ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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脱獄者達4

「こいつ、強い!?」

 

「流石は、天武ですね……!」

 

沙矢華と雪菜の前には、あの監獄結界で見たドレッドヘアの男

シュトゥラ・Dが居た

しかも、そのシュトゥラ・Dの腕が増えていた

全部で四本に

その腕が振るわれる度に、凄まじい風が起きて二人の攻撃を防ぐか、二人を攻撃した

その正体は、天武(てんぶ)

それは過去に、高度な文明を築き上げた人類だった

しかし、それが神の怒りを買って滅んだとされている

そして、シュトゥラ・Dだが、その力である一つの街を壊滅寸前まで打撃を与え、派遣された那月に捕まった凶悪犯だった

 

「行くぜぇ! 轟嵐砕牙!!」

 

シュトゥラ・Dは、そう言いながら腕を振るった

その直後、暴風が二人に襲いかかった

 

「雪菜!」

 

「くっ!」

 

その一撃を二人は、散開して回避

幾ら二人が凄腕だろうが、目に見えない風の一撃は対処が難しい

だから、回避するしかなかった

近付こうにも、風の一撃で迎撃される

有効打になりそうだったのは、沙矢華が持つ煌火燐の弓形態

しかし、その矢も風で威力が発揮できなかった

 

「あいつ、厄介過ぎる!」

 

「でしたら、足場を崩します!」

 

沙矢華の言葉を聞いて、雪菜はシュトゥラ・Dが足場にしているコンテナに

 

「響よっ!」

 

強力無比な一撃を叩き込んだ

 

「ちいっ!」

 

その一撃で、シュトゥラ・Dが足場にしていたコンテナが崩れた

それを見たシュトゥラ・Dは、足場にしていたコンテナから跳んだ

それに

 

「二人とも、無事!?」

 

と明久が現れた

その背には、おさなを背負っていたが、おさなを下ろした

すると、雪菜が

 

「今現在、脱獄囚の一人と交戦中です」

 

と明久に告げた

それを聞いた明久は、おさなを地面に下ろして

 

「だったら、早く無力化しないとね」

 

と言って、刀を構えた

その時だった

 

「行くぜぇ!」

 

と崩れたコンテナを飛び越えて、シュトゥラ・Dが現れた

それを見た雪菜は

 

「先輩、後ろに!」

 

と言って、槍を構えた

その直後に

 

「轟嵐砕牙!!」

 

とシュトゥラ・Dは、技を繰り出した

その一撃は、雪菜の槍によって弾かれた

だが、その一撃で周囲のコンテナは更に破壊された

つまりは、雪霞狼でも無力化出来てないのだ

 

「風……そうか!」

 

その風で何か気付いたらしく、沙矢華は太股から矢を抜いた

その直後

 

「今度は最大出力で行くぜぇ!」

 

とシュトゥラ・Dは四本の腕を大きく広げた

それを見た沙矢華は、矢を伸ばし

 

「獅子の舞女たる舞威姫が願い奉る!!」

 

と祝詞を唱えながら、その矢をシュトゥラ・Dの方に投げた

その直後、シュトゥラ・Dの一撃が放たれていた

その一撃は、矢に当たった

しかし、それで沙矢華の目論みは成功した

沙矢華の放つ矢は、鳴り鏑矢

本来だったら、弓で放つことで様々か効果の極大魔術が発動される

しかしその弓で放ち鳴らす工程を、相手の風を利用して短縮すればどうなる?

結界は

 

「なっ!?」

 

シュトゥラ・Dの目前で、広い魔法陣が展開された

 

「あんたの風、使わせてもらったわ!」

 

沙矢華がそう言った直後、シュトゥラ・Dを雷撃が襲った

その一撃をマトモに喰らい、シュトゥラ・Dは全身から煙を上げていた

その直後

 

「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

とシュトゥラ・Dが叫び声を上げて、その姿を消した

どうやら、監獄結界に送り返されたらしい

一段落したから、三人は安堵の溜め息を吐いた

その時だった

 

「ようやく見つけたぞ、那月」

 

と舌ったらずな女の声が聞こえた

その瞬間

 

「……え?」

 

明久の胸から、白刃が突き突き出していた

 


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