やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

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第30話

やまとside

士官室で艦内の幹部全員を召集して、作戦会議いや最終的な打ち合わせを行っていた。

航空科(我々)としては、先日の戦闘で設備の大半が破損しました。

よって、現状何もすることが無いという事になります。

航空科員はこれより、機関科の下にて応急運転に参加します。」

航空長が、自分の専門が活かせないことが悔しそうで唇をかむ。

「いよいよですか。

こちらに航空優勢も、制海権も無し。

沖縄以上に厳しいでしょうな。」

そう言いつつも、砲雷長の顔は明るい。

どうやら、戦闘慣れしてきたようだ。

「砲雷長、慢心するのは、良くない。

適度な緊張を持って励め。」

上条は、それをたしなめる。

「了解。」

砲雷長はその言葉を聞いて、気を引き締めたようだ。

続いて、機関長の報告である。

「機関の具合が、微妙や。

被弾した時に、歪んだんかしらんがな。

幸い人手に余裕が出来たから、機関科員が総出で子守してるけど。」

航空長の方を見ながらまだ言い続ける。

「カタログ上の最高速すら出せるかは、神頼みやわ。」

機関長の言葉に上条は頷く。

「航海科としましては、黄海周辺のデータ不足が不安要素です。

つまり、この先何が起こるか分からないという事です。」

航海長の要望は、上条としても対処が迫られる問題である。

「航海長の要望にはできる限り、善処する。

もうすぐ、戦いも終わるでしょうし。

中国が倒れるか、我々が倒れるかどちらかだ。

会議を終了する。

今から、敵性海域に突入する。

不測の事態発生に備え、幹部各員は、各自の持ち場に戻れ。

以上、解散。」

「了解。」

全員が敬礼をして退出する。

全員が士官室を出ると、やまと戦闘情報センター(CIC)に上条は移る。

「戦闘前に、全ての確認作業を完了せよ。」

「Link16システム、オールグリーン。

第二護衛隊群、第四護衛隊群、第一護衛隊群、第三護衛隊群を含む作戦参加単位全てを確認。

見落としはありません。」

「放射能除去用散水装置、オールグリーン。」

「武器システム、管制システム、オールグリーン。」

「レーダーシステム、オールグリーン。」

「ソナーシステム、オールレッド。

作動しません。」

「応急修理を開始せよ。

作業は、06:00(マルロクマルマル)までに完了せよ。

各部、他に異常はあるか?」

「報告はありません。」

「では、戦闘部署発動、対潜対空対水上同時戦用意、総員戦闘配置に着け。

繰り返す、戦闘部署発動、対潜対空対水上同時戦闘用意、総員戦闘配置に着け。

本艦はこれより、敵性海域に突入する。

何か不測の事態発生に備えよ。」

やまとside out


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