やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

20 / 74
第18話

中国艦隊side

東海(トンパイ)艦隊司令員から急遽通信が入った。

余程の緊急事態が発生したのだろう。

「張上校そして同志政治委員に伝える必要のあることが出来た。

これは非常に大事なことだ。

中央軍事委員会より最上級命令が発令された。

増援部隊の到着を待たずに尖閣諸島占領の為、沖合に突入せよ。

これは中央軍事委員会の直接命令である。」

「何故こんなに急なんですか?

我が部隊だけでは、やまとに太刀打ちできないんですよ。」

「日帝海軍の第2護衛隊群(部隊)の南下が確認された。

この部隊は日帝海軍最強をうたわれる。

この部隊だけでも厄介なのだ。

それとやまとが合流したら本当に対抗できない。

それは分かるな。

張上校。」

諭すような司令員の言葉に張上校も頷かずにはいられない。

これ以上の命令の無視は、見逃せないとの事だろう。

「了解しました。」

張上校は無意識に背筋を伸ばし答えた。

「しかし、やまとはどうされるんですか?」

「南京軍区及び広州軍区の空軍部隊が待機している。

それらがやまとへの攻撃を担当するはずだ。

第1波攻撃隊がそろそろ出発する。

まぁ足止めにしかならんだろうがな。

「それが間に合う前にこちらが攻撃されたらどうしますか?」

「張上校、それは考えすぎだよ。

君の部隊が敵に発見されている訳無いだろう。」

司令員は揚陸船団が日本の衛星監視網に既に発見されている事を認めなかった。

「やまとの現在位置に関する情報はあるか?」

「我が部隊でも失探(ロスト)しています。

レーダー員が全力で捜索しておりますが如何せん距離が遠すぎまして大した情報は入っていないのが現状です。」

「分かった。

君の部隊の健闘を祈る。」

そう言って司令員との通信は終わった。

「全員聞いていたな?」

確認する口調の張上校に周りの全員が頷く。

「私の考えを話そう。

やまとはすでにこちらに向かっているだろう。

だから足止めのために、揚陸船団護衛のフリゲート2隻を残しそれ以外はやまとに突貫する。

これしか我が部隊に勝ち目はない。

特にやまとはレーダーに映らない。

見えない敵との戦いは先手必勝。

だから守勢に立つのは間違っている。

むしろ愚かだ。

そうは思わないか?」

「はっ。

確かにその通りであります。」

さらに頷く部下達を見て張上校はさらに付け足した。

「第2機動部隊にも支援を要請せよ。」

「了解。」

「総員戦闘準備。

対水上戦闘用意。」

張上校は発令した。

「「「「了解。」」」」

中国艦隊side out

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。