あたし、ツインテールをまもります。   作:シュイダー

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IF告白成功の続きです。IFシリーズとして、短編として書いていこうと思います。
忙しいので、本作も、IFソーラの方も、本編は厳しいですが、短編ならば、と。
休憩中などにスマフォからポチポチと。
小ネタその一、の方も改名しようかと思います。


if-2 膝枕

「なんか、夢みたい―――」

「え?」

 総二のベッドの上で、愛香の太ももに頭を乗せてベッドに寝転がる総二に対し、同じく彼のベッドに座った愛香の呟きを聞いた総二は、不思議そうに聞き返した。

 お互い風呂上がりの夜、今日は愛香の方から、総二にご褒美を上げたい、と言ってきた。

 遅刻した以上、ご褒美を貰うのは申し訳ないと思った総二だが、晴れて恋人となった愛香ともっと触れ合いたいとも考えた総二は、その欲望を解放してお願いした。総二の言葉を聞いた愛香も顔を赤らめとても嬉しそうな表情となり、それを見た総二もやはり嬉しくなる。

 何かして欲しいことはあるか、という愛香の問いを受け、ふと総二は、昨日もう少し堪能したかった膝枕のことを思い出す。

 顔が赤くなっていることを自覚しながら、膝枕を愛香に要求すると、愛香も顔を赤らめ、しかし嬉しそうに承諾したのだった。

「昔から、そーじと友達以上の関係になりたかったから。恋人になれて、こうやって触れ合えて、夢みたいに幸せだなって、そう思ったの」

「そうか―――。ごめん、ずっと気付いてやれなくて」

 昔から自分のことをそんな風に想ってくれた幼馴染の心に、つい最近まで気付きもしなかった自分の鈍感さを思い知った総二は申し訳ない気持ちになり、愛香に謝る。

 総二の言葉を聞いた愛香は、優しい声で返事をして来た。

「いいの。そーじは気付いてくれたし、告白もそーじの方からしてくれたから、あたしはすごく嬉しいの」

「愛香。―――ありがとう」

 そんな、どこまでも自分のことを気遣い続けてくれる愛香の言葉を聞いて、必ず愛香を幸せにして見せる、と総二は改めて心に誓う。

 そして愛香を、隣で支え、守る。

 愛香のツインテールを触りながら、総二は愛香に話し掛けた。

「今は不甲斐無いかも知れないけど、俺は、もっと強くなってみせる。ツインテールを、そして、愛香、お前を守るために」

「うん。頼りにしてるからね、そーじ」

 総二の言葉を聞いて、嬉しそうに、優しく返事をする愛香を見て、総二の鼓動が高鳴る。

「ああ、任せろ―――」

――――お前は、一生俺が守る。

 これでは、プロポーズだ。一瞬そう思った後、まだ早いだろうと考えてしまった総二は言葉に出しそびれてしまった。言ったら、愛香はどんな反応をしてくれたのだろうかと思うと、少し悔しい気持ちになった。

 

「そーじ、ちょっとだけ目を瞑っててくれないかな?」

「ん? ああ、分かった」

 顔を赤くした愛香から恥ずかしそうに頼まれた総二は、少し不思議そうに声を出したあと、すぐに頷いた。なんとなく、あることを期待して総二は目を閉じる。

 愛香が息を呑む気配を、膝枕にした太ももごしにも感じながら、総二も緊張して数秒ほど経ったところで。

「―――ん」

 総二の唇が、何か、温かく、柔らかいものに塞がれた。

 総二が目を開けると、予想と期待を裏切らず、愛香の真っ赤に染まった顔が間近にあった。

――――綺麗だ。

 愛香に口づけされながら、総二は、ただそれだけを思った。

 朝、告白した直後に行ったキスより、ずっと長く、体が熱くなるような、愛香からのキス。

 愛香の顔が離れていき、総二はとても名残惜しい気持ちになる。

 時間にすれば数秒程度だったのだろうが、随分と長く感じられた。

 熱に浮かされた様にぼんやりとした声が、総二の口から漏れる。

「愛香―――」

「えっと、これも、あたしからの、ご褒美、ってことで、ね?」

 真っ赤な顔になって、恥ずかしそうな笑顔で答えてくる愛香の顔を見て、総二は自分の顔も真っ赤になっているだろうと思いながら、愛香に恥ずかしそうに言葉を返す。

「―――え、えっと、ちょっと起きてもいいか?」

「え、―――う、うん」

 キスに対して、顔を赤くする以外、特に反応を返さなかったことにショックを受けたのか、少し沈んだ様子で愛香が返事をしてくる。

 実際のところ総二は、心臓がうるさいくらい高鳴っているのだが、努めて表に出さないようにする。

 愛香が身体をどかしたところで、総二は身を起こした。

 そして起き上がった総二は、ベッドに座ったままの愛香の隣に密着するように座ると、彼女の腰に片手を伸ばし抱き寄せた。

「―――!? そ、そーじ!?」

「も、もらってばかりじゃ、悪いから、さ―――」

 総二はそう言ってから、愛香の頭の後ろにもう片方の手を添えて固定する。

「そ、その、これは、俺からの、お返し、ってことで―――」

「―――うん」

 顔が真っ赤になっているだろうことを自覚しながら、同じく顔を真っ赤にした愛香に総二が言うと、彼女は嬉しそうに頷き、瞳を閉じる。

 その可愛らしさに頭をクラクラさせながら、総二は、愛香の唇に自分の唇を近づけていく。

「―――ん」

「―――んん―――!」

 唇が触れ合い、愛香の熱を感じた瞬間、総二が愛香の頭に添えた手に力を入れ、彼女の唇を更に強く自分の唇に押し付けると、お互いの口から吐息が漏れる。

 一瞬、愛香は驚いた様子で身体を震わせたが、すぐに力を抜いて総二に身を委ねてきた。

 愛香が閉じていた瞳を開き、蕩けたような目を総二の目と合わせてくると、総二は更に愛香が愛しくなり、衝動のまま舌で愛香の唇をこじ開け、そのまま彼女の口の中に伸ばす。

「―――!? ―――ん」

 愛香は、やはり一瞬驚いたもののすぐに体から力を抜き、総二の舌と自分の舌を絡め始めた。

 どこかいやらしく感じる音を立ててしばらくの間、お互いに貪りあう様に、総二と愛香は舌と舌を絡ませ合う。

「―――」

 総二が愛香から唇を離すと、少しの間、お互いの口を繋ぐ唾液の線が出来た。

「も、もう、そーじ、やり過ぎよ―――」

「わ、悪い、愛香が可愛すぎて、我慢出来なかったんだ」

「―――もう」

 恥ずかしそうな笑顔で愛香が総二に文句を言うと、総二も恥ずかしそうな笑顔を向け謝る。愛香はまんざらでもない表情で呟くと、総二に抱きつき、瞳を潤ませ上目使いで、切なげに訴えてきた。

「そーじ。あたし、もう―――」

「愛香―――」

 唯でさえ、さっきまでのキスで昂ってきていた総二は、愛香のその言葉を聞いて更に熱くなる。

 愛香が欲しい、と強く思った総二はその想いを愛香にぶつける。

「愛香。俺の子供を―――」

――――産んでくれ、って、いや、待て、いくらなんでも、飛びすぎだろ。俺たちはまだ高校生になったばかりだぞ。いや、でも、愛香は俺のものだって周りに分からせられるんなら―――

 途中で言葉を止めたものの、かなり暴走している総二の耳に、愛香の申し訳なさそうな声が届く。

「そ、そーじ、それはまだ―――」

「そ、そうだよな―――」

 分かっていたものの愛香から断られ、総二の気持ちがわずかに沈んだところで、愛香が言葉を続ける。

「あ、あたしも、そーじとの、あ、赤ちゃんは欲しいけど、学校だけならともかく、アルティメギルとの戦いもあるから。そーじ一人だけで戦わせるなんて嫌だし―――」

「あ―――、そ、そうだな」

 総二だけ戦いに行かせたくないと言う愛香の気持ちを伝えられ、総二は納得する。しかし、今の言い方からすると、アルティメギルとの戦いが無くて、学校だけだったらOKだったのだろうか。おのれアルティメギル、許さん。

 暴走して中々勝手なことを考えていた総二の耳に、再び愛香の恥ずかしそうな小さな声が届く。

「赤ちゃんは早いけど、その、あたし、そーじと、その、一つに―――」

「ま、待った、愛香。俺から言わせてくれ―――」

 愛香の言葉を遮った総二は、再び想いを伝えるため言葉を続ける。こういうときは、男である自分から言わなければ。そう総二は思う。

「愛香、俺、愛香が欲しい。良いか?」

「―――うん。いいよ。あたしは、そーじのものだから。あたしの全部は、そーじのためにあるから、そーじの好きにして、いいよ」

「―――愛香―――!」

 これまで見た中でも最高に顔を赤くして、幸せそうに、嬉しそうな笑顔で返事する愛香の言葉に、総二の体が今まで感じたことがないほど熱くなる。

 総二は愛香を横抱き、いや、お姫様抱っこをして、その美しいツインテールを潰さないように気を付けながら自分のベッドに横たえると、自分もベッドに上がり、押し倒す様な体勢をとる。

 愛香を自分のものにする。その、鍛えられ引き締まった、けれど柔らかさを残した健康的で魅力的な肢体も、小さくとも温かく安らげる胸も、勝ち気そうで、それでいて可愛らしい顔も、何より、総二のために磨き上げられた最高のツインテールも、全て自分のもの。誰にも渡さない。愛香は自分だけのものだ。勝手と言われても知ったことか。

 愛香への愛しさで暴走する思考を止めることなど考えず、総二はむしろその想いに心を委ねる。

「そーじ―――」

「愛香―――」

 総二は、愛香の何かを期待した目と自分の目を合わせる。

 まずは、またキスから始めよう。そう考えて、総二は愛香に唇を近づけていった――。




ただイチャイチャするだけの話。
どこまで甘く出来るのか、ただそれだけを俺は知りたい。
後、今のところ考えているのは、恋愛断技編、F痴女の踏ん切り編、魔人胎動編。
魔人はあの人です。裏ボス。

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