やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

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第26話

台湾政府side

「日本政府は、そのような手を打っていたのですか?」

「どうやら、そのようです。」

「そんな方法があるなら、我が国でもしたいねぇ。

って言っても、もうすぐ核保有国になるんだがね。

ハハハ。」

「日本政府の次の手によって、状況は大きく変わります。

情報収集に全力を挙げてください。」

「それには、及びません。

日本政府は、この計画に一枚噛んでいるようです。

彼らは、計画の邪魔になるような手は打たないでしょう。」

「そうか、そうなら良いのだがな。

大陸反攻のチャンスは、今しかない。

邪魔が入らないよう、十分に警戒したまえ。」

台湾政府side out

 

やまとside

「上条二佐、命令の変更を伝える。

東シナ海にて待機している工作艦あかしと合流。

最低限の修理を終え、海上自衛隊特別部隊に合流せよ。

その後は、第二護衛隊群司令の命令に従うように。」

自衛艦隊司令官との通信は、もはや定例となっていた。

無論、やまとは自衛艦隊直轄艦であるため、自衛艦隊司令部と通信するのは有り得ない話ではない。

ただ、毎回の通信の相手が自衛艦隊司令官というのが、おかしいのである。

「了解しました。」

上条がそう答えると通信は終わる。

「正直言ってきついです。

まだ目の前の戦いすら終わってはいないのですから。」

砲雷長の言葉はもっともである。

「敵に後退の動きあり。

繰り返します、敵に後退の動きあり。」

レーダー員の報告を、上条は考える。

そして命じた。

「力ずくで押し戻せ。

主砲、撃ち方始め(うちぃかたはじめ)。」

やまとside out

 

北京軍区side

「俺達に移動命令だって?」

「ああ、そうだ。

広州軍区正面において、台湾軍の動きが活発になっているらしい。

俺らの移動はそれに対する予防措置らしい。」

「今の台湾に中国を攻略する余力は無いだろうに、上は何を考えてるんだ。」

北京軍区司令員は、反政府組織のメンバーである。

自分の信頼の置ける部隊以外は、南部へと派遣する腹であった。

広州軍区からの要請に従っているだけだが、北京はすでにがら空きだった。

クーデター部隊が簡単に侵入できるほどにである。

しかし、陸軍はいなくなっても青島には海軍陸戦隊が居るし、北京には武装警察隊が残っている。

北京軍区司令員の想像は当たっていた。

クーデター部隊の進行は、武装警察隊と海軍陸戦隊によって食い止められていた。

市内にすら入れていない。

市外で激しい戦闘を繰り広げている。

「司令員同志、中南海より出動命令です。」

「内容は?」

「同志孫司令員に命ずる。

残存部隊を全て出動させよ。

との事であります。」

北京軍区side out

 


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