とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

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連投。煉獄姫さん、へもへも♪さん、skyアイスさん、ありがとうございました!

これでコラボ参加者の全員です!

ではどうぞ!!


第六十四話 コラボっちゃいますその五(友情がタイトルです……(遠い目) byソラ)

 

 

 黒髪で白い袴の青年。

 黒髪の青い目の青年。

 黒髪でブーメランパンツを履いただけの青年。

 

 鳳上恭介、とうか、井ノ原正人はゾンビと傀儡兵を一掃し終えた。

 冗談抜きでやりたい放題だったのは言うまでもない。そして、正人の服装には誰もがツッコミたいと思っても無理もない。

 

 現に、助けられたほむらがまさにそうだった。

 

「なぜ彼はボディービルダーよろしくな格好をしているかしら……?」

「え、趣味だけど」

「どんな趣味!? 衛でも服は着ているわよ!」

「うるさいなぁ。感想欄でも俺達は『お前らkillyou宣言』してるから後でお前らも殺るから」

「この人味方!? 味方だよね!?」

「いや、ボクに聞かれても……」

 

 珍しくツッコミを入れるほむらに千香は苦笑で答える。なんせ、人外、魔王、変態というスリーマンセルである。

 まずどこから言えばいいのかわからないのである。

 

「あ、そういえばソラの小さい頃に『ヒーローのお兄さん』に出会ったとかなんとかって言ってような」

「神威の憧れの人なの?」

「ううん、殺害対象」

「なんで!?」

「あ、間違えた。越えるべき壁だったような……?」

「どこをどう間違ったら殺害対象になるのよ!」

「仕方ないじゃん。だって前世の話だし、何より『いつかぶっ殺してやるぜ、ヤァッハァーッ!!』って叫んでいたし――――ライトが」

「神威じゃ、ないじゃん! お師匠さんが殺る気満々じゃない!」

「あと、このお話はあちらの物語のリメイク前のお話だから、ここにいる『鳳上恭介』さんとなんのご関係がありません」

「全部嘘なの!?」

「ううん、三割ホント」

「もう何がなんだかわけがわからない……!!」

 

 トウカとほむらの漫才を繰り広げる中で、草太(使い魔)が背後から千香に迫ってきた。そして、刀を振ろうとしたところで、正人の拳が彼の頭蓋骨を砕いた。

 

「フォォォォォオ!! 高鳴るぞ我が筋肉!」

「ま、衛と同類が異世界にも……?」

「ちなみにあと一人いるよ。やったね! 『筋肉戦隊☆マッスラーズ』の結成だね!」

「あんな巨体と筋肉を見たら子どもが泣くわよ!!」

 

 すると、正人によって倒された草太(使い魔)は消えていき、少量の爆破を起こして消えた。そして、本物の草太(使い魔)が手裏剣の形にした魔法と思われる術を展開していた。それがほむらがいるにも関わらず、正人と共にいたという理由で投げつけた。

 

 ショックだった。まさか彼が自分を見捨てるなんて。今まで一緒に戦ってきて、そしてまどかを救って――――……救っ、て?

 

(まどかは……救われたの? 彼女は本当に救われたの……?)

 

 言い様のない引っ掛かりを感じる。違和感が増幅する中で、手裏剣の魔法はトウカによって防がれた。

 

 素手で払うという馬鹿げたと思われるほどの規格外な方法で。

 

「なんだ『主人公』。そんなものか?」

 

 嘲笑した笑みを浮かべて、挑発する。それに反応してか、今度は手に視認できるくらいの電撃を出してトウカを貫こうとしたとき、彼の代わりに白髪のロングになり、背中に白い巨大な翼が出現した恭介が代わりに出ていき、そしてその立ち位置が入れ代わった。

 

 『忍術』の特性の草太(使い魔)はありえないという表情を最期に、身体が右斜めにズレていき、分断された。

 

「あっけないねー」

「そんな……草太が」

「というか、まだ生きてるよ? 別のが」

「え?」

 

 千香が指さす方向――――天には無数のゾンビと傀儡兵達の中に、確かに草太(使い魔)はいた。それも現在進行形で落下していた。

 

「なんなのよ、あれ!?」

「『転移』の特性かも。まあでも、魔王様には何か考えがありそうだよ?」

 

 トウカは「ハァァァァァァ!!」と某野菜星人のような声をあげて、そして見開き、ナニカを掴んだ。

 そう、その名前は……!

 

「『ライト』セイバー」

「ソラのお師匠さんじゃない!!」

 

 そうボロ雑巾となって剣の扱いをされていた雷斗くんである。確かに電撃を走らせていれば、電撃の剣にはなるが、まさか人間を剣の扱いをするとは誰も思わない。

 

「いいなぁ、ライト。あんな扱いされて……」

「あ、師匠。いたんだ」

「うん、なんかトウカくんだっけ? ライトを貸して言われて、貸してあげたら剣してくれたよ」

「わけがわからないわよ!!」

「ちなみにボロ雑巾にしたのはワタシの策略……。ボロボロになった彼を懐柔するという作戦なのだ! さすがワタシマジ策士!!」

「ボロ雑巾の理由はこの変態の仕業か!!」

 

 トウカは雷斗を使った剣技で、ゾンビと傀儡兵をやりたい放題にしていた。そして、草太(使い魔)の頭は雷斗の顔面によって潰され、絶命した……。

 

「どんなもんだ!!」

「テメ、後で……絶対」

「いけ、ライト! 君に決めた!」

 

 雷斗をそのままゾンビ達に向けて投げ捨てた。

 もはや人として扱われていない。ちなみにライトという人間爆弾は文字通り爆発した。

 

 死んではいないが、黒こげでアフロになっていた。

 

「いいなぁいいなぁいいなぁいいなぁ!! あんな扱いをライトにされたらワタシ……ワタシおかしくなっちゃうよきっと!!」

「同感です!!」

「あんた達おかしいわよ!!」

 

 本来、ほむらもボケ役なのだが悲しいかな。今の彼女の個性では、彼ら彼女達にたちうちできない……。

 なお、この後ほむらの記憶が戻ったそうな……。

 

 

 

 

 

 

 朱野椎は佳奈と共にいた。

 黒髪黒目、黒いシャツに濃い青のGパン、その上にシザーズ(黒いコートに赤い布で継ぎ接ぎ)、そして彼の特徴たる小さな身体は仲間の少女と共にゾンビと傀儡兵を蹂躙していた。

 

 そんな中、彼と合流した衛は唸り声をあげながら苦悩していた。

 

「ぬぅぅ、なぜだ……。なぜ我が友がこんなことを……」

「本当は友達じゃないの?」

「そんなわけ……あるかもしれん。なぜか知らんが神威の方が我が友と呼ぶ方がしっくりくる」

 

 これはある意味、天宮草太の世界改変が崩れていることを意味していた。改変された世界は『抑止の存在』が修正にかかっていたのだ。

 

 そんなとき、はやての悲鳴が聞こえた。

 衛ははやての元へ駆け出すと彼女は虚ろな目をしながら、草太(使い魔)と共に立っていた。

 

「衛か。なぜそこのちっこいの味方にする。ヤツは神威の味方だぞ」

「味方も何も我は元から神威と敵対する気はなかった。そもそもヤツに攻撃した理由は管理局員達を殺しにかかっていたゆえにだ。彼らは貴様の都合で召還されたもの達。罪は一切なかった。しかし……!」

 

 衛は歯を食い縛る。

 

「貴様によって彼らはもはや人ですらなくなっていた……! ゆえに貴様の行いはもはや許せるものですらない! 神威の味方と言うべきならば我はそうしよう。我は貴様のような外道を友とは呼びたくない!」

「そうか。ならば――――はやてによって殺されろ」

 

 はやてはデバイスを衛に向ける。そして、その魔力砲撃を衛と椎、佳奈を呑み込む。

 

「っ、無事か!」

「盾になる必要はなかっただろうに」

「アンタ、一応お礼は言っておきなさいよ」

「いや、でもソラを傷つけてるし」

「謝罪は神威が目覚めてからに頼む……。我らのこの過ちは、一生背負うつもりだ」

 

 椎達の盾になった衛の腕と身体は火傷を負っていた。しかしこの程度は神威もまた受けていたものだ。

 罪悪感を感じているならば、いちいち気にすることではない。

 

「はやてはいったいどうしたというのだ……」

「見た感じ洗脳に見えるわね。職業柄で言わせてもらうけど、かなり強固みたいよ」

「どんな職業柄なのだというのだ。しかし洗脳か……」

 

 使い魔としての特性。それは厄介なことこの上ない。

 しかし、草太(使い魔)は佳奈の答えを否定するかのように、薄く笑う。

 

「『洗脳』? そんなものじゃないさ。(使い魔)の特性は――――『改変』」

 

 刹那、衛の大人モードは解除され、元に戻った彼は吐血した。衛が困惑する中で、草太(使い魔)は答える。

 

「今のお前は『病弱な天道衛』さ。つまり、リンカーコアが汚染されて魔法を使えば身体が耐えきれなくなる自分になったのさ」

「くっ、貴様ぁ……」

「そして八神はやては、そうだな……。俺の妹というのは面白いな」

「こいつやな……そうた兄をいじめるヤツは!!」

 

 はやてが敵意を向けてデバイスを向ける。衛は悔し泣きしながら、草太(使い魔)を最後まで睨んでいた。

 

「じゃあな、天道」

 

 はやての魔力砲撃が放たれる――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――そんなときだ。彼女のデバイスが銃弾によって弾かれたのは。

 

「あのさ。勝手に無視して事を進めないでくれない?」

 

 佳奈がマグナム銃を向けながらそう言った。そして、衛はふと身体が軽くなるのを感じた。

 これは、と椎に視線を向けると彼は草太(使い魔)に対してどこまでも冷めた目で見ていた。

 まるで害虫を見つけたかのように。

 

「どういうことだ。なぜ天道に対しての『改変』が……!」

「そんなもん、『境界』をいじって無効化したに決まってるでしょ」

「なんだと……!?」

「ほら、その証拠に」

 

 椎は虚空に縦を描くと、はやての虚ろな目が消えて、元の輝きのある少女の目となる。彼女は戸惑いながらも、草太(使い魔)の近くにいたことに気づいてその場から退避した。

 

「そんな馬鹿な……! 俺の『改変』が……」

「そもそもこの『改変』って正直言って不完全だよ」

「なぜそう言える!」

「だって本当に『改変』が使えるなら、既に自分や佳奈。そしてこの場にいる全員が対象になっているはずさ」

 

 『改変』は不完全だった。本当に改変が使えるならば、『ソラは存在しない』やら『召喚者は全員ソラの敵』と改変できるはずだ。

 

「よってお前の改変はむしろ世界に対する『催眠術』さ。例えば、学校の先生の言っていることは全て正しいと誰かが言うようにね。もっとも、『その程度』なら境界をいじくればどうにかなる」

「それがどうしたと言うんだ! この俺にはまだゾンビと傀儡兵が――――」

 

 

「うらァァァァァ!!」

 

 ズドォン!!とすさまじい音と共に傀儡兵は砕け、ゾンビは宙を舞った。

 

「立て! 同志天道衛。同じ筋肉を鍛えし者がこんなところで膝につくんじゃない!!」

「け、剣児……。ぬ、おォォォォォオ!!」

 

 衛がビキビキと肉体を唸らせ、大人モードとなる。剣児は満足そうに頷き、言った。

 

「勇気百倍。筋肉千倍!」

「行くぞ! マッスルパワー全開!!」

 

 謎のエネルギーを溜め始める二人に、ゾンビ達が襲いかかる。二人は拳を揃えて、技を出した。

 

「「『国王会心撃ィィィィィ』!!」」

 

 その拳は地にぶつけると地は盛り上がり、まるで大爆発を起こしたかのように、吹き飛んだ。

 草太(使い魔)だけでなく椎も佳奈も慌てて回避する。

 

「ちょ、剣児のヤツ。いつの間にあんなものを覚えていたの!? てか、なんでアイツもいるのよ!?」

「あ、なんか『次元の壁から同志の気配が!』とか言ってついてきたんだっけ?」

「なんで言わなかったのよ!」

「だって、元から抑止さんに呼ばれてないし、何より自力で次元の壁を乗り越えてきた人だし」

「あれぇ。アタシが知ってる剣児じゃなくなってない!?」

 

 ……実際はノエルの手引きがあったのだが、佳奈はそれを知ることはたぶんない。

 草太(使い魔)は忌々しそうに舌打ちして、ナイフを取り出す。

 

「ならばちっこいの。お前だけでもぎばげ!?」

「お生憎。剣児より強いつもりだから。それと、」

 

 ――――人の知り合いに手を出しといてただで済むと思わないでくれよ?

 

 『修羅』モードになった椎がそう言うと、草太(使い魔)の襟首をつかんで片手のラッシュを与える。

 それはまさに『オラオララッシュ』とも言えるくらいの早さと精密度で、的確に顔面をボコボコにしていた。ナイフは既に椎の拳によって破壊されており、最後の拳が放たれたとき、草太(使い魔)は地面にめり込んだ。

 

「ちょ、やり過ぎじゃない」

「いいのいいの。あんなのにはこれが充分だから」

「だからって、あんたねぇ」

「貴様らぁ!! この俺によくもォォォォォ!」

 

 草太(使い魔)は激昂しながら、叫ぶ。すると椎が、

 

「ちなみにオムライスに何かける?」

「んなもんケチャッぶぅ!?」

「マヨネーズでしょうがー!!」

 

 今度は、草太(使い魔)は佳奈によってマウントをとられて殴り始められる。マヨラー戦士佳奈にとってケチャップとは永遠のライバルである。

 

「え、マジで?」

「たぶん……。てか、お姉さん誰?」

「通りすがりの変態淑女よん。というかかわいいショタだ。マジモンのショタだぁ……ハァハァ」

「えっと、息が荒いけど風邪?」

「大丈夫。ワタシはいつだって健康さ!」

「そっか。よかった」

 

 にぱー☆と愛くるしい笑顔をノエルに向けたとき、ノエルは吐血して倒れた。

 

「お、おのれ……この変態の中の変態に、そんな無邪気で愛くるしい笑顔を向けるとは……」

「え、大丈夫?」

「みぎゃあァァァァァ! 浄化される浄化されるぅ!

こっち見ないで、汚れたワタシを見ないでェェェェェ!!」

 

 ノエルに大ダメージを与える笑顔に、椎は困惑気味だ。ちなみに隙間からこっそり見ていたばば――――失礼、我らのお姉さまは別の意味で吐血していたりする。

 ……ライトがもし彼女を見ていたら、『いつからこんなふうになったんだろ……』とメタ発言するのは確実である。

 

 さて、マウントをとられていた草太(使い魔)は距離をとってから、遂に最強を出してきた。なのはの『スタラ』に並ぶ彼の必殺技。

 名前は『ダークインパルス』。砲撃が佳奈を巻き込み、衛や剣児に当てようとしていた。

 

 しかしそうがさせないのは、かつて幻想卿で活躍した彼だ。『修羅』モードとなった彼が、『ダークインパルス』を隙間から取り出した刀剣で切り裂くと消滅した。

 

「ば、馬鹿なァァァァァ!」

 

 彼はその刀剣で草太(使い魔)を八分斬りにし、バラバラにし、黒い塵になるところを確認してから呟く。

 

「境界線の暗殺者、朱野椎。覚えて一生噛み締めろ」

 

 彼は刀剣を隙間に仕舞うと、ほむらと千香が息を荒くしながらやってきた。

 

「ノエル! ソラが、ソラの身体が!」

 

 それは驚くべき状況へと繋がる……。

 

 

 

 

 

 

 

 杏子とマミはソラの身体を守っていた。どういうことか、彼女達はここから離れていけないような気がしたからだ。

 それから戦いが始まって数時間後、ソラの身体に変化が起きる。

 

 黒い彰気とも言える靄が彼の身体を包み込み、ソラの身体が起き始めた。

 

「なんだよこれ……!」

「わからないわ。けれど、お姉ちゃん的にはただ事じゃないわね」

 

 マミの言ってることは当たりだった。ソラが二人を襲いかかる。手に剣を召喚し、斬りかかってきたのだ。

 二人は『神器』でそれを防ぐが、途端に身体から力が抜ける。

 

(こ、これは……)

『どうだ。俺の憑依の特性は!』

 

 頭の中に草太(使い魔)の声が響く。どうやらソラの身体が動き出したのも全てヤツの仕業だったようだ。

 

「なんでこんなことをしやがる! アタシ達は仲間じゃねーのかよ!」

『仲間? ふん、最初から仲間じゃない。ただのヒロインだよお前達は』

 

 駒。つまり草太(使い魔)はもはや彼女達を単なる登場人物としか思えなくなっていた。元の彼ならば考えないことだが、遂には堕ちるところまで堕ちたようだ。

 

『このままお前らの身体をいただいて、まどか達の前に突き出せば、彼女達はどうするかな?』

「て、テンメェー!!」

「最っ低」

『なんとでも言え。お前達はここでリタイアだ!』

 

 『憑依』により徐々に力を奪われ始める。そして意識が遠くなっていくと、ふと声が響いた。

 

「諦めるな!!」

 

 ドンッとソラの身体に誰かが体当たりする。そしてソラの身体に何者かが入っていくと、杏子とマミにとり憑く草太(使い魔)が感じられなくなった。

 

「これは……?」

「わけわかんねーよ。けど、誰かに助けられたようだ」

 

 一方、杏子とマミが安堵している頃、オレンジをベースにしたパーカーを着ていて、腕や足の関節部分に緑の線が描かれてる少年――――『天道陸途 (てんどう りくと)』は草太(使い魔)と対峙していた。

 

「まさかこの身体に入ってくるとは……」

「…………」

「だけど、渡さない」

「…………」

「この身体は俺のものだ!」

「…………」

「神威なんかより、この肉体を上手く――――」

「もう、黙れ……」

 

 陸途は限界だった。ソラを追い詰め、居場所、仲間、そしてその肉体を奪っていって我が物顔にするこの男に対して限界だった。

 

「あんただけは許さない。どんなことがあっても――――

 

 

あんただけは……殺す!」

「できるのかお前に!」

 

 草太(使い魔)は魔力弾を撃つ。陸途も同じようにして対応する。

 陸途は 自分の記憶の中の武器を魔力で作り出して戦うことができる。そして、その奥の手である『クリエイトモード』と呼ばれる力で草太(使い魔)の魔法を再現したのだ。

 弾幕同士の撃ち合いになると、草太(使い魔)は不服そうに叫ぶ。

 

「真似事しかできないのか!」

「まあな。それからあんたの真似は飽きた!」

 

 陸途はそう言うと術式を展開した。それは草太がよく知る術式。なのはの術式だ。

 

「ディバインバスターだと!?」

「そういう名前なんだな」

 

 ディバインバスターは草太(使い魔)の肩を掠め、回避し、今度は『ダークインパルス』を放つ草太(使い魔)。

 しかしそれは『トライデントスマッシャー』――――フェイトの魔法により相殺された。

 

「そんな……!」

「弱い。あんたは本当に弱いよ」

「俺が、弱いだと……!」

 

 草太(使い魔)は刀剣を構え、斬りかかる。陸途は同じく刀剣で打ち合う。

 

「あんたはソラをただの人としか見てなかった。目が節穴って思えるくらいに愚かだってことがよーくわかる」

「事実だろが!」

「違うさ」

 

 草太(使い魔)の刀剣は弾かれ、刀剣を持つ腕を斬り飛ばされる。

 

「あいつがこの程度で腕をとられるはずがない!」

「っ、『全てを開く者』!!」

 

 草太(使い魔)が取り出したのは、ソラの『神器』。彼はそれを出したことで優位に立てたと実感していた。

 

「遂に本気にしてくれたな! これでお前も」

「――――クリエイトモード、『全てを開く者』!」

 

 ここで陸途の奥の手が現れる。陸途が創造したのはソラの『神器』だ。

 互いに見せた偽りの『神器』に対して唯一驚いていたのはやはり草太(使い魔)のみだった。

 

「な、なぜお前が神威の『神器』を!?」

「俺の力さ。来いよ、本物の紛い物を見せてやるよ」

「小癪なァァァァァ!」

 

 『神器(にせもの)』と『神器(にせもの)』がぶつかり合う。一合、二合、三合とドンドン打ち合う。

 そして限界に来ていたのは、

 

 ピシッ!

 

「なぜだ……なぜ俺の『神器』が!?」

「お前にソラの『神器』を使う資格はねぇよ!!」

 

 そして『神器』がぶつかると最後に互いの『神器』がひび割れ砕け散った。

 草太(使い魔)は新たな武器を用意しようとしていたが、既に陸途は武器(・・)を握っていた。

 

(なぜ、『全てを開く者』が既に……!?)

 

 そして『神器』は草太(使い魔)の身体をとらえ、斬り裂いた。草太(使い魔)はマリオネットのように崩れ落ちていく。

 

「お、のれぇ……またしても――――」

 

 それを最後に草太(使い魔)は黒い塵となって消えた。

 陸途は周囲の光に呑み込まれると同時に、ソラの心の中から出てきた。それから口から吐血して苦しそうに息を吐く。

 

「さすが、『神器』の創造は厳しいな……」

 

 たった一回(・・)の創造でここまでのダメージを受けるのは想定外である。しばらく彼は動きそうにもなかった。

 

(最後のあれは……あの『神器』は……)

 

 最後に目の前に『全てを開く者』が現れて、手にとった。いったい誰がなんのために自分を味方にしてくれたのかは、既にわかっていた。

 

「……ありがとうな」

 

 聞こえていないかもしれないが、とにかく彼はそう言って目を閉じる。マミが治療に向かい、杏子が声をかけるが彼はしばらく疲れを癒すために眠るのだった。

 




鳳情恭介: 煉獄姫さんの作品のオリキャラ。幻想卿の守護者。比較的まともな主人公。彼の作品のリメイク前ではソラの憧れの男だった。なお、トウカが言ってることはメタ発言で事実であるが、ちゃんとソラと出会っていたという設定はある。

トウカ: 同上。魔王。そしてある意味危険で雷斗の(遊ばれる意味での)天敵となった男。

井ノ原正人: 同上。筋肉信者。

忍術: 忍者が使う能力。

転移: てれぽーたー(笑)

朱野椎: へもへも♪さんのオリキャラ。なんとバックには幻想卿のばば――(ザシュッ)――――失礼。美人なお姉さまがいる。あまり使わない『境界』を弄る能力が活躍し、修羅モードというスーパーマン化できる。ソラの知り合いらしい。(感想欄的な意味で)

佳奈: 同上。椎のヒロイン兼仲間。マヨラーというネタ持ち。マヨネーズを侮辱したものには裁きをという考えらしい。異名はツンデレ佳奈。

剣児: 同上。正人と同じく筋肉信者パート2。衛の同志であり、最高の味方である

催眠: 世界に向けることができる催眠ってスゴいよね

国王会心撃: ドラクエヒーローズの王様の必殺技。あの筋肉から放たれる地割れという天災でモンスターを一掃する

天道陸徒: skyアイスさんのオリキャラ。ソラの知り合いらしい。(感想欄的な意味で)
本来、個人の『神器』は創造すればただでは済まないが、心の中だったので吐血と疲労程度で済んだ。ソラが最後に協力してくれたのかどうかは秘密です

コラボ終了して: 書いていて思ったことは大変だったことと楽しかったことです! なんせ一人一人の設定は面白かったです。

 ……なお、本当にしっかりかけたかどうか不安です。もちろん批判は受け付けます。なぜなら、自分が書いたのがコラボ参加者にとって気に入らない内容だったというのは自分の実力不足ですから。

おもしろおかしく書くとこうなってしまいますが、とにかくオリキャラ達の良さが出せていなかったら、申し訳ないです。ですが、コラボ参加者のキャラはあくまでその作者様のキャラであり、その作品で輝いているキャラです。

彼ら一人一人が主人公であり、そして活躍しているので、もっとこのキャラの良さを知りたい人は参加した作者様の作品をご覧になってください!!

一人一人がとても設定やキャラが良いですから!!
自分という駄文作者より、良いですから!

まあそれはさておき、次回はしばらく休みます。申し訳ありませんが連投連投なのでストックが……。しばらく休んだら再開しますので楽しみに待っていてください。

ではでは~(-.-)Zzz・・・・

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