ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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幕引き

「あー……結局今回も、中心に居たよ……」

 

とぼやいたのは、氷が張った海上に立っている明久だ

一応明久は、船に乗っていないことになっているから、もし教師に見つかったら面倒だからだ

 

「先輩……」

 

そんな明久を労るように、雪菜は明久の背中に手を当てた

そこに

 

「世話になったな、第四真祖よ」

 

と声がした

振り向けば、夏音と一緒に褐色の肌と金髪が特徴の美女が居た

その人物を見て、明久は

 

「もしかして……ニーナ?」

 

と首を傾げた

すると、その褐色美女

ニーナは

 

「ああ、この姿で会うのは初めてだったな。私が、ニーナ・アデラードだ」

 

と名乗りながら、胸を張った

浅葱の姿では違和感を感じていたその豊かな胸だが、高い身長のニーナならば均整が取れている

身長は、約170間近だろう

胸の大きさは、沙矢華より少し大きい位か

見事なプロポーションである

 

「後で、私がお世話になっている、南宮先生に相談して、住む所を相談でした」

 

と言ったのは、夏音だ

夏音はあの事件以降、那月の住んでいるアパートに一緒に住んでいるのだ

 

「まあ、そうだろうね」

 

と明久が言った時

 

「ちょっ!? なにこれ!? 氷山にぶつかった!?」

 

と騒がしい声が聞こえた

それを聞いた明久は、視線を上に向けた

よく見れば、凪沙が船の柵から身を乗り出すようにして周囲を見回していた

そして、明久に気がついて

 

「え! 明久くん!? なんでここに居るの!?」

 

と驚いていた

それを聞いた明久は

 

「本当に、なんでだろうね」

 

と苦笑いを浮かべた

そして、明久は雪菜に

 

「いや、雪菜ちゃんも災難だったね。折角の休暇が、こんな形でダメになっちゃって」

 

と声をかけた

すると雪菜は

 

「いえ、今回の件でよく分かりました。先輩は少しでも目を離すと、何に巻き込まれるか分からないって」

 

と言って、明久を見上げた

そして

 

「だから、より一層監視態勢を強化しないと!」

 

と言った

それを聞いた明久は、ウゲッという表情をしながら

 

「勘弁して頂戴よ……」

 

と呟いた

そこに

 

「わあ! なにあの飛行船! 大きいっ!!」

 

と凪沙の声が聞こえた

それを聞いた明久は、視線を絃神島の方向に向けた

その先には、白い巨大な装甲飛行船が飛んでいた

それは、アルディギア王国のランヴァルド級二番艦のランヴェリドだった

 

「あ、頼んでたお迎えが来たみたいだね」

 

そう言いながら明久は、空を見上げて

 

「まあ、今回もどうにかなったし……終わり良ければ、全て良し……かな?」

 

と首を傾げた

だが、雪菜が

 

「いえ、南宮先生がなんて言うか……」

 

と言った

それを聞いた明久は

 

「……ですよねぇ……また課題が山積みだよぉ……」

 

と両手両膝を突いた

こうして、錬金術師達による騒動が幕を下ろしたのだった


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