中国艦隊side
「やまとより多数のミサイルの発射を確認。
大半は上空の味方に向かっていますが、一部が揚陸艦の方へ飛んでいます。」
「そのミサイルを迎撃せよ。」
張上校はそう命じた。
「了解。」
兵器担当の士官が迎撃しようとコンソールに手を伸ばしたその時であった。
「やまとが我が部隊へ接近してきます。
あっ、やまとより6発の正体不明の物体が飛来し…」
レーダー員の報告が終わらないうちに艦内に衝撃が伝わる。
たったの一撃で杭州は被弾炎上していた。
「何が起こったのだ?
損害を報告せよ。」
張上校はそう部下に命じた。
「艦内各所にて死傷者多数との報告あり。
まさしく死死累々の有様です。
また同じく艦内にて火災が発生しました。
延焼するスピードが速く、もう手が付けられない状態です。
また艦底にて異常な水位の上昇が見られます。」
「つまりはだ。
本艦は間もなく沈没する。
総員離艦せよ。」
部下からの報告を張上校はそう言って締めくくった。
中国艦隊side out
第7艦隊side
CVN-73"ジョージワシントン"
米海軍第7艦隊最強の艦艇にしてアジア圏最強を誇る艦艇である。
それが護衛艦艇を率いて一路沖縄へ向け出撃していた。
目的は軍という組織に反旗を翻した米空軍嘉手納飛行場司令官及び彼の協力者達の身柄の拘束である。
「そんなことは
奴らの仕事だろうが。」
艦橋脇のウイングにて艦隊司令官は呟いた。
それはこの艦隊全員の本音であった。
ジョージワシントンの空母戦闘群は日本沿岸を安全に下っていた。
というのも海上自衛隊の対潜哨戒機や哨戒ヘリが一日中飛び回っていたからだ。
そこで完全に油断していた。
「魚雷接近。」
ソナー・マンの声が響いた時にはもう遅かった。
ジョージワシントンの脇腹に水柱が4本も立つ。
「ダメージ・コントロールを開始しろ。」
艦隊司令官の怒号にジョージワシントンの乗員達は各自の持ち場にて活動を開始する。
第7艦隊sideout
海上自衛隊潜水艦"じんりゅう"side
潜水艦じんりゅうは首相直々に特命を受け、九州沖合にて待機していた。
海中に潜伏している彼らに与えられた任務は、沖縄に向かう第7艦隊主力を迎撃し足止めすることであった。
「多数の推進機音を捕捉しました。
コンピュータ解析完了。
100%米第7艦隊です。」
ソナー員の報告に艦長は頷きを返す。
「魚雷戦用意。
発射管注水開始。」
「発射管注水完了。」
水雷科員の報告を受ける。
「発射管扉開け。」
「射程内に入りました。」
ソナー員の報告を聞いて、命ずる。
「
海上自衛隊潜水艦"じんりゅう"side out