ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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捕捉

「だぁ……優麻は何処に居るのさ!?」

 

と言ったのは、街中を走り回っていた明久だった

探し始めて、早数時間

未だに影すら見ていなかった

すると、雪菜が

 

「魔力で探そうにも、今日は島全体で魔力が……」

 

と苦い表情で言った

その時だった

突如として、爆発音が聞こえた

 

「なんだ!?」

 

と明久達が振り向くと、ある場所から煙が上がっていた

すると、雪菜が懐から札を取り出して飛ばした

そして、少しすると

 

「キーストーンゲートで、アイランドガードと何者かが交戦しています!」

 

と明久に告げた

 

「誰かは分からない?」

 

「すいません。不用意に近付いたら、交戦に巻き込まれる可能性が高すぎて……しかし、魔法使いなのは確実です」

 

明久からの問い掛けに、雪菜はそう言った

すると、明久は

 

「行きたいけど、空間転移がなぁ……」

 

と呟いた

今居る場所にも、空間転移で何回も飛ばされた挙げ句、ようやくである

下手に動いたら、何処に飛ばされたか分からない

そして、明久が唸っていた時だった

明久の携帯が、いきなり鳴った

 

「お、おう? 誰だ?」

 

そう言って明久は、ポケットから携帯を取り出した

 

「あ、浅葱からだ……ぶっ!?」

 

相手は、今日は朝からキーストーンゲートのサーバールームに閉じ籠もりきりの浅葱からだった

閉じ籠もりきりの理由は、明久達も巻き込まれている空間転移だった

それにより、渋滞だけでなく様々な苦情が寄せられていた

それに対応するために、浅葱は空間転移のパターンからルート検索用の即席アプリを開発したのである

そして雪菜は、明久の携帯の画面を見て

 

「先輩……?」

 

と白い目で明久を見た

すると明久は

 

「待って、雪菜ちゃん。まったく覚えはありません」

 

と言うしかなかった

雪菜の言葉の理由は、明久の携帯の画面

それに、寝ている浅葱の写真が表示されていたからだ

そうなっている理由は、浅葱の仕事の相方

モグワイだった

モグワイが明久の携帯にハッキングし、明久の携帯の待受画面を仕事疲れで寝た浅葱の寝顔にしたのである

それが予想外だったので、明久は吹き出したのだ

すると明久は

 

「ん、このアプリは……」

 

と新たなアプリが有ることに気づいた

それを起動すると、何故かキーストーンゲートまでの行き方が表示された

 

「これは……」

 

「迷ってる暇はないね……行こう!」

 

明久はそう言って、そのアプリに従って動き始めた

その先に、優麻が居ると信じて

 

「えっと、次を右に!」

 

明久と雪菜は、アプリの案内に従って時にトイレのドアを潜り、高架橋の下を通った

そうして、数分後

 

「着いた!」

 

明久と雪菜は、キーストーンゲートの屋上に着いた

そしてそこには、明久の姿の優麻が居た

 

「優麻!!」

 

「明久……」

 

こうして、騒動は加速していく

これからどうなるのか

明久には分からなかった


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