ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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ごめんなさい
非常に短いです


幕間

狙撃で那月が一時的に行動不能に追い込まれたが、明久と雪菜はディセンバーを追った。

だが、懸念事項があった。それは

 

「先輩……」

 

「うん……何故か、ディセンバーに眷獣が操られた」

 

それはディセンバーと相対した時、明久は先手を打って獅子の黄金を放った。しかしディセンバーが何か呟くと、獅子の黄金が消えたのだ。

それに明久が驚き固まっていると、カーリからの狙撃が明久に襲い掛かった。しかし初撃は、雪菜の霊視と卓越した槍捌きで防いだ。

次弾は雪菜を狙ったのだが、それは明久が刀で斬り捨てた。

そして、眷獣が効かないという理由から明久が攻めあぐねていると、ディセンバーは後退した。

追い掛けようとしたが、頭痛が激しくなったために明久の動きが止まり、見失ってしまった。

問題は、(一応仮にも)真祖たる明久の眷獣が操られた事。それはつまり、ディセンバーも真祖級の能力。または、眷獣を有している証明になる。

そして何より、ディセンバーを見ていたら頭痛がした。

それはつまり

 

「……もしかして……ディセンバーは……」

 

「先輩?」

 

「ううん、なんでもない……」

 

明久の呟きが聞こえた雪菜が顔を向けるが、明久は片手を上げて止めた。今は何より、ディセンバーを見つける事が最優先になる。

でなければ、絃神島が滅ぶ。

 

「急ぐよ、雪菜ちゃん!」

 

「はい!」

 

雪菜の返事の直後、二人は一気に加速した。

ほぼ同時刻、Eゲートからキーストーンゲートに入った浅葱は公開されている最下層よ更に下。第0層のCに入っていた。

絃神島のメインサーバーと直接繋がっているCの事を浅葱は、その狭さから棺桶(コフィン)と揶揄していた。

 

「あーもう……ここが一番安全だっていうのは分かるけど……もう少し、広く出来ない訳?」

 

広さとしたら、約9畳あるか無いかという位で、その半分以上がパソコンで埋められている為に、浅葱からしたら息苦しさすら感じる程に狭いと思っていたのだ。

 

『しょうがないだろ? 絃神島のメインサーバーを守るのが主目的で、使える人員は二の次になったんだから』

 

「あのね……私からしたら、壊れたら新しいのを導入すれば良いのよ! その方が、こんな棺桶より安上がりよ!」

 

『酷い事を軽く言うね……』

 

浅葱の言葉を聞いて、モグワイは泣くようなモーションをした。本当に一々人間臭いAIアバターである。

しかし浅葱は、そんなモグワイを無視して

 

「それより、早く相手がネットワークに放ったウィルスを除去しないとね」

 

と言って、両手の指を解し始めた。

だがモグワイが

 

『いやいや、もっと確実な方法があるぜ?』

 

「え?」

 

モグワイの言葉に浅葱が首を傾げた直後、天井が開いて何かが降りてきて、そこで浅葱の意識が無くなった。

これが後に、浅葱を巡る戦いの幕開けになるが、明久は知るよしが無い。

そして舞台は、廃棄区画に移り、そこで明久は今まで見つからなかった存在に出会う事になる。


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