緋弾のアリア~Sランクの頂き~   作:鹿田葉月

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となっている鹿田 葉月です。まさか、こんな駄作をお気に入りして下さるなんて……とても感謝してます。
さて、それでは第2話始まります。ついにあの子が登場!!








ルビ振りってどうやるんだろう…?


2話~『錐椰 零の名の下に』~

やあ、皆おはよう!え、テンションが高い?そんな訳ないじゃん!それよりさ、起きたばっかりの身体に浴びる朝日が気持ちいいのは俺だけではないはずだよな!え?これ、さっき聞いた?

 

ハァ……、分かってるよ。めっちゃ気持ち悪いよな、今の俺。でもな、こうでもないとやってられないぜ?だって……

 

「おい、零!何なにもない方向いてため息ついてやがる!それより後ろ向いて現実と向き合え!」

 

そう、俺達の後ろには、

 

『それ以上、減速すると、爆発し、やがりマス』

 

と言って俺達を追ってくるUZI付きセグウェイ達、その数なんと10。明らかなオーバーキルである。そりゃ現実逃避したくなるわ。

さて、どうしてこうなったかと言うと……

 

 

 

 

 

~回想~

 

「おいキンジ、チャリで登校するときってどれくらい時間がかかるんだ?俺初めてだからイマイチ良く分からないんだが」

「このペースなら充ぶ『その、チャリには、爆弾が仕掛けて、あり、ヤガリマス』んに間に合うさ……は?」

 

~回想終了~

 

……な?現実逃避したくなるだろ?サドルの下にはプラスチック爆弾、それも車でも木っ端微塵になる量だぜ?後ろには秒間10連射できるUZI。

ハァ……、

 

「おい、零!どうにかしろ、お前ならこれくらい朝飯前だろ!」

「朝飯さっき食っちまったからまた明日な」

「冗談言ってる場合か!早くしろ!いや、して下さいよ『紅電(こうでん)』さんよ!」

「こんな時ばっかり2つ名で呼びやがって……」

 

そう、『紅電(こうでん)』――これが俺の2つ名だ。なんでも電流が流れるような速さで事件を解決するからこう名付けられた。ちなみに紅は俺の髪の色を指しているらしい。

まあ、この状況は普通に解決できる。ただし……

 

「キンジの方の爆弾をどうするか……」

「おいまさか、見捨てる気か!?」

 

うるさい、そうしたくないから今必死に考えているだろうが、見て分かんないの?バカなの?死n……いや、死にたいならチャリの速度下げているか。

 

「こんな所で終われるか!俺は早く一般の生徒になりたいんだ!」

「遺伝的に一般じゃないのに何言ってるんだか」

「うるさい!」シュッ、サッ

 

危なっ!チャリに乗りながらソバット打ってきやがった!器用すぎるだろ、てか今俺に当たって転んでたら俺もお前も……いや、キンジだけが死ぬんだがソコんところ分かってるか、コイツ。

と言いつつも、キンジの方が大分息が上がってきたので、どうしようかと悩んでいると……

 

「おい、零。アレはなんだ?」

「アレ?」

 

キンジが空に向かって指を指しているからそれをたどっていくと……ッ!

 

「おいおい……」

 

前方にある女子寮の屋上に武偵校のセーラー服を着ている一人の少女が危険防止用の柵に立っていた。

遠いので具体的には良く分からないが、セーラー服を着ているのと、立っている柵にまで届きそうな、キレイな緋色のツインテールなので、少女だということが分かる。

 

「何してんだ、アイツ」

 

と、キンジが呟いた瞬間、なんとその少女が――屋上から飛び降りた。

 

「「ハア!?」」

 

何アイツ自殺志願者!?日本の武偵には自殺志願者がいるのか!?

勿論そんな訳がなく、少女は空中でパラシュートを開いていた。そしてあろうことか――こちらに目掛けて降下してきた!

 

「バッ、ばか!来るな!この自転車には爆弾が――」

 

とキンジは言いかけたが、少女はキンジの警告を無視し、左右のふとももに着けたホルスターから、それぞれ 銀と――金色の大型拳銃を2丁抜いた。そして――

 

「ほらそこのバカ達!さっさと頭を下げなさいよ!」

 

バリバリバリバリッ!

俺達が頭を下げるより早く、問答無用でセグウェイを破壊した!

拳銃の平均交戦距離は、7メートルと言われている。だが、少女と敵達の距離はその倍以上ある。しかも不安定なパラグライダーから、おまけに二丁拳銃の水平撃ち。

これだけ不利な条件が揃っていたにもかかわらず

彼女の弾は魔法のように次々命中していく。

――――うまい

ランクは軽くSだな。見事なもんだ。

しかし、少女が破壊できたのは3台。残り7台残っている。

少女が悔しそうな表情をしつつ、次にくる弾丸の嵐に耐えようと身体を縮める。

しかし、セグウェイが全部少女に銃口を向けたのでこちらが無防備になる。

――バカだな、お前達が追っていた人物は誰だと思っている。

俺は素早く懐から拳銃――紅色のコルト・ガバメントを取り出す。

そして前を向いたまま、後ろに向かって発砲した。

普通なら当たらないだろうが、お前達の位置はさっき後ろを向いた時に分かっている。外すなんて、有り得ない。

そう考えたことを証明するように次々と銃口に弾が命中。撃ち終わった頃には、すべてただのガラクタになっていた。

 

「相変わらず凄いな、お前……」

 

キンジが呆れたように言うがこんなこと簡単だぞ?

ってそれより、次は爆弾をどうにかしないと。――ってそうだ!そこの少女にキンジを頼もう。

 

「おい、そこの君!このバカを助けてやってくれ。俺はなんとかするから!」

 

そう言って返事を待たずに自転車のスピードを上げる。

後ろからなんか聞こえるが、無視だ無視!

そう思ってスピードを上げていると後ろから大きな爆発音が聞こえた。

 

「へぇ~ああなるんだ、恐い恐い」

 

キンジがいなくなったので、まるで他人事のように呟く。そして自転車に別れの挨拶をつげる。

 

「一回しか使ってないけど、お前は最高だったよ。今度はお前の生まれ変わりとゆっくりサイクリングしたいな」

 

そう言って俺はある言葉を口にする。

 

 

――『錐椰 零の名の下に』

『これより半径30メートル内の抵抗を0に』

 

 

その言葉を言った後、その場で自転車から飛び降りる。

普通は飛び降りた瞬間から速度が下がっていくのだが、自転車は何故か速度が下がらない。そして30メートルを少し過ぎた後、自転車が大爆発した。

 

「た~まや~」

 

自転車から降りた俺はそう言いつつ、爆発の余波に呑まれた二人の元へと向かう。

さて、二人はどうなっているのやら?




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では、ごきげんよう。

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