とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

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八十六話の件。ホント、申し訳ないです……。
確認すべきでした。ではどうぞ!!


第八十九話 変態クエスト

 

 

 六道寺を縛って引きずって、オレ達は冒険に出かける。森の中を歩き、邪魔な枝を切りながら目的地まで歩いていく。

 

「痛い痛い! なんで俺は引きずられているの!?」

「荷物だから」

「納得できねー!!」

 

 うるさい荷物だ。猿轡してやろうか考えていると、ガサガサと葉っぱから何かが出てきた。

 

「気を付けろ。ここにはモンスターがいるから、油断するなよ!」

 

 モンスター……か。なるほど、この世界には魔物と言うべき獣がいるのか。

 面白い。どんな相手か楽しみだ。

 

 現れたモンスターを観察しようと見てみると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウホ」

 

 海パン履いただけの変態青年だった。

 

「ってなんやねんこれ!!」

「モンスターだ」

「いやこれ、どっからどう見ても海パン履いた男だやね!? モンスターの要素が一切ないんだやけど!?」

「侮るな! 海パン男はある意味モンスターだ」

 

 はやてがツッコむ。いや、オレも同感だ。どんなモンスターだよこいつ……。

 海パン男はじっと腕を組んで待っていた。

 ……これホントにモンスターか?

 

「疑問に思うかもしれないが聞いて驚いてくれ。この海パン男はな」

 

 キリトの説明に耳を傾ける。

 

「男を性的にホイホイくっちまうモンスターなんだ!」

「どんなモンスターやねん!?」

「女はオーク。男は海パン! それがモンスター界では当たり前だ!」

「知らんがな! というか、あの海パン。さっきから熱い視線を衛くん達に向けてるってこと!?」

「そういうことだな。ちなみに手にいれられる素材はレアアイテムの『脱ぎたての海パン』だ」

「いらへんわ!! てか、誰が欲しがるねん!?」

「男に飢えた変態淑女達に決まってるだろ! それくらい当たり前じゃないか!」

「だから知らんわ、そんな常識!」

 

 キレッキレッなツッコミをするはやてに、海パン男は我慢ができなくなったのか「ヤラナイカ!」と叫んで、衛に襲いかかる。このままでは腐の道を極めし乙女が望む展開になることは間違いない。

 

 

 ……と言っても衛がそんな展開に持ち込めるはずがない。

 なぜなら、

 

「ウホ、ヤ ラ ナ イ カ?」

「死ぬがよい!! ヌッハァァァァァ!!」

 

 この男はむしろ筋肉でどうにかしてしまうから。衛の拳が海パン男に直撃する。

 

「アベサァァァァァン!!」

 

 衛は海パン男の顔面を貫き、水平へ飛ばす。海パン男は謎の断末魔をあげながら、木々を破壊していき、そして道を作ってくれた。

 

 最近の衛の話をすれば、この男は筋肉を極めていき、遂には師匠公認のバグキャラへと進化した。つまるところ、ノエルのような化け物クラスの超人である。

 ……たぶん、真っ正面から挑めばさっきの海パンのようにぶっ飛ばされるに違いない。

 

「……スゲーパンチ」

「ちなみに私の超質量魔法で作った流氷をあんなふうに破壊したで」

「どんなパンチだよ」

 

 はやては最早諦めたと言った感じに、衛にそんな視線を向けている。強くなるのはいいが、だんだん人間をやめていった恋人の姿に何度呆れたことか。

 まあ、それはさておき海パン男を地平線の彼方へぶっ飛ばした衛は何かを見つけたのか、はやてに見せつける。

 

「はやてよ! 見よ。レアアイテムだぞ!」

「きゃァァァ! こっちにそんなバッチィもん向けやんといて!」

「何を言う。これははやてのような淑女が持つべきものだろう!」

「私、変態ちゃうで!?」

「ヌ? そうなのか。ならば我のパンティをここで」

「せやから、いらんと言うとるやろが! 夜中に渡してや!!」

「待ってはやてさん。なんでもらう予定なの!?」

 

 ……最近のはやてが千香に染まりつつと感じる初戦闘だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初の町にたどり着いた頃には夕方だった。普通に進んでいたけど、なんか疲れた。

 海パン男の後に出てきたモンスターが原因だ。

 

 『バニーボーイ』やら『シャイニングわんちゃん』やらとヘンテコなモンスターが出てきたのだ。

 つか、『シャイニングわんちゃん』ってホントに何? ネーミングセンスのない名前の割りには光の早さで移動して、肉球パンチしてきたんだけど……。

 

 痛くないのに、全く反撃ができないまま逃げられた。とても歯がゆい。ナメられた気分だ。

 『バニーボーイ』は衛がまた瞬殺してレアアイテムをゲットしたらしいが。ウサ耳をマミさんに渡していたが、あの人はどうするつもりなんだろうな。

 

「というか、六道寺を生け贄にして逃げればよかったんじゃね」

「さりげなく恐ろしいこと言うなよお前!」

「あ、その手があったか」

「キリトォォォォォ!?」

 

 冗談に乗るキリト。六道寺イジメはホントに面白いとわかった。

 オレ達は疲れを癒すために、宿にたどり着いた。お金はあらかじめ換金して手に入れている。

 ちなみに商人に『脱ぎたての海パン』を売ると、予想以上な高額な値段で売買できた。……ホントにレアアイテムなんだな。改めて理解に苦しむな。

 部屋割りはまぁ、女性達と男性達に別れるはずだったのだが、マミさんが「弟を一人で寝かせるの? 寝かせるつもりなのかしら?」と笑顔の威圧でキリトを説得してしまい、なぜかマミさん、千香と同室になってしまった。

 

 ……最近の彼女達がオレを見る目が獲物を狩る雌豹に見えてしまうのはなぜだろうか。

 怖いったらありゃしない。

 

 そんなふうにして、それぞれが休息をとる中でオレは一人、部屋でリンゴを握っていた。

 力強く握る。しかし、砕けることはなくそのまま。オレは諦めて、ベッドに寝転がる。

 

「……どうしよかホント」

 

 これだけならまだいいが。またあのときみたいに、何もできなくなるのではないかと不安にかられる。

 首を振り、そんな不安を打ち消す。とにかくこのクエストをさっさと終わらせよう。と思っていると、浴場からマミさんと千香が帰ってきた。

 

 艶やかな肌に湿気た髪がマッチしており、色っぽい。劣情にかられる男は何人もいそうだな。とそんなことを考える。

 

「またマミさんナンパされてたよ。んで、おっぱいをガン見してた」

「身も蓋もないわねぇ……」

「だって事実じゃんかー!! というか、なんだよそのおっぱい! 触ってみたけど張り、艶、弾力がパーフェクトとか反則じゃんかー!!」

「きゃっ! コラ。触らないのっ」

 

 きゃっきゃっとじゃれ合う二人。まどかがいたら、「これは私達も負けていられないね!!」とか言ってほむらとイチャつきそうだな。

 そんなことを考えていると、マミさんと千香がこちらをじっと見ていた。

 

「ソラくん……それ」

「…………あ」

 

 どうやらオレの愚息が元気になったようだ。マミさんはピタッとくっつき、押し倒してきた。

 

「ふふ……、お姉ちゃんが鎮めてあげる」

「いや、これはその……ちょっ、まっ――――あふん」

 

 その後、イイコトされました。

 




モンスター: 魔物。イロモノであればあるほど、かなりツオイ(笑)

ヤラナイカ: アーッ!!(お約束)

海パン男: 男性を襲う変態モンスター。……なお、それようの同人誌が販売されてるとか。

バニーボーイ: 比較的無害だが、ヤるときはヤる変態モンスター。ただし、襲うのは男。……なぜ彼らがエンカウントするのはホモなのだろうか。

シャイニングわんちゃん: 光速移動する微笑ましいわんちゃん。肉球パンチして人を馬鹿にするモンスターなので害はないが、はやての胸にパイタッチしたため、衛がぶちギレて肉塊に変えてしまった……

神威ソラ: ……何やら様子がおかしい?

イイコト: 挟んで搾り取った(ナニを?)。本番もした(笑)

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