こう言うことがあって、第二護衛隊群は渤海に進出できた。
やまとは猛烈な勢いで、対地艦砲射撃を継続している。
中国潜水艦side
636型、改キロ型哨戒潜水艦、遠征67号。
「遠征68号が喰われたのか?」
「不明です。
ただ、遠征68号の方向にて、爆発音を確認しました。
アクティブソナーより、ピンガーを打ちましたが、返答ありませんでした。
それに、救難信号、救難ブイ、いずれも確認できませんでした。
沈没していた場合、生存は絶望的かと思われます。」
「そうか、奴らは喰われたか。
では、敵艦隊の状況は?」
「北京沖合130km地点に進出。
細かい振動や轟音が確認できますから、北京の何処かに向け、艦砲射撃を行っているようです。」
「分かった。
微速前進、距離、3000で雷撃戦開始だ。
遠征68号の敵を討つぞ。
前部発射管室、魚雷装填急げ。
鄧同志政治委員よろしいですか?」
最後に確認するように、政治委員に聞く。
「うむ、構わんよ。
党の利益となるならば、いかなる行動も容認しよう。」
「同志艦長、バッテリー充電量が足りません。」
「なにっ、どうなっている?
航行中は、電気使用の制限を申し付けておいたはずだ。」
「原因は、不明です。」
「仕方ない。
同志政治委員、お手数をかけて申し訳ありませんが、艦内においてで重大な規律違反が発生した可能性があります。
そちらの調査の方をお願いできますか?
必要なら、全ての電気機器を取り上げてしまっても構いません。」
「分かった。
すぐに取り掛かろう。
何人か、人を貸してもらいたいが、よろしいな。」
「手の空いている航海科から数人、派遣しましょう。」
「では、行ってくる。
艦長。」
鄧同志政治委員が発令所を出て行く。
「バッテリー残量はどのくらいだ?」
「あと、2時間から3時間といったところだと思われます。」
「ソナー員、距離、3000まであとどれくらいかかりそうだ?」
「あと、1時間30分程だと、思われます。
無論、敵艦隊が移動しなければですが。」
「攻撃後、浮上するしかない。
こちらとしては相打ちに持ち込まなくてはならない。」
「確かにそうなりますね。」
艦長とソナー員が、話しているとあっという間に時は過ぎる。
「距離、3000です。」
「雷撃戦用意。
目標、やまと。
撃て。」
魚雷は、海に放たれた。
中国潜水艦side out
やまとside
「雷撃を確認しました。
このままでは、本艦の舵機室に命中します。」
艦橋からの緊急通報を受けて、上条はある方法を真似た。
これは、防御力の高いやまとだからこそできるやり方であり、他の護衛艦であれば、一撃で大破沈没となりかねない。
そのやり方とは、わざと舷側に命中させるのだ。
「急減速、黒、50。」
四本の水柱が、やまとの脇腹に高々とそびえ立つ。
「
「こちら
艦内一部区画にて浸水あるものの、十分に復旧可能です。」
「分かった。
引き続き頼むぞ。」
やまとside out