く、危険な仕事だったそうです……そこで培われた戦技は子孫に伝えられてきました」

 

あたしが話している内容に皆が驚いている。錐椰先輩だけは何も言わず話を聞いている。

 

「でも二年前……その先祖代々の技を目当てに間宮一族は襲撃を受けたんです。一族はバラバラになりました。一緒にいるとまた襲われるかもしれないから……あたしたちが襲われたのは……ののかがこんな目に()わされているのは、間宮の術なんかがあったからなんです……!」

 

……誰も、何も言えなくなった。アリア先輩も何か考えているように見える。

 

「――『初心忘るべからず』」

「え……?」

 

その時、さっきまで無言・無表情で話を聞いていた錐椰先輩が突然喋った。

 

「あかりちゃんのお母様が言っていたんだろ?『人々を守るために戦う』。その理念はどうするんだ?」

 

それは、さっき間宮の事を話していた時に言った、お母さんがあたしとののかに言った言葉だ。

 

「それは……守りたいです!でも、間宮の技は人を殺める技なんです!だからあたしは武偵高で……」

「技術を()()しようとしてたのね。武偵法では殺人が禁じられているから。だから『鳶穿(とびうがち)』も奪取の法に改変したのね」

 

アリア先輩が言ったことにあたしは頷いた。

 

「『鳶穿(とびうがち)』、か」

「錐椰先輩、知っていたんですか?」

 

錐椰先輩には見せたことはなかったはずなんだけど……

 

「ああ。間宮の一族に伝わる技で、敵の眼球や内臓を素手で毟り取る忍びの殺法だろ?」

「……はい、そうです。ですが、何故錐椰先輩が知っているんですか……?」

「知り合いから聞いたことがあったからな。それより矯正したってどうやってだ?」

「……錐椰先輩、武器を構えてくれませんか?」

「ん?構えればいいのか?」

 

そう言って錐椰先輩がナイフを取り出した途端にあたしは錐椰先輩の横を通りすぎた。

 

「……成る程ね、そういうことか」

 

納得した表情をする錐椰先輩。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「相手の急所を狙うんじゃなくて、武器を(かす)め取って無力化するようにしたのか」

 

錐椰先輩は今の交差で全てを理解したようだ。普通初めてやられた人は何をされたのかすら分からないのに。

 

「はい……でも……何年もかかって作り直せたのはそれだけです。体に染みついた癖は、なかなか取れないんです」

 

あたしはそう言って立ち上がり、ドアの前まで歩いた。

 

「みんな、お別れだね」

 

そう言ってあたしは武偵高のワッペンを制服から取り外した。それで皆が驚く。

 

「あたし……やっぱり行くよ。夾竹桃のものになって、ののかを助ける」

 

それには『武偵』としてのあたしは必要ない。ならばこそ、『武偵』との縁を切ろう。

 

「アリア先輩、戦姉妹(アミカ)契約を解消します。錐椰先輩、ののかのことをよろしくお願いいたします……あたしは、アリア先輩や錐椰先輩みたいには……なれなかった」

 

そう言ってあたしはドアに手をかけた。

 

「――皮肉なものね。戦姉妹(アミカ)試験の時はアンタがアタシを追い、今はアタシがアンタを追う」

 

アリア先輩が言ったことにあたしは戦姉妹(アミカ)試験でアリア先輩のことを追いかけ続けたことを思い出す。

 

「規則上、戦姉妹(アミカ)の途中解散には双方の合意が必要よ。アタシは合意しない。アタシの戦姉妹(アミカ)なら戦いなさい!敵と――そして、自分と!『武偵』として敵を逮捕するのよ!」

 

アリア先輩の言ったことにあたしはハッとした。

けど――

 

「でも……敵は、夾竹桃は強いんです……あたしは間宮の技もほとんど失っているんです……昔のものは封じて、新しいものは身につかなくて」

 

『戦っちゃダメ。()()()()()()()()()

 

夾竹桃がカフェであたしに言ったことが胸に突き刺さる。

 

「今のあたしは、何も持っていないんです……!」

「――あかりちゃん」

 

その時、後ろから何かに包まれるような感じがして、そこから錐椰先輩の声が耳元で聞こえた。

 

(……え?なんで耳元で錐椰先輩の声が?それに何か暖かい……これっても、もしかして……あ、あたし、錐椰先輩に抱き締められている……///)

 

あたしはそのことに気づき、顔が真っ赤になっている。

 

「どう?少しは落ち着いた?」

 

(むし)ろ頭の中がフィーバーしてます。

 

「あ、あの錐椰先輩!?」

「――あかりちゃん、本当に何も持っていないのかい?」

「……え?」

 

そこで錐椰先輩が離れつつ(少し名残惜しい)、後ろを指差した。

 

「振り返ればそこに、あかりちゃんが持っている大事なものがある」

 

そう言われて後ろを振り返れると、そこには――

 

「家が何だ、技が何だ!あかりはあかりだろ!」

「微力ですがお力添えしますの!」

「あかりさんの力になれるならどんなことでも手伝います!」

(それがし)も助太刀致す。風魔の秘伝『符丁毒』の悪用許すまじ」

 

――あたしが持っていた、大事なもの(友達)がそこにいた。

 

「みんな……」

「――全員暗誦(あんしょう)!武偵憲章一条!」

『仲間を信じ、仲間を助けよ!』

「……みんなァ……」

「あかりちゃん」

 

あたしが涙を流していると、錐椰先輩が近づいてあたしの手から武偵高のワッペンを取ってあたしの制服につけた。

 

「――作戦命令を(くだ)す。俺とアリアは『武偵殺し』を、あかりちゃんは夾竹桃の逮捕だ……作戦コードネームは――」

 

独唱曲(アリア)照らす(あかり)清き水()

 

「『零』は、『清らかな水玉』って意味があるんだよ。これは俺達の戦いだからな。ネーミングセンスないけど」

「あ……」

 

『作戦コードネーム』とは、ここ一番の強襲作戦(オペレーション)に付くものである。そして、作戦コードネームが付くものには認められた者にしか参加できない。

 

(ということは……あたし、錐椰先輩に認められた……錐椰先輩からの、正式な作戦命令……!)

 

「返事は?」

「っ!はいっ!」

 

その後嬉しすぎて泣いてしまった。あたし、今日本当に泣いてばっかだな……

 

「作戦開始は二日後、皆で力を合わせて戦うんだぞ……絶対に諦めないように。俺も調査が終わったからな、次はこちらから『武偵殺し』のことを吊り上げる。そっちはしっかり準備するように」

『はい!』

 

よし、絶対に夾竹桃を捕まえてやる!そしてののかを助けるんだ――




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それでは、ごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ

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