ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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現れる古代

「さてと……近くには来たけど………」

 

「どうやって増設島(サブフロート)まで行くのよ? 橋は警備隊(アイランド・ガード)に封鎖されてるわよ?」

 

件の増設島(サブフロート)の近くまで来た二人は、橋が見える場所まで来ていた

しかし、その橋は警備隊(アイランド・ガード)によって封鎖されていた

しかし明久は、周囲を見回して

 

「あ、あそこだ」

 

と言うと、歩き出した

それを追って、沙矢華も歩き出した

そして、その増設島(サブフロート)と二人が居る増設島(サブフロート)が近い場所まで来た

とは言え、幅は10m近く離れている

 

「ちょっと、ここからどうするのよ?」

 

沙矢華が問い掛けるが、明久は準備運動してから

 

「煌坂さん。それ、貸して」

 

と沙矢華が背負っていた、あの剣を入れてある楽器ケースを指差した

沙矢華は不思議そうにしながらも、楽器ケースを明久に手渡した

明久はそれと一緒に、雪菜の雪霞狼の入った楽器ケースを背負った

 

「ちょっと、どうするのよ?」

 

と再び問い掛けた

 

「煌坂さん。失礼」

 

明久は一言断ると、沙矢華を横抱き

つまり、お姫様抱っこした

 

「へ? ちょっ!?」

 

「いっくよー!!」

 

掛け声の直後、明久は自分の唇を噛んだ

それにより口の中に血の味が広がり、明久の吸血鬼としての身体能力が発揮された

その瞬間、明久はズギュッ! という音と煙と共に、明久は跳んだ

そして、ダンッという音がして、明久は着地した

着地した明久は、後ろを見て

 

「うわっ………ギリギリだったなぁ」

 

と呟いた

すると、顔を赤くした沙矢華が

 

「あ、あんたね!?」

 

と暴れだした

 

「っと、暴れないで!? 落ちるから!?」

 

明久はそう言うと、沙矢華を下ろした

下ろされた沙矢華は、顔を赤くしながら胸元を抑えて

 

「いい!? これはノーカンだからね!?」

 

と叫んだ

沙矢華がなぜ叫んだのか分からず、明久は首を傾げた

すると、背後の空間が揺らめいて

 

「貴様、戦場で淫行とはいい度胸だな。吉井明久」

 

と声がした

振り向くと、そこには那月と西村が居た

 

「あ、那月ちゃんと鉄人……」

 

明久が二人を呼んだ直後、那月からは空間魔法を使ったデコビン

西村からは、拳が繰り出された

それを受けて、明久は地面にめり込んだ

 

「「教師は敬え。バカ者」」

 

二人の言葉に明久は、弱々しく片手を上げるとすぐに地面に落ちた

なお、この光景を見ていた沙矢華は震えていた

数分後、明久は復活すると

 

「痛たたた………」

 

と言いながら、首を鳴らした

そして、銃声が聞こえてくる方向を指差して

 

「あそこに、黒死皇派が居るの?」

 

と二人に問い掛けた

すると、那月が

 

「ああ。だが、お前が出る必要は無いだろう。相手は数も少なければ、武器も大したことはない」

 

と言った

その時だった

コツコツと足音が聞こえて

 

「いやぁ、それはどうだろうネ」

 

と純白のスリーピースを着た優男

ディミトリエ・ヴァトラーが現れた

すると、那月と西村がヴァトラーを睨んで

 

「蛇使い………貴様……」

 

「何故、ここに居る?」

 

と問い掛けた

するとヴァトラーは、肩を竦めて

 

「いやァ、船を奴等に乗っ取られてネ。逃げてきたのサ」

 

と飄々と言った

それを聞いて、那月は片眉を上げて

 

「逃げてきただと?」

 

と問い掛けた

すると、ヴァトラーは頷いてから

 

「そうサ。ああ、そうそう……途中でこんなのを拾ったんだけど、君達の知り合いかな?」

 

と言って、何かを投げた

片方は首に掛けたヘッドホンと逆立った髪型が特徴で、もう片方は背が低く特徴的な髪型だった

 

「基樹! 康太!?」

 

明久は駆け寄ると、二人を抱き起こした

 

「あ、やっぱり知り合いだった? 海を漂ってたから、拾っておいたよ」

 

ヴァトラーがそう言うと、那月と西村がヴァトラーを睨んだ

その直後、閃光が走り、包囲していた装甲車が一台爆発した

 

「な、なに!?」

 

明久が爆発のした方向を見ると、更に爆発がして装甲車が次々と吹き飛んだ

そして、黒死皇派が隠れていた塔からそれが現れた

黒い装甲に二本の鋏、まるで生物のような存在だった

 

「なにあれ!?」

 

明久が驚愕していると、ヴァトラーが興味深々と言った様子で

 

「なるほど………あれが、ナラクヴェーラか」

 

と言った

すると、那月が舌打ちして

 

「ちっ……古代のガラクタ風情が……西村、警備隊(アイランド・ガード)を逃がすぞ」

 

「わかった」

 

那月の言葉に西村は頷いた

そして、二人が離れた

そのタイミングで、明久の携帯が鳴り響いた

明久は背負っていた二つの楽器ケースを沙矢華に渡すと、ポケットから携帯を取り出した

そして、画面に表示されていた名前は

 

「え、浅葱!?」

 

誘拐された浅葱からだった

そして明久は、この戦いの中心へと至る


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