やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

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第53話

こう言うことがあって、第二護衛隊群は渤海に進出できた。

やまとは猛烈な勢いで、対地艦砲射撃を継続している。

 

中国潜水艦side

636型、改キロ型哨戒潜水艦、遠征67号。

「遠征68号が喰われたのか?」

「不明です。

ただ、遠征68号の方向にて、爆発音を確認しました。

アクティブソナーより、ピンガーを打ちましたが、返答ありませんでした。

それに、救難信号、救難ブイ、いずれも確認できませんでした。

沈没していた場合、生存は絶望的かと思われます。」

「そうか、奴らは喰われたか。

では、敵艦隊の状況は?」

「北京沖合130km地点に進出。

細かい振動や轟音が確認できますから、北京の何処かに向け、艦砲射撃を行っているようです。」

「分かった。

微速前進、距離、3000で雷撃戦開始だ。

遠征68号の敵を討つぞ。

前部発射管室、魚雷装填急げ。

鄧同志政治委員よろしいですか?」

最後に確認するように、政治委員に聞く。

「うむ、構わんよ。

党の利益となるならば、いかなる行動も容認しよう。」

「同志艦長、バッテリー充電量が足りません。」

「なにっ、どうなっている?

航行中は、電気使用の制限を申し付けておいたはずだ。」

「原因は、不明です。」

「仕方ない。

同志政治委員、お手数をかけて申し訳ありませんが、艦内においてで重大な規律違反が発生した可能性があります。

そちらの調査の方をお願いできますか?

必要なら、全ての電気機器を取り上げてしまっても構いません。」

「分かった。

すぐに取り掛かろう。

何人か、人を貸してもらいたいが、よろしいな。」

「手の空いている航海科から数人、派遣しましょう。」

「では、行ってくる。

艦長。」

鄧同志政治委員が発令所を出て行く。

「バッテリー残量はどのくらいだ?」

「あと、2時間から3時間といったところだと思われます。」

「ソナー員、距離、3000まであとどれくらいかかりそうだ?」

「あと、1時間30分程だと、思われます。

無論、敵艦隊が移動しなければですが。」

「攻撃後、浮上するしかない。

こちらとしては相打ちに持ち込まなくてはならない。」

「確かにそうなりますね。」

艦長とソナー員が、話しているとあっという間に時は過ぎる。

「距離、3000です。」

「雷撃戦用意。

目標、やまと。

撃て。」

魚雷は、海に放たれた。

中国潜水艦side out

 

やまとside

「雷撃を確認しました。

このままでは、本艦の舵機室に命中します。」

艦橋からの緊急通報を受けて、上条はある方法を真似た。

これは、防御力の高いやまとだからこそできるやり方であり、他の護衛艦であれば、一撃で大破沈没となりかねない。

そのやり方とは、わざと舷側に命中させるのだ。

「急減速、黒、50。」

四本の水柱が、やまとの脇腹に高々とそびえ立つ。

応急運転(ダメコン)室、状況を知らせ。」

「こちら応急運転(ダメコン)室、本艦に命中、4。

艦内一部区画にて浸水あるものの、十分に復旧可能です。」

「分かった。

引き続き頼むぞ。」

やまとside out

 


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