とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

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※注意

・年数がかなり飛びます
・士郎さんがハッチャけます(……あれ。いつも通りじゃね?)


第八十七話 聖書談義(腹を割って話す雑談)

 聖書。

 それは古来より伝わる神の教えが書かれた本。

 

 いにしえより人間は神という偶像の産物を崇め、そして畏怖してきた。まあ、それは誰もが知っていることであり、今回話すことではどうでもいい話だ。

 

 とにかく聖書とは崇高にして、すばらしい教えが書かれた本である。ゆえに我々はこの本を読むときは、敬意を評して読むべきなのだ!!

 

聖書(エロ本)に敬意もクソもねーだろ」

「師匠。台無しにしないでください。読者を納得させる口実だから」

「我が友よ。貴様もぶっちゃけてるから台無しだぞ」

 

 オレ達男――――師匠、衛、士郎さん、恭也さん、アオ、ユーノというメンツにて道場で、聖書(エロ本)の共有をしていた。

 なぜ、このようなことをしていると言えば、高校一年――青少年――になってから、まどか達の監視の目が鋭くなった。

 特にこの間買ったエロゲーのセーブデータが消され、千香に没収された。……しかも、改造されて純愛が背徳全開のハードプレイのエロゲーになっていた……。

 

 幼馴染みと育む物語が、千香によって変態物語になったのだ。

 

「というか、士郎さんや恭也さんもよく持ってますね。既婚者なのに」

「ははは、男がエロ本を持つのは当たりじゃないか。桃子の身体を味わっているが、それでもコレは別さ」

「父さん。発言が生々しい。まぁ、俺も忍に内緒で買ってるよ」

「男はいつだってケダモノですからね」

「「違いない」」

 

 アオの発言にサムアップで同意するこの親子。やはり血だろうか。

 というか、衛が参加するのが予想外だ。なんでお前も参加しているの?

 

 そう聞くと、

 

「我だけ仲間はずれは許さんぞ!」

「いや、だってここエロ本談義と共有する場所だぞ。筋肉を求めるお前の居場所じゃないだろ」

「たわけ! この我も性欲はあるぞ!」

 

 なん……だと!?

 あの筋肉ばかり言っている衛がエロを求めているだと!?

 

 これは何かの異変の予兆なのか!?

 

「驚愕するのは無理ないがソラくん。彼もまた男なのだよ。ゆえに、エロを求める心は変わらない」

「なぜだ。士郎さんが言うとかっこいいこと言ってるように聞こえる」

「それが士郎さんだからだよ」

 

 こ、これが大人の男……ゴクリ。

 ある意味、我々青少年の理想だ。やはり士郎さんは色気も桁違いか。

 

「そんなことよりも女王様のエロ本は?」

「なんでさっそくSM?」

「それは僕がマゾだからさ!」

「どうしてユーノはこうなった……!」

 

 つーか、千香によって変態化したこの男の子と付き合える女の子はいないだろうか。

 想像できないくらいマゾに覚醒しているし。例えば、この間。ミッドのビル――高町が担当する次元世界――で火災が起きて、真っ先に飛び込んだのがこのユーノくんである。

 火の海に飛び込んだにも関わらず、嬌声あげながら救助したという武勇伝が今でも無限書庫でも語り継がれている。

 

 ……こんなのが司書とは世も末だ。

 

「しかし高町が墜落してから三年。まさかこうも返り咲くとは」

「聞いてるぞ。……あのなのはが犯人を人質ごと撃ったという話が。なんで、なんで俺達のなのはがあんな鬼畜に……!!」

「うん。確かに見事な鬼畜だわ」

 

 高町が謎の機械に墜落し、病院生活を余儀なくされた。原因は、管理局の任務による疲労からで、当然士郎さんもぶちギレて大変だった。

 

 「子どもにこんな無茶させて恥ずかしくないのか!!」とリンディさんに怒鳴っていたのは今でも耳に残っている。

 まぁ、等の本人は一日で復活して、悔しさをバネに度重なるリハビリとトレーニングで復活。

 以降、士郎さんの制止を振り切り、問答無用に殺るぜというスタイルで事件を解決することになった。

 

 ……高町が活躍する度に、恭也さんがお腹を抑えている姿が見られるようになったけど。

 

「まあ、高町の鬼畜化はこの際置いといて。今は我々の聖書の話をしよう」

 

 オレ達の聖書にはそれぞれジャンルがある。

 例えばオレの場合は『幼馴染み』『同級生』『近所のお姉さん』と言った感じのジャンルだ。

 

 至って普通にしてありきたりなジャンルだ。それに対して、他のメンツはどうなのだろうか。

 

「では、まずは我から」

 

 衛がススと円陣の前にエロ本をだし――――……って!

 

「見よ! この幼いボディと裏腹に実る果実を!! ロリ巨乳こそ我にとって思考なり!」

「犯罪臭がする!」

 

 特に衛のようなモリモリマッチョが言うとヤバいジャンルだ!

 

「何を言う。はやても小さいなりにたわわになってきているぞ。うむ、我にとってエロ本とはやてが段々同格になってきていることが喜ばしい!」

「どうでもいいわ! てか、それをなぜお前が知ってるの!?」

「む? はやてと一緒に入ってるに決まってるだろう。どうも小学五年頃に付き合いが悪くなったが、なぜだ?」

「当たり前だろ!」

 

 未だに、思春期の女子と入っているかよ!?

 しれっと言った衛に戦慄を覚えていると、士郎さんがうんうんと頷いていた。

 

「ふむ、恋人同士の混浴か。なつかしいな。私もよく桃子とやったものだよ」

「父さん。それ危ない内容だからそこまでにしてくれ」

「何を言う。当初、恥ずかしがる桃子を(性的に)襲ったら、(性的に)返り討ちにあったという話を中断するとは勿体ないじゃないか」

「ノロケじゃなくて猥談になってるから!」

「ちなみに桃子曰く、その種からなのはができたとか」

「どうでもいいわ!!」

 

 さすが士郎さん。下ネタ全開だ。しかし、士郎さんが言うとセクハラよりも大人の経験談に聞こえるのはなぜだろうか……。

 イケメンパワーだからだろうか。

 

 「ではアオくん。君のコレクションを見せてくれないかな」と士郎さんが言うと、アオが中心に差し出したのは大人の女性の写真集だ。

 一見、塾女好きかと思えばタイトルを見たら、『未亡人特集! 淫らな私の姿』と書かれている。

 

「未亡人……リンディさん狙いか?」

「違うから! あの人とは上司との関係だからね!?」

「パラレルワールドの桃子は渡さないぞ!」

「士郎さん、メタいですよ!?」

 

 ……平行世界の桃子さんが未亡人であることをなぜ士郎さんが知っているの?

 というか、士郎さんのキャラ崩壊激しい。

 

「ふむ。母性溢れるオナゴに惚れ込むのは男として無理もないこと。我々、男とて最初に好意を持つのは母なり。つまること、アオ殿の好みは不健全ではあるまい」

 

 衛は真面目に分析して答える。いや未亡人が不健全とは言わないけど……。

 

「ちなみに俺はこれだな」

「何々……『エッチなお姉さんが癒してあげる☆』? お姉さんモノか」

「忍殿もどちらかと言えば姉ではないか?」

「どストライクさ。だから、これを見て毎回、忍で妄想してる」

 

 普通だ。さすが我らの普通組の恭也さん。スタンダードな男子の考えだ。

 

「では私はこれを見せよう」

 

 遂に士郎さんだ。ハッチャけキャラとなり、ダンディな大人の男を魅せてきた士郎さん。果たして彼の好みのジャンルはなんだろうか。

 予想できないな。

 

 士郎さんが前に出したのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

「人妻のNTRだ」

「一番駄目なヤツじゃん!!」

 

 背徳全開の代物でした。

 

「何を言う恭也。この損失感と虚無感が、こうゾクゾクするじゃないか。普段見せない妻の姿が他の男に見せる姿がいいじゃないか」

「待て待て! 共感どころか反感だぞそれ! つーか、母さんトラれて良しとするのか!? あんなに愛してる人を他の男にトラれていいのか!?」

「いいわけないさ。むしろトラれたら取り返す。そして見せつけて相手を絶望させる!

それを妄想したらタギッてくるじゃないか!!」

「ものスッゲームチャクチャだこの人!!」

 

 しかし男らしい! この人の思考回路はもう予測不能だ。

 つーか、アオ! お前もマジマジ見てるじゃねぇよ!

 

 衛なんかもう素で見てるし!

 ユーノなんかヨダレ垂らして興奮してる!?

 

「さすが士郎さん。オレ達とは違いすぎる……」

「照れるじゃないか」

「誉めてないぞ父さん……。にしても意外過ぎてびっくりだ」

「ちなみにこれを桃子に見られて搾り取られた過去がある。その上燃やされてしまったレアのエロ本だ。厳重に保管して、長年付き合ってきたアイボウだ」

「どうでもいいわ!!」

 

 恭也さんが息を荒くしながらツッコむ。……もう、士郎さん専門のツッコミキャラだこの人。

 

「じゃあ俺はこれだな」

 

 師匠が出してきたのは、

 

 

 

「『触手』」

「「マニアックだ!!」」

 

 たった一言で師匠の性癖がわかってしまった!

 

「いや魔法少女やモンスター娘とか、そういう人外系がいけるんだよな俺って」

「師匠の性癖がマニアックでびっくりなんだが」

「すずかと付き合っている時点で、マニアックも何もないのだが……」

 

 そういえばそうだ。

 師匠は月村と付き合っている。ノエルの遺言で「じゃあ浮気するか」とケラケラ笑いながら、言っていたが翌日。月村に腕を組まれていた。

 そのとき見た師匠はなんでこうなった……と言った顔で呆然としていたが、何があったのだろうか。

 

 そう思い、恭也さんに聞いてみると、どうやら酔った勢いでヤられたらしい。

 ……ジュースとお酒を間違えるというベタな展開だったらしいが、月村の黒い笑みがところどころみる限り、あれは本当に間違えたかどうか怪しい。

 

 まあ、何はともあれ師匠の嫁が決定してしまったということである。

 

「そういえばソラくんは彼女達と寝たのかな」

「唐突に猥談を持ち込まないでください。まだですよ」

「へぇ。けっこう積極的に迫られているからもう済んでいるかと思っていたが」

「いやあんなに積極的に迫られたら、ドン引きですから」

 

 お風呂に突撃されたり、寝室に潜り込んだり、パンツをクンカクンカされたり……。

 …………あれ? オレの周りにまともな女の子っていないのかな?

 

 キアラもニオイフェチで千香と一緒にクンカクンカしていたし。

 

「……もうオレの嫁は杏子しかいない」

「唯一まともな女の子だしな……。まあ、その……がんばれ」

「はい……」

 

 恭也さんの優しさに心が暖まります……。

 

「士郎さん、士郎さん。僕の相談も聞いてくれませんか」

「いいとも。というか、君に悩みが無さそうな気が」

「お宅の娘さんです……」

「聞こうじゃないか」

 

 何があったんだ。アオは独白し始める。

 

「最近、なのはの写真が知らないうちに机の中や本の中にあるんですよ。おまけに壁には日に日に、写真が貼られてて、文句を言おうと部屋に入ると僕の写真が壁が埋まるくらいにびっしりと……。そしたら、後ろになのはが口角をあげて、『このことは秘密なのです。にぱー☆』と言うんですよ。どうすればいいですか。どうしたらなのはのヤンデレは治るのですか!」

「話が意外に重たい!」

 

 恭也さんが驚愕し、士郎さんはうんうんと頷いていた。いや、なんでお父さんが納得しているんだよ。

 

「それもまた愛だよアオくん。いやー、なのはに好きな人ができてよかったよ。これで我が家も安泰だよ」

「どこが!? てか、いいのかよ父さんは! なのはがなんか昔と違う方向に進化しちゃってるんだけど!」

「何を言う恭也。なのはの初恋を応援してやるのが家族としての役割じゃないか。昔のなのはなら、『私と戦って勝て!』という無茶ぶりをしていたが、今のなのはなら安心だ。自分をしっかり持ってるし、判断できる。

 

 

――――だから決して今のなのはに意見したら怖いから、何も言わないわけじゃないぞ!!」

「拳が震えてるぞ父さん! てか、俺も怖いけどね!」

 

 ヒエラルキーが覆されたようだ。ちなみに不動の頂点は桃子さんである。あの人でも高町は逆らえないみたいだ。

 アオ曰く、「反抗期だからついアイアンクローしちゃった☆」とお茶目に笑って言っていたらしい。

 

 …………あの人、ホント何者だよ。ただの一流ホテルのパテシエかよ。

 

「ふむ。愛とは奥が深いな。時に恭也殿。娘さんは元気か?」

「元気さ。この前なんかもう御剣流を使い始めていたんだぞ」

「ふむ……人外の親をもてば、娘も人外か」

「さりげなくひどいなオイ」

 

 事実そうでしょ。もうだいぶ前の話だが、六年前。恭也さんと忍さんとの間に生まれた娘さんが最初に言った言葉は「だとう、ととさまー」だぞ。

 

 ……お前は転生者かって疑った時期がなつかしい。

 

「ちなみに二人目生産予定は?」

「いや二人目って……」

「甘いぞ恭也。若いうちはハッスルしておかないと、次第に性欲が薄れていくと三丁目の田中さんが言っていたぞ。あ、私はいつでも桃子でムラムラしているがね」

「人前でカミングアウトするなよ!」

「ちなみに四人目生産予定も考えてる!」

「サムアップするなよ!」

 

 恭也さんのツッコミがキレッキレッである。というか、士郎さんのダンディな大人が崩れて、お茶目な青年に見えてしまう。なんでこの人は中年の肌をしていないだろうか。桃子さんもそうだけど。

 

「ユーノはSMで、ソラは幅広いジャンルだが幼馴染みが多いな……。つーか、士郎がマニアック意外すぎてびっくりだ」

「ネコネコニャンニャンプレイもマニアックではないのか?」

「……なぜ恭也がそのことを知っている」

「すずかがやってたから自分もって忍に」

「ちくしょう! バレてた!」

 

 師匠もそんなことを……。なんか尊敬する師匠が薄れていく内容だわこれ……。

 まあ、それはさておき。ここでお開きにして……。

 

「へぇー、もう終わりにするだぁ……」

「もう少し続けていいのよ?」

 

 ……背後に異様な気配が感じる。吸血鬼の嫁二体とヒエラルキー頂点の女性の……。

 

 オレと士郎さんは頷き合い、宣言。

 

「「散開!!」」

 

 バッと逃走を図ろうとするも、ガシッと師匠と恭也さんが捕縛された。

 

「恭也~? 私という嫁がいながら他の女の裸を見ているの~?」

「いだだだだ! ごめん。マジでごめんだから許して!」

「雷斗くん、悲しいよ……。私というお嫁さんじゃ満足できないの?」

「満足だけど、ヤる度に吸血されるのはもう勘弁だ!」

「一種の求愛行動を否定するなんて、悪い子だねぇ~。…………よし、私の身体をフルに使って満足してあ げ る❤」

 

 ゾッとするほどの死刑宣告がここに下された。師匠が助けて!とオレ達に視線を向ける。

 

 答えは既に決まっている。

 

「「「「来世で会おうぜ!!」」」」

「裏切られた!!」

「さあ……逝こうか♪」

 

 「いやァァァァァ!!」とホラー映画よろしくとばかりに師匠は暗闇に引きずり込まれていった。

 

「この調子ならばジジ様と呼ばれる第二の孫ができそうだね」

「ブレないなぁ士郎さん」

「逃がさないわあなた♪」

 

 士郎さんが速度をあげると桃子さんも同じくスピードをあげた!? ホントに何者だよあんた!

 

「私じゃ、満足してないの!」

「違う。これは桃子の愛を再確認するための儀式だ! ゆえにこれは正当性のあることなのさ!」

「なら、押し入れにあるあの本もいらないわね?」

「バニーガールはまだ駄目だ! あれはいずれ恭也に託して同志に布教する予定なのだ!」

「男はそうやって言い訳するのはわかってるわ~♪ 大人しく捕まってO☆HA☆NA☆SHIしましょ?」

 

 桃子さんがペースアップすると士郎さんが更にあげてきた。……あれが熟練夫婦ってことだな。

 

「というか、オレ達逃げる必要ないんじゃ」

「先ほど桃子殿から『まどか殿達となのは達』に連絡したと言っていたぞ」

「よし! 衛。作戦名は『アオサクリファイス』だ! 実行するぞ」

「それ確実に僕が犠牲になる作戦だよね!?」

 

 ギャーッギャーッ喚きながら、オレ達は逃げる。彼女達に捕まれば貞操は危ないだろうなぁ。とそんなことを考えながら笑みを浮かべる。

 

 ここにはいない彼女へ。

 オレは今日も騒がしく幸せです。

 

 

 

 

(??side)

 

 とある世界。ある男は森林へ素材を集めていたとき、光が目映く起き、それが収まると一人の女性が現れた。

 その女性は黒髪で妙齢だが、とても若々しい肌をしている。二十代後半に見えなくもないほど、若々しく見えた。

 その彼女は瞳を開ける。瞳は誰かに似て青いものだ。

 

 男はそんな彼女を起こし上げると、彼女の呟きが聞こえた。

 

 

 

 

 

「ソラ……。シイ……」

 

 

 ソラの残された時間は――――あと、三年。

 




ハードプレイのエロゲー: SM上等な改造作品。ヒロイン達全てが奴隷エンドに……(-_-;)

高町士郎: 我らのダンディキャラ。甘いも渋いも酸っぱいもの全ての人生を経験し、大人の魅力を兼ね揃えた男である。……裏設定だが、この士郎さんは平行世界全ての記憶があるため、それを合わせた精神年齢なのでかなりOTONAの男性である

ユーノ: ドM。ドSの彼女がいるらしい。……誰だよコイツをもらってくれた女子(-_-;)。なお、性癖は最悪だが、原作通りの無限書庫の司書なのでかなり優秀

天道衛: ロリ巨乳が好きな理由は恋人がロリ巨乳だから。……(-_-;)

月村すずか: ノエルがいなくなってから自重しなくなった雷斗の恋人。……意外とみだれる(何が?)





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