とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

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短いです。そしてオリ主(笑)が甘い死に方と指摘されました……。うん、もう少し苦しんだ方がいいよね……。

まあ、もう修正できませんが(-_-;)

では、どうぞ。


第六十九話 あ、ヤバッ!!

 

(??side)

 

 

 ソラとウルフルズが戦っている頃、まどかとほむらはなのはと協力して敵襲を撃退していた。

 敵は紫のシルエットで人の形をした機械兵だ。手にはエネルギー弾を発砲するマシンガンや電磁棒が握られていた。

 多くの機械兵は物量で、この艦を制圧しようと攻めてくるがそんなことをさせまいと、二人の少女が奮闘する。

 

 まどかとほむらだ。

 

 格闘技を含めた戦法で、敵兵を破壊していた。

 

「というかほむらちゃん。ゴルフクラブで攻撃するの猟奇的じゃない?」

「そういうまどかこそ、バッドを振り回しているじゃない」

「どっちも猟奇的なの」

 

 返り血もといオイルまみれの姿の二人の少女に、なのはは顔をひきつらせていた。

 フェイトはそんな三人に気にせず、得意な電撃で行動不能にしていた。

 

「おぉー、さすがフェイトそん。マジ便利だよ」

「さすが人造電気マッサージ機」

「喧嘩売ってるの!?」

 

 冷やかしに対して青筋を立てるフェイトに、なのはは苦笑する。そんなとき、遠いところから何かが爆発する音が響いた。

 

 その音の根源は、ソラがいる場所だ。

 

「大変! 神威くんが!」

「っ、わかってるわ。でも……」

「なんか急に連携が強まったね」

 

 まるでソラの場所へ向かわせないように、行き先を阻む。そんな機械兵達にまどかほむらは冷えた視線を向けて、

 

「邪魔よ」

「どかないと壊すよ?」

 

 問答無用に破壊していくのだった。

 

 

 

 

(ソラside)

 

 

 戦いは資材の倉庫へ移っていた。

 

 狼男の特徴は、月を見ることで狼と同じ特性を得ること。そして、その身体能力の強化だ。

 ウルフルズは機械の狼男のため、月による恩恵はない。しかし、機械には機械なりの特性がある。

 

「チッ、またか!!」

 

 口から冷気を吐いてくる。内蔵に冷気を製産する部位があるのだろう。右へ飛んで回避すると、オレがいたところは氷付けにされていた。

 

「くらえ、電気の爪!」

「せめて名前くらいつけろ! なんか、拍子抜けなる!」

 

 帯電した爪で斬りかかってくる度に、オレは身体を捻らせたりして回避していた。『神器』で対応したいが、ヤツが使っているのは魔法ではなくその機械が持つギミックである。

 つまりキャンセルや『封印』はできない。

 

 とは言っても、機械なので強制的に『止めて』やればこの狼男は止まるのは必然なのだが、さすが狼男の機械兵。身体能力だけで斬撃が回避される。

 

「ふはは! どうだ。手足は出ないだろう! このまま大人しく捕まってろ」

「黙れ。つーか、規則正しい攻撃ばかり」

 

 オレは『神器』で帯電した爪を受け止め、

 

「してるんじゃねぇ!!」

 

 そのまま腹部を蹴り込む。ウルフルズは衝撃で後退したものの、怯んだ様子はない。むしろオレの腕が痺れて使い物にならなくなった。

 

「ふはははは! オイオイ。無駄なことしたもんだなオイ! 腕が使えなくなってどうする――――」

 

 その刹那、オレは縮地を使って既に斬撃をとる体勢に入っていた。相手はそれを読んでいたかのように回避しようとさがるが、オレは最初から斬撃を使うつもりはない。

 抜刀をやめて『封印』の概念を込めた『神器』を投擲して突き刺した。

 

「ば、馬鹿な……。こんな行動、でーた、には……ない、はず………………」

 

 ウルフルズの目から光が消えていき、そのまま動かなくなった。そんなウルフルズに『神器』をひっこ抜いて言う。

 

「データで埋められるほどオレの手数は甘くねぇよ」

 

 経験から学んだもの。そしてこれらの戦いで昇華したもの。

 成長していかなければ、オレは英雄なんて呼ばれずに死んでいたさ。

 

「つーか、派手にやってくれたなぁ。というか、壁に亀裂が入っているような……」

 

 ピシッとその亀裂がはしり、そして瓦解した。それによって風圧でオレは艦から外へ投げ出された。

 

「あ、ヤバッ。これマジで死ぬ……?」

 

 高さは約100メートル以上。そこからダイブしたから確実にミンチだ。落下していく中で、オレの名前を呼ぶ声が聞こえたが、意識が遠くなっていった……。

 

 

 

(??side)

 

 

 

 とある廃墟にて、青い髪の一人の少年が休息をとっていた。彼はいつものように敵兵を破壊し、なんとか撒いたものの、疲労で息を荒くしていた。

 

(まさかこんなところにパルテノンがいるなんて……)

 

 青い機械兵――――パルテノンはこの国、『ネオアルカディア』の警備兵だ。自分達が行っていることを考えれば、捕まえにくるのはおかしくない。

 

(急がないとシエルさんが……っ!?)

 

 突如、屋根を突き破って何かが落下してきた。少年は『神器』を構えて、相手を警戒するものの砂煙から一行に現れない。

 砂煙が晴れたとき、そこにいたのは、息を荒くしている黒髪の少女と目を回している銀髪の少年だった。

 

「ほんっっっと、世話が焼けるわねソラは……」

 

 彼女がソラを無事着地させたのは、パラシュートを使ったからだ。ほむらはソラが落下するとき、手短にあったパラシュートを手に取り、一緒に降下した。

 彼をなんとか捕まえたものの、落下速度はやや収まらず、重傷覚悟で廃墟の工場へ落下したのだ。

 

「ああもう。まどかとはぐれたわ……。どうしましょう」

「君達は……いったい」

 

 少年は彼女に声をかける。彼女は警戒心を表しながらも、答えたのは。

 

「通りすがりの魔法少女と犬よ」

「いや、意味わかんないし、犬って誰のこと?」

 

 ドS発言に口をヒクヒクさせるのだった。

 

 それが、彼にとって運命の邂逅になるとはこのとき誰も知るよしもなかった。

 




通りすがりの~: 誰でも使える自己紹介。だからと言って通りすがりの魔法少女と犬はいない……

ソラ達がいる世界: 機械の世界。とあるゲームの設定がモデル

時間ミス: 七時の予定がミスって十二時に……ホント申し訳ないですm(__)m

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