ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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黒の剣巫編、スタート


黒の剣巫編
招待


「あっつぅ……本当に、12月?」

 

と言ったのは、プール掃除中の明久である

プール掃除していたのは、以前の事件の罰則である

 

「今年は、日本全体で暖冬ですからね……仕方ないかと」

 

と言ったのは、監視役を任された雪菜だ

雪菜の言葉を開いた明久は、デッキブラシを振り回しながら

 

「というか、この広さを一人は無理でしょう!?」

 

と文句を言った

彩海学園のプールは、近くの学校の大会にも使えるようにとかなり広い

休日の早朝から頑張っている明久だが、ようやく三割洗えたか、という位である

 

「まあ、流石に難しいですね……」

 

雪菜はそう言って、履いていた革靴を脱いだ

そして、梯子で降りてきて

 

「ですから、手伝いますよ、先輩」

 

と言った

それを聞いた明久は

 

「ありがとう、雪菜ちゃん」

 

と言って、雪菜に近づこうとした

その時、手に持っていたホースの先を強く摘まんでしまった

その直後、ホースから吹き出した水が雪菜に掛かった

 

「あ……」

 

明久は冷や汗を流すが、雪菜はびしょ濡れで腕組みしている

そして、明久をジト目で睨んで

 

「せーんーぱーいー?」

 

と地を這うような声で、明久を呼んだ

 

「え、えっと……わざとじゃないから、許してほしいなぁ……なんて?」

 

明久はそう言うが、雪菜は

 

「許しません!!」

 

と言って、明久の持っていたホースを奪って、明久に水を大量に吹き掛けた

 

「うごばばばばば……」

 

「これは、どうですか!?」

 

雪菜はそう言いながら、更に水圧を上げた

しかしその時、雪菜はホースを踏んでしまい

 

「わ、きゃあ!?」

 

バランスを崩して、雪菜は明久の方に倒れた

それを見た明久は、反射的に雪菜を抱き留めようと、両手を広げながら前に出た

しかし、足下が濡れていたためにバランスを崩し、結局二人とも倒れたのだった

 

「だ、大丈夫? 雪菜ちゃん……」

 

「は、はい……ありがとうございました……」

 

明久の問い掛けに、雪菜はそう答えた

そこに

 

「よう、楽しんでるか? 明久」

 

と声が聞こえた

呼ばれた明久は、声が聞こえた方向を見た

すると、こちらを見下ろしている少年

明久の友人の基樹が居た

 

「なんか用? 基樹……」

 

と明久が問い掛けると、基樹は

 

「いや、何な……明久がちゃんとプール掃除してるか、那月ちゃんに見てこいって言われてな。見に来た……ごぶはっ!?」

 

基樹が途中まで言うと、基樹は奇声を上げながら倒れた

それを見ていた明久は

 

(あ、那月ちゃんの空間魔術突っ込み……)

 

と基樹を襲った攻撃の正体に気づいた

恐らく、那月は基樹がちゃんと呼んだことを何らかの方法で知って、空間魔術を使った衝撃波で突っ込みをしたのだろう

 

「い、今のは、なんだ……?」

 

と基樹は周囲を見回したが、近くには攻撃をした相手は近くには居ない

 

「あー……魔女からの、お叱りかな?」

 

明久はそう言いながら、頬を掻いた

その間に、基樹は立ち上がり

 

「まあ、そっちは副題だ……本題は、お誘いだな」

 

と言った

それを聞いた明久は

 

「お誘い?」

 

と首を傾げた

すると、基樹は

 

「おう、あそこだ」

 

と上を指差した

明久は、その指の先を追い掛けた

すると上空では、大きな画面が着いた一隻の飛行船が飛んでいた

その画面には、あるCMが流れていた

それは、最近よく見るある遊園地のCMだった

 

「あそこって……ブルエリ?」

 

ブルエリというのは、通称である

正式名称は、ブルーエリジアムである

 

「おう。人工島管理公社も出資していてな。その関係で、プレオープンに招待されたんだ……どうする? 宿泊費は無料だぜ?」

 

基樹はそう言いながら、ニヤリと笑ったのだった


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