やはり彼女たちのアイドル活動はまちがっている   作:毛虫二等兵

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どうも、毛虫二等兵です。

どうにかこうにか書き終えられました。時間がなかったので…結構短めになっちゃいましたけど…

今回は二期一話「もう一度ラブライブ!」のAパート部分の話です。




比企谷八幡 はこうして捕まる

長かった夏休みが終わり、ようやく二学期が始まりました!

奉仕部の入ると、いつもゆきのんとヒッキーがいる。そこは二学期になっても変わらない、私の居場所。扉を開けた先には…二人が待っていてくれる。

 

「やっはろ~!」

 

扉を開けると、いつもどおり本を読んでいるゆきのんと、ヒッキーが…あれ?

 

「ヒッキーがいない!?」

 

「あら由比ヶ浜さん、相変わらず元気そうね」

 

「えへへ~…ってあれ?」

 

いつも通り…かと思ったけど、違う。何故か頬もひきつっているみたいだし、読んでいる本もよく見たら上下逆さになっている。

 

「ゆきのんどうしたの…?」

 

「いい…由比ヶ浜さん。私は今から 明日世界が終わります というくらい。本当に、本当に信じられない事実をあなたに伝えるわ」

 

いつも冷静沈着なあのゆきのんを、こんなに動揺させる程の話って…私は試合が始まる前のボクシング選手のように身構え、臨戦体制に入る。

 

「…あの男…比企谷八幡は今、音ノ木坂学院に行っているわ」

 

「…ふぇ?」

 

あまりに衝撃的すぎて、間の抜けた声を上げてしまった。

ゆきのんはこういう時に嘘を付くなんてことはしない。でも、私の知っているヒッキーは、自ら友達を作るようなじゃない。それなのに…あのヒッキーが女子高の…音ノ木坂に…?

 

「…お…おと…おとのきさか……?」

 

驚きすぎて、話す言葉がすべて片言になる。というかぶっちゃけありえない。天地がひっくり返っても、たとえ天変地異が起きても、ヒッキーがあの音ノ木坂に行くなんてありえない、昔凄かったらしい「ノストラなんとかの大予言」くらいのイレギュラーだ。

 

「由比ヶ浜さんがそんな顔をするのもは無理ないわ。10分くらい前に平塚先生に聞いたのだけれど…未だに動揺しているもの」

 

世界の終わりを告げられたと同じぐらいの衝撃が、私に直撃した。

 

 

 

 

 

 

―比企谷 八幡-

 

 

どうする…ほかに隠れられそうなところは……?

 

俺は人生最大の窮地に立たされていた。この間職員室で平塚先生に渡された雑誌で見たことはあったような気がしたが…名前は覚えていない女の子。

凄く声の高いミルキーゴールドっぽい髪色をしたその美少女に屋上に案内されたまではよかったが、案内を終えるとすぐにその美少女は消えてしまった。

しばらく身を潜めていると…何人かが屋上の扉を開けて、「特訓の成果が…」みたいな楽しそうな会話が聞こえてきて、今に至る。

 

息を殺して、ばれないように暗いところに身を潜める。

 

どうする…ここばれたら人生の終わりだ。幸い彼女たちは扉を開けてすぐのところにいる、屋上階段を覆うために作られた壁がある以上…あっちから見つかることはない。国を救ったとある歴戦の戦士の言葉を、俺は知っている。

 

段ボールをいかに使いのこなすかが、任務の成否を決定するといっても過言ではい。と。

 

くっ…段ボールさえあれば…!

 

「にっこにっこにー♪あなたのハートににこにこにー♪笑顔届ける矢沢にこにこ~♪きゃぁ!?だめだめだめ~!にこにーは、みんなのも・の♪」

 

なんだろう、あっちの方で男に媚を売るような…おぞましい猫なで声が聞こえる。現実の女子高は悲惨で凄惨なものと聞くが、ここまでなのか。もう明日から通うのやめようかな…

 

無情な現実に打ちひしがれていると、さっきの違う女の子の声が聞こえてきた。

 

「キモチワルイ」

「なによ!昨日一生懸命考えたんだからーー!」

 

「知らない」

 

「ていうか、四人でこんなことして意味があるのー?」

 

さっきとは別の女の子か、まともな子がいてよかった

 

 

「あんたたち何にもわかってないわね~これからは一年生が頑張らなきゃいけないのよー」

 

 

何か脚立?のようなものを地面に立たせる音が聞こえる。いつも思うが、俺…会話に交じっているようで交じってないんだよな…脳内で突っ込んでいるだけだし。そう考えてみれば…俺も結構痛い子なんじゃ…いや辞めよう、この話題はもうやめよう。なんか悲しくなってくるだけだ

 

「いい?私はあんた達だけじゃどう頑張っていいかわからないと思って、手助けに来たの!先輩として!」

 

あの言い方からして、さっきの女の子は三年生なのか。でもにっこにっこにーは痛いな、痛すぎる。一昔前のアイドル全盛期レベルの痛さだ。

 

「そのビデオは…?」

 

「何言ってるの!ネットにアップするために決まってるでしょう!今やスクールアイドルもグローバル!全世界へとアピールしていく時代なのよ!」

 

スクールアイドル…もしかし先生が言っていた、 ミューズ のことか?でももう…解散しているって説が濃厚らしいし…別のスクールアイドルか?

聞き流そうと思った矢先、俺の中で何かが引っ掛かった。

いや…ちょっとまてさっきの痛い口上の中で「にこにこ」…と言っていた気がする。にこにこ…もうちょっと先、まて、あとちょっと…のど元まで出かかっているんだ…!

 

思い出したような気がした瞬間、真横から携帯のバイブレーション機能の音が聞こえ、焦りで吹っ飛んでしまった。

 

「っ!?」

 

咄嗟に自分のポケットに入っている携帯を掴み、鳴っていないことを確認する

 

「ん…?」

 

着信に気付いたのか、誰かの足音がこっちに向かってきている。

 

落ち着け比企谷八幡…!ここでばれたら一巻の終わりだ…!

 

身体を静止し、息を止めて高鳴る心臓を押さえつける。うるさいくらいに高鳴る鼓動が邪魔で、頭がどうにかなりそうだ。

 

「え…?ちょ…え?え…?…えぇぇぇぇ!?」

 

「かよちん、どうかした?」

 

「う…嘘…!?」

 

まずい…ばれたか!?

今思い浮かんだ最善の策は二つ

1、「いや~ばれちゃいましたか。すいません実は…」と、クールでかっこいい雰囲気を醸し出しながら事情を説明するが、不法侵入者として罪を償う

2、逃げ切れるとは思えない、だからあえて自ら姿を晒そう!そしておとなしく不法侵入者として余生を過ごす

って…どっちもダメじゃねーか!落ち着け…頭はクールに!心もクールにだ

 

「花陽?」

 

「ありえないですっ…こんなこと…!!」

 

声の場所からしてあっちからこっちは見えない…なのに気配だけで察してっていうのか?最近の女子高生は化け物か!?

 

ばれてしまったのはもう仕方ない。覚悟を決めて…大人しく投降すれば命くらいは…

 

「い…いや~…目が覚めたらこんなところに~…ってあれ?」

 

立ち上がり、精一杯の愛想笑いをしながら姿を現したが…すでにそこには誰もいなかった。

 

「…もしかして…見つかってなかった?」

 

なにはともあれ、見つかっていなかった。この瞬間から…神様がいるって信じたくなったよ。

 

「ふぅ…いや~よかった~」

 

その場に座り込み、汗をぬぐった瞬間。何かが屋上の扉を開けて、俺の目の前に現れた

「一番乗り~!」

「ミカ早い~!」

「二人とも早いよ~!」

 

 

「あっ…」

「「「あっ…」」」

 

 

必死の説得もやむなく、女子高生の不審者を見るようなまなざしとともに…俺は警備員の控室に連行された。

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます!
まさかこんなに伸びているとは思わず…正直びっくりしています。
期待に添えられるように頑張ります。

というわけで、八幡とメンバーの本格的な顔合わせはまた次回になると思います。
次回はBパートの、ラブライブ出場を決めるシーンまではやりたいですね

にわかなんで、八幡のキャライメージと違うかもしれないですが…そこのところは温かい目で見てくれると助かります
あと、ミカっていうのは「神モブ」の三人の中の一人です。茶髪で二つおさげの子ですね。


次回は明日から二週間以内には投稿予定です。

ご意見・ご感想・評価など、心からお待ちしてます。

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