優麻と会った後、一同は解散
明久は島を案内することにした
優麻にとってはやはり珍しいからか、かなり興味深い様子だった
その後明久は、優麻を伴って帰宅
そして、手料理を振る舞った
明久の料理を食べて、優麻は
『凄い負けた気分だね……』
と告げた
その後優麻は、凪沙と一緒に寝ることが決まり凪沙の部屋に入った
それを見送った明久は、風呂に入ろうと脱衣場で服を脱いだ
そして、浴室のドアを開けた時に違和感を感じた
「今のは……」
と明久は僅かに視線を上に向けた
その直後
「え、お兄さん……？」
と知り合いの声が聞こえた
「えっ！？」
その声に驚いた明久は、その声のした方に顔を向けた
そこには、入浴中の夏音の姿があった
「ごめんなさい！」
反射的に謝罪しながら明久は、脱衣場に脱出
ドアを閉めた
そして、激しく鳴る心臓の音を聞きながら
「な、何事……？」
と呟くことしか出来なかった
それから数十分後、明久は雪菜の部屋にて正座していた
その前では、明久の監視者
姫柊雪菜が、腕組みしていた
そして雪菜は
「自ら出頭するとは、いい心がけです。先輩」
と明久に言った
すると明久は、右手を上げて
「えー……一応弁明しますと、僕は間違いなく自分の部屋のお風呂に入ろうとしたんです。そうしたら何故か、こちらの部屋のお風呂に入ってしまったという事態でして……」
と告げた
そして、泊まりに来ていたらしい夏音とアスタルテの方に向いて
「乱入してしまい、すいませんでした」
と深々と頭を下げた
すると夏音は
「いえ、こちらこそ……お見苦しい物をお見せしました」
と慌てた様子で、そう言った
すると、雪菜が
「まあ、確かに今回は先輩に非は無いですね……それに、原因不明ですが、変なことが起きているみたいですから」
と言った
「変なこと？」
「はい……魔力を持つ者がドアや敷居を跨ぐということをすると、何処かに飛ばされるようです」
明久が首を傾げると、雪菜がそう言った
そして、雪菜は説明を始めた
どうやら今、島にラ・フォリアて護衛として沙矢華が来ているらしい
しかし空港に入ったと思ったら、何故か明久や沙矢華達が一緒に戦い壊された増設島に出たらしい
そこから分かるのが、どうやら空間魔術で道の連続性が変えられているということだった
「なるほど……それで、僕の部屋の脱衣場が雪菜ちゃんの部屋のお風呂に繋がってたってことか」
雪菜の説明を聞いて、明久は納得した様子で頷いた
そして、アスタルテの方に視線を向けて
「アスタルテちゃん、那月ちゃんに連絡着かない？」
と問い掛けた
しかし、アスタルテは首を振って
「
と言った
「何かあったの？」
明久が問い掛けると、アスタルテは
「どうやら、島に所属不明の者達が多数侵入している模様」
と言った
そこから察するに、那月はその所属不明勢力を追い掛けているようだ
「そっか……空間魔術関連なら、那月ちゃんが頼りになるんだけど……連絡着かないなら仕方ないか……今は、自分で注意するしかないか」
明久はそう言って、立ち上がった
すると、雪菜も頷いて
「その通りですね。特に、先輩は気を付けてください。この島で、特に強い魔力の持ち主ですから」
と明久を見送った
そして明久は、自分の部屋に戻って寝ようとした
すると、ノックされて
『明久、居るかい？』
と優麻の声が聞こえた
「居るよ、入っていいよ」
と明久は入室するように促した
すると、ドアが開いて優麻が入ってきた
どうやら凪沙が貸したのか、明久のジャージを着ている
「この島は、面白いね……明久とも会えたし」
優麻はそう言いながら、明久の隣に腰かけた
すると、明久は
「まあ、退屈はしないかな……何かしら起きるし」
頬を掻きながらそう言った
本当に、短い間に様々なことが起きた
そのことを振り返っていると、優麻が
「そうみたいだね……」
と言って、明久の肩に手を置いた
「ん？ どうしたの？」
と明久が顔を向けた直後
「ごめんね、明久」
と優麻の謝る声が聞こえて、明久の意識はそこで途切れた