ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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監獄結界

「つまり、今あの中に居るのは優麻って奴なわけね……」

 

「イエス」

 

沙矢華からの問い掛けに答えながら明久は、メイヤー姉妹が放ってきた魔法を長光で切り捨てた

そして、優麻に視線を向けて

 

「優麻、なんで僕の体を……」

 

と問い掛けた

すると優麻は

 

「僕のお母さまを助けるためさ」

 

と答えた

 

「優麻の……お母さん?」

 

「そうさ……この島にある監獄結界に収容されているのさ……そこからお母さまを助けるために、明久の力が必要だったのさ」

 

明久が首を傾げると、優麻がそう言った

すると、雪菜が

 

「監獄結界が、この島にあるんですか!?」

 

と驚いていた

 

「監獄結界って、なに?」

 

「その名前の通り、犯罪者を収容するための結界よ。ただし、そこに収容されているのは、普通の監獄じゃあ収容出来ない超極悪犯罪者ばかりね」

 

明久の疑問に、沙矢華がそう言った

それを聞いた明久は、優麻に

 

「つまり、優麻のお母さんって、極悪犯罪者ってこと?」

 

と問い掛けた

すると優麻は、頷いて

 

「そうなるかな……でも、僕にとっては大事な母親でね……会ったこともないけどね……」

 

と言った

会ったこともないというのは、今の時代、なんら珍しいことではない

しかし、監獄結界に収容されるほどの母親とは

 

「優麻のお母さんって……誰?」

 

明久がそう問い掛けると、優麻は少し間を置いてから

 

「僕のお母さまの名前は……仙都木阿夜(とこよぎあや)

 

と言った

その名前を聞いて、沙矢華と雪菜の二人が

 

「仙都木阿夜って!」

 

「ノ、書記(ノタリア)の魔女!?」

 

と驚愕していた

書記の魔女

それは、メイヤー姉妹の比ではない魔導犯罪者である

その名前を聞いた二人は、監獄結界に収容されたのを納得した

それほどの重魔導犯罪者が、母親

 

「そしてそれも……今日、叶う」

 

優麻がそう言った直後、優麻の背後に顔の無い青い騎士が姿を現した

その騎士の姿が消えて、入れ替わるように獅子の黄金が姿を現した

 

「獅子の黄金!?」

 

「あれは恐らく、過去の獅子の黄金です!」

 

明久が驚いていると、雪菜がそう言った

今居るキーストーンゲートの海底近くで、明久は獅子の黄金を呼び出していた

恐らく、それの残子だろう

そして獅子の黄金から放たれた雷撃が、ある場所に落ちた

その数秒後、それが姿を見せた

今まで何故気付かなかったのかと言いたいほどに巨大な、禍々しい監獄が

 

「あれが……」

 

「監獄結界……ですか」

 

その監獄を見て、賢生とラ・フォリアがそう呟いた

そして優麻が

 

「あそこに、お母さまが……」

 

と言って、姿を消した

 

「優麻!!」

 

「先輩、恐らく優麻さんは、監獄結界に!」

 

雪菜の言葉を聞いて、明久は視線を監獄結界に向けて

 

「今から行こうにも、空間転移が怖い」

 

と呟いた

恐らく、浅葱が作ったアプリも非対応だろう

すると、ラ・フォリアが

 

「賢生、空間転移をあそこに繋ぐことは出来ますか?」

 

と賢生に問い掛けた

すると賢生は、首を振って

 

「流石に、ピンポイントは無理です。しかし、極めて近い場所に飛ばすことならば」

 

と答えた

それを聞いて、ラ・フォリアは

 

「明久、雪菜。ここは、私と沙矢華が引き受けます。貴方達は、監獄結界へ」

 

と言って、呪式銃を構えた

それを聞いた明久は、僅かに考えてから

 

「分かった、ありがとう!」

 

と言って賢生の方に向かった

そして、沙矢華の近くを通り過ぎようとした時

 

「あ、そうだ。あの姉妹、僕の小烏丸の炎を見て、あの触手を僅かに下がらせた。もしかしたら、何かのヒントになるかも」

 

と沙矢華に言った

それを聞いた沙矢華は、剣を構えながら

 

「分かったわ、ありがとう」

 

と言った

そして明久と雪菜は、賢生が発動した空間転移で監獄結界の近くに飛んだのだった

そこで明久は、衝撃的な真実を知ることになる


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