あの後、なんとか財布の破滅を免れた明久（その代わり、ラ・フォリアにかなり弄られたが）
その後、結瞳と一緒に宛がわれたコテージに到着した
そして、夕食
バーベキューの準備をしながら
「どうだった、雪菜ちゃん。煌坂さんと連絡は着いた？」
と雪菜に問い掛けた
すると雪菜は、首を振りながら
「いえ、ダメでした……そもそも、舞威姫の任務は秘匿性が高いので、連絡が着き辛いんですが……」
と言った
それを聞いた明久は
「そっか……まあ、煌坂さんのことだから、無事だとは思うけど……心配だね……」
と言った
その言葉に、雪菜は頷いた
明久の話を聞いた直後、雪菜は顔を蒼白にした
だが、感情に駆られることなく、確認に動いた
しかし、獅子王機関は雪菜に教えなかった
沙矢華は要人護衛や、救助等の秘匿性の高い任務に就くことが多数あった
今回はどうやら、その秘匿性の高い任務に就いていたようだ
「沙矢華さん……」
沙矢華の名前を呟いた雪菜の頭を撫でてから、明久は
「そういえば、結瞳ちゃんは起きてたよね……何か食べられない食材が有るか確認しないと」
と呟いて、浅葱の部屋に向かった
その浅葱の部屋で、結瞳は過ごすことになっているのだ
だがこの時、明久は失敗していた
先に、雪菜から話を聞いておけばよかったのだ
明久が階段を登って、浅葱の部屋に向かったことに気付いた雪菜が、階段を登った時
「結瞳ちゃん？ ちょっと確認したいことがあるんだけど……」
と明久は、既にドアを開けていた
そして見えたのは、下着姿の浅葱と結瞳だった
「あ……」
明久は自分の失態に気付いたが、浅葱は
「先に、ノックしろぉ！！」
と近くにあった目覚ましを、思いきり投げた
浅葱が投げた目覚ましは、見事に明久の顔面に直撃
明久は、倒れた
「先輩……」
一連の光景を見た雪菜は、呆れた様子で額に手を当てていた
そして、しばらくして
「明久。何があった？」
「気にしないで」
基樹は明久の顔面が赤くなっている理由を問い掛けるが、明久はそう言いながらバーベキューの定番
鉄板料理をしていた
見事な手際で肉や野菜を焼き、混ぜていた
そして、適宜各人の皿に分けていた
その中で、浅葱が凄まじい量を食べているが
「……やっぱり、凄い美味しい……」
と呟いていた
なお、結瞳は
「鉄板料理なのに、凄い美味しい！」
と驚いていた
なお明久が料理しているのは、浅葱からの罰である
目覚ましを投げ付けた後、浅葱は手早く服を着た後に明久に更に鉄拳を叩き込もうとした
しかし先に、明久は土下座を敢行
浅葱から、許してもらう条件を引き出した
それが、夕食を明久が調理することだった
「はい。次はシャケを使った、ちゃんちゃん焼き！ 皿持ってきて！」
明久がそう言うと、いの一番に凪沙が駆け寄ってきた
「明久くんの料理、本当に美味しいね！」
凪沙はそう言いながら、モグモグと料理を食べている
なお食材だが、基樹が調達してきた
曰く、ＶＩＰ権限で安く買えたらしい
それに感謝しつつ、明久は腕を振るっていた
「明久お兄さん、料理上手なんですね！」
と結瞳は、明久をキラキラした目で見ていた
すると、明久は
「あはは……必要に迫られただけさ」
と答えた
結瞳が首を傾げると、凪沙が
「深森ちゃんが作ると、謎の物体か爆発が起きたからねぇ。私たちが作るしかなかったんだよ」
と教えた
それを聞いた結瞳は
「なかなか、凄いお母さんなんですね……」
と半ば呆然としていた
その言葉を聞いた明久は、遠い目で
「研究バカなだけだよ……」
と言った
一番の犠牲者は、ある意味で明久だったから、仕方ないのかもしれない
父親は全く家に居なくて、凪沙はまだ病院に入退院を繰り返していた時期だった
当時の凪沙は、自分の高い霊媒体質が安定しきっておらず、何度も入退院を繰り返していた
その時ばかりは、深森が料理を作ろうと頑張っていた
しかし出来たのは、謎の物体
もしくは、爆発が起きた
それを繰り返す内に、明久が料理を覚えたのだ
そして、明久の手料理を食べた後は各々入浴を済ませたりして、就寝した
だが、その後に問題が起きる
古代
否、神代の化け物を巡る問題が