ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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突入

「到着したけど……やっぱり、居ないよね……」

 

と言ったのは、水族館裏手の港に到着した明久だった

港のシャッターは開いていて、その向こうには果てしない海が広がっている

 

「しかし、ここに居たのは間違いないです。少し前まで、誰か居た形跡があります」

 

「うん……さて、どうするか……」

 

雪菜の言葉を聞いて、明久は頭を掻いた

その時、携帯が震えたので取り出すと

 

「ん? 浅葱?」

 

浅葱からだったので、出た

すると

 

『よう、兄ちゃん。オレだ』

 

とモグワイの声が聞こえた

 

「ん? モグワイ?」

 

『嬢ちゃんが手が離せないから、オレが二人をレヴィアタンの場所まで連れてってやる。そこのボートに乗りな』

 

モグワイがそう言った直後、近くにあったボートのエンジンが掛かった

どうやら、ハッキングして始動させたようだ

明久が視線を向けると、雪菜は察したらしくボートの紐を係留用の柵から外した

そして、二人が乗ると

 

『しっかり掴まってな! 飛ばすぜ!』

 

とモグワイは、ボートを発進させた

 

『っとそうだ。モニターを見な、お二人さん』

 

モグワイがそう言った直後、一つのモニターにある映像が写った

それを見た明久は

 

「これは?」

 

と問い掛けた

するとモグワイは

 

『ソナーによるスキャンデータだ。この赤いのが、レヴィアタンだ』

 

と言った

それを聞いた雪菜が

 

「どの位の大きさなんですか?」

 

とモグワイに問い掛けた

するとモグワイは

 

『そうだな……計測出来た部分だけで、1kmは確実だな』

 

と答えた

 

「デカッ!?」

 

『言っとくが、全長じゃないぜ? 魔力の波動からして、5kmはある筈だ』

 

モグワイの告げた数字に、明久は思わず天井を見上げた

余りにも、大きかったからだ

 

『そろそろ、見える筈だぜ!』

 

その言葉を聞いた明久と雪菜は、進路上を見た

少し霧が出ているが、確かに前に何やら影が見える

まるで、山のような影が

 

「まさか……」

 

「あれが、レヴィアタン!?」

 

と二人が驚いた直後、その影

否、レヴィアタンが動いた

海中から姿を現して、空間を震わせる程の咆哮を上げた

 

「ヤバッ!!」

 

その時、明久は何か感じたらしく、ボートの窓を叩き割って、外に出た

そして

 

「獅子の黄金!!」

 

獅子の黄金を召喚した

その時、レヴィアタンから射出された物

生態式のミサイル群に、獅子の黄金が雷撃を放って迎撃

空中に、破壊の炎の華が連鎖的に開いた

一発でも当たれば、沈没は必至だろう

 

「先輩!?」

 

「ギリギリだった……って!?」

 

安堵した明久だったが、レヴィアタンの口に凄まじい魔力が集まっていることに気付いた

刀は持ってきているが、発射には間に合わない

明久はそう判断し

 

「雪菜ちゃん!」

 

「はいっ!!」

 

雪菜を呼び、雪霞狼を構えさせ、それを支えた

その直後、レヴィアタンから魔力砲が放たれた

その一撃は、直撃していたらボートは木っ端微塵になる威力を秘めていた

だがその一撃は、雪菜が展開させていた雪霞狼の神格振動波による結界によって防がれた

しかし、凄まじい威力で完全に防ぎきれず、ボートの船室の屋根が吹き飛んでいた

 

『マズいぜ! 今の一撃で、舵がイカれた!! まともな機動が出来ない!』

 

それを聞いた明久は、左手で刀を持ちながら

 

「モグワイ、加速して!! 強行突入する!!」

 

と言って、雪菜の前に立った

その直後、ボートは先が上がる程に加速した

 

「先輩、何を!?」

 

それが信じられなかったのか、雪菜は驚いた

だが気付いた、明久の持っている刀から、凄まじい魔力が噴き出していることに

そして明久は、その刀

童子切安綱を高々と掲げて

 

「鬼牙……絶刀!!」

 

咆哮と共に、振り下ろした

その直後、雪菜には空間が切れたと錯覚された

その一撃で、レヴィアタンの一ヶ所に裂け目が出来た

ボートは最速を維持したまま、その裂け目目掛けて跳んだ

そしてボートは、レヴィアタン内部に突入した


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