やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

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第11話

中国政府side

前日の午前。

中国政治の中心地、中南海。

「宝主席、艦隊は既に尖閣沖に到達しました。

後は命令あり次第待機中の海空軍は攻撃を開始します。

やまとの撃沈には失敗しましたが……」

国防部長と中国軍総参謀長は並んで国家主席に報告した。

「フッ 問題ない。

直ちに実行したまえ。」

サングラスを光らせ某ロボットアニメの某司令のポーズをとった宝主席は命令した。

中国政府side out

 

日本政府side

尖閣航空戦直後。

「中国外交部に対して事情説明を求めましたが、いまだに回答はありません。」

外務省アジア太平洋局局長が言う。

「そりゃあ、そうだろう。

武力による一方的な領土の占有は国際社会から大きな批判を浴びるからな。

フォークランド紛争しかり湾岸戦争しかりだよ。

特に尖閣諸島は無人島だからな。

上手い言い訳なんざ出せるわきゃねぇんだよ。

聞いても無駄だ。

もっとも奴さんは我が国が文句を付ける前に叩き潰したいようだがね。

ククク」

前防衛大臣にして現外務大臣の島津義隆は言葉を言った後に笑う。

「そうですね。

外務大臣に頼みがあります。」

そう切り出した総理大臣の後の言葉は衝撃を隠せなかった。

「何でしょう? 総理。」

「アメリカに飛んで、核搭載の大陸間弾道ミサイルを10発程借りて来て下さい。

現地の防衛駐在官が根回しを終えています。」

「馬鹿な。 我が国には非核3原則があるんですよ。」

「指揮権を委譲してもらうだけで、我が国が直接保有する訳ではありません。

代金も使用した場合のみだけですし。

随分と良心的でしょ。」

悪びれた様子の無い総理に外務大臣は毒気を抜かれた。

「今回アメリカは頼りにならないでしょう。

親中派の多い民主党が、与党ですしね。

だから核ミサイルの抑止力が独自に必要なのですよ。

しかし、我が国には開発にかける人員も予算も時間も無い。

全てが無いんですよ。」

怒気を強めた総理の言葉に外務大臣は圧倒された。

「分かりました。

直ぐに向かいます。」

外務大臣がやっと搾り出した言葉がそれであった。

「今回の協定締結は、ワシントン.D.Cじゃなくてキャンプデービッドで行うそうですから。

頑張って来て下さい。」

総理の激励を受けた外務大臣はその足で羽田に向かい、待機していたB-737政府専用機に搭乗して一路アメリカに飛んだ。

飛行機にて10時間飛行し、ワシントン.D.Cのケネディ空港にてヘリコプターに乗り換えキャンプデービッドにたどり着いた。

大統領とサインを取り交わした。

「すまない。 我が国の政治家がもっとしっかりしておれば、このような事にはならなかっただろうな。」

頻りにそう呟く大統領は外務大臣に病みかけているとの印象しか残さなかった。

日本政府side out

 


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