中国艦隊side
張上校は通信兵から報告を受けた。
「機動部隊が後退?
何でこんな時に?
どうしてなんだ?」
問い詰められた通信兵は答えた。
「機動部隊司令部は、搭載機の不足と言っていました。」
「どうして1日で機体がなくなるんだ。
はっきり答えろ。」
「りょう寧(りょうはしんにょうに療を合わせた感じ。)の搭載飛行隊は、午前中にやまとに対して全力攻撃を行い全滅したようです。
詳しくは聞かされてはおりませんが、それは確かなようです。」
「仕方ない。
上級司令部に周辺の駆逐艦支隊の増援を要請せよ。」
「了解。
周辺というと、第2機動部隊ですか?」
「どれでも構わん。
第2機動部隊でも上海周辺で防備に当たっている部隊でもどちらでもいい。
いますぐこっちに向かわせろ。
後ついで空軍と海軍航空隊に上空直援を要請せよ。
このままじゃ我が部隊は全滅するぞ。」
返事も言わずに、通信兵は下がる。
(クソッ、このままで終わると思うなよ。
日本の帝国主義者共め、覚えておれ。)
「本部隊は、現時点で待機。
増援部隊の到着を待つ。」
中国軍の攻勢は一旦頓挫した。
中国艦隊side out
防衛省情報本部side
音声情報解析課
品川情報官は分析された音声を聞いていた。
「これは、中国海軍第3の部隊と司令部の通信の内容と言ったな?」
「はい。
確かに、
「分かった。
現場に伝えて来る。
次の発信に備えてくれ。」
画像解析課
「解析官、話は聞いているな。
今日、尖閣周辺を通る衛星はあったか。」
「GPS型サーチ衛星、しらうめ1号と高感度熱源監視衛星、蝙蝠2号及び監視衛星、はくたか6号とが通過しています。
それらの画像と音声情報解析課から提供の発信位置を重ねたものです。
それから推定するとこの艦隊でしょうな。
尖閣諸島占領の為の海軍陸戦隊を搭載した揚陸船団でしょう。
それらから推定される現在位置はここでしょう。」
指し示した場所は、日中中間線のさらに中国よりの場所であった。
「そうか、ここか。
やまと及び関係各所へ伝達する。
「分かりました。
やってみましょう。
三沢の無人偵察航空隊に命令します。
那覇に分遣隊を置いてましたから、それなりにすぐに確認できると思います。」
「分かった。
すぐに取り掛かってくれ。」
そう言うと、中央指揮所に品川情報官は向かった。
防衛省情報本部side out