やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

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第42話

中国反政府組織side

「報告します。

前衛部隊が、北京に突入しました。

なおも、武装警察隊及び海軍陸戦隊と交戦中ではありますが、着実に中南海に近付いています。

北部より北京軍区の部隊も南下しています。

他の軍区は、対日紛争に出動中で対応不能です。

あとは、明朝、中華民国総統が北京に到着されます。」

「そうですか、では参りましょうか?

彼らに、引導を渡すために。」

そう言って彼は、席を立った。

中国反政府組織side out

 

中国政府side

中南海の地下指揮所を異常な振動が襲っていた。

それも、連続でである。

先程、トマホークが着弾したときよりも、強烈である。

「馬鹿め、ここは核シェルターだぞ。

それよりも、侵入した第二護衛隊群(敵部隊)の位置は、何処だ?」

イライラした様子で、宝主席は尋ねる。

「ここより、南南東、25kmの地点です。

海空軍が、再攻撃のために、監視下に置いているそうですが。何か?」

「やまとは今何をしているのだ?」

「はっ、確認してきます。」

慌てて、軍の若い将校は退室する。

「我々は、今日本とクーデター部隊(二つの勢力)に挟まれている。

この状況を打破できる手段が無い。

これは否定することの出来ない事実だ。」

「主席、お言葉を返すようですが。

核兵器を大量に使用すれば、この状況はひっくり返せるのでは無いのですか?」

「そんなことをすれば、我が国の経済は崩壊する。

ただでさえ、遼寧省の復興予算で金がかかるのだ。

金は出て行くばかりだ、入ってくる方を、自ら潰してどうするつもりだ?」

主席は告げなかったが、もう一つ核兵器が使用できない理由があった。

日本に対して、弾道ミサイルを照準している第二砲兵隊の各基地と連絡が途絶していたのだ。

こんな状態では、弾道ミサイルを使用することは難しい。

主席の言葉に指揮所内を思い空気が包む。

「確認できました。

やまとは北京方面へ向け、艦砲射撃を繰り返しています。」

先程退室した若い将校が戻ってきた。

「目標は、ここだと推測されます。」

「言われんでも、分かっている。

周辺地区の被害はどうなっている?」

「そっそれが、皆無であります。

全てこの施設に着弾しています。」

一際大きい音と振動を残して、砲撃は途絶えた。

それが分かったのは、それから数分たった後だった。

あとに響くのは、壮絶な地上戦が展開されている音であった。

しかし、それも消えた。

「地上に要員を派遣して調査しろ。」

宝主席が叫ぶ。

(その必要は無い。

君達の負けだ、潔く降伏したまえ。)

指揮所のTV画面が、男の映像に切り替わる。

「朱珉か?」

(その通りですよ。

あなたがこんな無茶に出なければ、死なずに済んだ兵士が何人いたとお思いですか?

先程も言った通り、我々はあなた方の降伏を要求する。)

「我らが降伏したとして、身体の自由は保証されるのか?」

(そこにいる方で、潔癖な方がおられるなら保障しましょう。

しかし、汚職に手を染めている方は、覚悟していただきたい。)

「我々が降伏しなければどうする?」

(あなたが思っている通りのことになりますよ。

疲れているとは言え、我々には数万の兵士がいます。

たかだか、数十の警備員(武装警察隊員)に阻止できるとお思いですか?)

「少し、猶予が欲しい。」

(分かりました。

1時間待ちましょう。

それまでに返答がなければ、我々は突入しますよ。)

それから、1時間がたった。

(返答を聞こう。)

「我々は、降伏する。」

(分かりました。

両手をあげて、地上に出てください。

その後、あなた方を拘束します。

よろしいですね?)

「ああ。」

地上に出た彼らは、拘束され政治犯が収容されていた施設へ収監された。

中国政府side out

 

中華民国side

「クーデター部隊が、北京の大部分を制圧したそうです。」

「そうですか、では我々も向かいましょうか?」

中華民国side out

 

 

 


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