「12番目の、
「正確には、焔光の宴に参加してなかった12人目……10番目の焔光の夜伯……でしょ、ディセンバー?」
明久からの問い掛けに、ディセンバーは俯きながら
「
と拳を握り締めた。
すると明久は
「何処かの魔族特区で、何らかの実験体にされていた……しかも、目覚めてから一度も血を吸ってないね?」
明久の言葉にディセンバーは体を震わせ、雪菜は驚きながらディセンバーに意識を集中させた。そして、明久の言葉を理解した。
「魔力の流れに、違和感が……それに、魔力が……」
実はもう、ディセンバーは限界が近かったのだ。
「ディセンバーが第四真祖だと気づいたのは……ここに来る前……船の中で、雪菜ちゃんから血を貰った時だよ」
明久と雪菜は、今居る廃棄区画にはモグワイが操縦する船で来たのだが、明久は念の為にと雪菜から血を貰っていたのだ。
その時、新しい眷獣を把握した事に気付いたのだが、その力が内に無く、外。しかもこれから向かう廃棄区画にあると分かった。
そこから明久は、もしかしたらディセンバーは最後の第四真祖なのではないかと考えていて、到着し、ディセンバーと対峙した時にディセンバーが第四真祖だと確信したのだ。
「そう……もう、私には時間が無い……だから!」
ディセンバーはその身から凄まじい魔力を解放し、風水陣から新たに現れた眷獣を操作し始めた。しかし、ディセンバーの体が透け始めた。
「ディセンバー!!」
「私は! 人間が許せない! 自分たちの欲を満たす為だけに、他者を……魔族を実験台にする連中が! だから私は、タルタロス・ラプスに入った! そんな連中と魔族特区を破壊する為に!!」
それは、悲痛なまでの決意だった。例え自分が消えようが、自分達の欲望で他者を不幸にする存在を許せないから破壊するという決意。
それは、正当な復讐だろう。
明久も、アブローラが実験台にされていると考えたら、それを行った者達を、企業を破壊し尽くすだろうと予想出来る。
だが
「だからって、無関係な人達が多く住む
そう言って明久は、放しかけていた黄龍を掴み直し、構えた。その隣に、雪菜が並び立ち
「だから僕は、君を止めるよ。ディセンバー! ここから先は、
「いいえ、先輩! 私達の
明久の言葉の後に雪菜も構え、呼応するように詩緒、唯里、沙矢華、グレンダも構えた。