韓国政府side
「それで
チェ韓国大統領は、韓国軍統合参謀本部会議議長に聞く。
「はっ。
海軍の報告によると我が国の排他的経済水域に侵入することはありましても、領海には侵犯しておりません。」
国連海洋法で認められている排他的経済水域とは経済的な面での資源の独占が沿岸国に認められているだけで、あとは公海である、そのため海軍艦艇の通行は認められている。
通行はその海軍艦艇が戦闘状態であっても構わないのである。
「現在は海軍艦艇により警戒監視を継続しております。」
チェ韓国大統領は険しい表情を見せる。
「厄介ですね。
いっそのこと領海侵犯してくれればいいのですが、そううまくは行きませんね。
今我が国が先制攻撃する動機もありません。
今動く必要もありません。
しかし、備えは必要でしょう。
たった今を持って、デフコン1へ移行します。
韓国陸海空軍の全部隊は、待機させておいてください。
対岸の火事を放置しておくと、ろくなことになりません。」
歴代の大統領と違い、チェ韓国大統領は冷静なようだ。
チェ韓国大統領は、韓国国内で言うところの反日派でも無いし親日派でもない。
意識してその
「日中双方どちらかの領海、領空侵犯の事実が確認された場合は、陸海空軍の全力を持ってこれを攻撃しなさい。
そうでなければ、我が国は日本にも中国にも舐められます。」
韓国政府side out
情報保全隊side
「長坂一佐、工作員の拠点を発見、公安警察と共同で急襲。
工作員を多数逮捕しました。
全て、あいつの証言通りでした。」
「そうか、ご苦労だった。
こちらに損害は?」
「木島二曹が銃撃戦で負傷した以外は特に出ていません。」
「それはよかった。
なにせ相手は、破壊工作専門の情報機関だからな。
派手に抵抗されたら、損害が続出するだろう。」
半ば癖のようになっている顎髭を扱きながら、つぶやいた。
「あっ、尋問は終わったのか?」
思い出したかのように聞く。
「いえ、まだですが何か問題でも?」
「特には無い。
押収した武器は?」
「狙撃銃2丁、アサルトライフル15丁、
全て、警視庁公安部が保管しております。」
「尋問のことだが、気を引き締めてやれよ。」
「了解であります。」
情報保全隊side out