とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

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連投。スノウバークライトさん、虚無龍さん、ボルテメテウスさんありがとうございます!


第六十二話 コラボっちゃいます(嘘つきと化け物とサッカーしようぜ!! byソラ)

 

 

 腰まで延びた長い髪、肌の色は白く、血のように染まった赤い瞳の少年――――和泉流夜は、一人の青年と対峙していた。

 その少年の傍らには身長は流夜よりも少し低く、腰まで延びた長い薄い茶色の髪をポニーテールにしていた少女――――幾月望がいた。

 

 二人は学生服を着ている。彼と彼女がここに来たのは、偶然の重なりあってのことらしい。そんな二人に対して青年は嫉妬オーラーを向けていた。

 

「おのれ、なぜだ。なぜ世界はこんなまともな女の子を他人に送らせる。なぜ俺だけ変態変人ばかり絡む。妬ましい妬ましい妬ましいィィィィィ!!」

「えっと……」

「この人、なんで嫉妬オーラをこちらに向けているのよ、流夜」

「知らないって。なんか、手を繋いでるところ見られて、嫉妬オーラが出してるのはわかるのだけど……」

 

 知らないかもしれないが、雷斗がこれまで関わってきた女性はだいたい変態変人という特殊な個性がお持ちのおかしいヤツらである。

 幼馴染みが変態になってから、彼が普通の女性と関わることが一切なくなった。

 

 ……ゆえに流夜と望のリア充っぽいコンビに嫉妬しているわけだ。

 

「もう、我慢できない! 全力全開でお前のオリ主(笑)を狩るのを邪魔してやる! 世界中のまともなカップルなんて変態になってしまえ!」

「めちゃくちゃだコイツ! そしてかなり迷惑!」

「そんなことしていたらお前のお弟子さんが手遅れになるわよ」

「大丈夫! あの程度で死ぬように鍛えたわけ――――」

 

 突如、雷斗は吹き飛んだ。草太(使い魔)による不意討ちの魔法だ。

 いきなりの襲撃で雷斗は上空へと舞い上がり星となった……。

 

「星になったわね流夜」

「……なんでだろ。あの人なら、落ちても平気そうな気がしてきた」

 

 流夜はそう呟き、呆れてから、雷斗に不意討ちしてきた草太(使い魔)と対峙する。

 

 流夜は自らの魂を剣にして戦う。そして、剣の名は『魔剣 ガルナダイト』。

 闇と風。この二つが彼が持つ属性だ。

 

 望もまた流夜と同じく方法で、異能で作る剣『炎剣ラグナロク』。炎を剣に纏わせて戦う。

 

 この草太(使い魔)は魔法特化型のように見えるが、宙に二本の槍が浮き上がっている。

 魔法と肉体。幻想と物理の二つを持つ草太(使い魔)だ。

 

「ナゼ、ナゼ……カムイヲタスケル?」

「誰かを助けるのに理由なんかいらない」

 

 流夜は地を蹴り、斬り込む。宙に浮いていた槍が、その斬撃を防ぐと今度は後ろをとった望が斬り込む。

 二本の槍が二人の斬撃を防ぐと、今度は草太(使い魔)の周りから突風が噴き出し、二人を吹き飛ばす。

 

 何事もなく着地した二人は、この草太(使い魔)はやや強いと思う。

 

「鬱陶しいな」

「けど、敵じゃない――――そうでしょ?」

 

 望の言葉に、流夜は笑みを浮かべて答える。いたずらっ子のような笑みを浮かべた彼は、『魔剣ガルダナイト』を振りかざし、放つ。

 

「吹き荒べ! 全てを破壊する黒き風! 【ダークエンド・テンペスト】!!」

 

 闇の風が吹く。目隠しと攻撃を兼ね備えた奥義。草太(使い魔)は砂煙とカマイタチによって、防いだものの、見えなくなった。

 

 砂煙の影から最初に現れたのは、望だった。

 

 炎を纏わせた剣で斬りかかる。二本の槍によって防がれる。キィン!と金属音と突風を起こす。

 

 草太(使い魔)が望の首を掴み上げ、締め上げようとする。その刹那、草太(使い魔)の望を掴み上げていた右腕が切断された。流夜が怒りの形相で斬ったのだ。

 

「俺は、望を守る!!」

 

 腕を切断しても浮き上がっている槍は落ちない。草太(使い魔)は二本の槍を流夜に向ける。

 迫る槍。流夜は目を逸らさず、ずっと見続ける。

 

 そんなとき、槍に落雷が落ちる。雷によって槍は焼却する。

 焼却された槍を驚愕した目で見ていた草太(使い魔)だったが、流夜はそれを逃さず、剣を振りかぶる。

 

 そして、その剣線が草太(使い魔)の首を切り裂いた。草太(使い魔)は黒い塵となって消えていった。

 

「俺の友人を傷つける奴は許さない。誰であってもな」

 

 武器を消して納めてから、ふと流夜は疑問に感じた。

 あの落雷(・・)は誰によって起こされたのか……?

 

「いったい……誰が」

「…………」

 

 望は一言呟いて笑みを浮かべた――――「嘘つき」、と。

 

 

 一方、上空から落下している雷斗は、

 

「……演技って疲れる」

 

 あの草太(使い魔)を誘きだすためにかった役目だが、なんとも馬鹿っぽいのが疲れる。

 

 地に着地してから、囲まれた自分がどう打破するか考えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 月村すずか呆然としていた。雷斗とノエルが去った後、自分にも傀儡兵とゾンビが襲いかかってきたが白髪の腰まで伸びるストレートロング、赤目の女性によって助けられた。

 二十歳を超えるか超えないかの年齢層で、190㎝の身長のため、子どもよりも大人と言われた方がしっくりくる。

 

 なぜ自分が助けたのか聞くと、

 

「幼い少女を助けて愛でるのが生きがいだから」

「どんな生きがいですか!?」

 

 そうこの女性――――アリスは同性愛者でロリコンだった。ノエルより遥かにマシなのだが、やはり少し警戒してしまうのが普通である。

 

 とまぁ、あらかたのゾンビと傀儡兵をバスターソードで駆逐した後。彼女の前に草太(使い魔)が現れる。

 

「一緒に来いすずか。お前は五木に騙されている」

「……草太くん。私はあなたのことがもう信じられないよ。だから一緒には行けない」

 

 草太(使い魔)は鼻で笑って言った。

 

「所詮、化け物は化け物か」

「ッ……!」

 

 すずかは化け物だ。事実であるが、それを面と向かって言われるのは傷つく。自身の秘密を草太を含めたなのは達伝えた。友人だからこそと思って勇気を出してなのは達に打ち明けた。

 けれど、友人だと思っていた人には『化け物』と言われれたくなかった。

 

 すずかの目元が熱くなり、目から雫がこぼれ落ちる。そんなすずかにアリスは頭を撫でて言う。

 

「あんたは化け物じゃない。私がそれを教えてやる」

 

 アリスは二メートルの大太刀をアイテムボックスから取りだし、草太(使い魔)に向ける。

 

「なんだ? 化け物同士の慰め合いか?」

「そうだよ。慰め合いさ。だから言い訳はしない――――私の自己満足の為に死ね」

 

 地を蹴るアリスの脚力は、小さなクレーターができるほどだった。アリスの最初の一太刀は、草太(使い魔)の大きくなった右腕により防がれた。

 

「『巨大』の特性――――それが俺の力だ」

「頑丈な皮膚だな」

「当たり前だ。なんせ、魔女の身体によって作られたから、な!!」

 

 ブンッと腕を振るい、アリスを後方へ吹き飛ばす。そして彼女にその大きな右腕をぶつける。

 アリスは大太刀を盾にしてその打撃を防いだが、その衝撃を受けてしまう。本来なら、アリスはこの衝撃で飛ばされるはずなのだが、アリスは足を踏ん張らせて耐えきったのだ。

 

「なっ!?」

 

 草太(使い魔)は呆気にとられた隙に、アイテムボックスから改造した弾倉20発のセミオート連射可能な『対戦車ライフル』を取り出して、ぶっぱなす。

 腕に小さな陥没ができた程度だが、草太(使い魔)を後方へ吹き飛ばすこと成功した。

 

「あの質量に耐えきるだと!? どんな身体をしているんだ!」

「拳でクレーターができる身体」

(いや、ホントどんな身体ですかアリスさん!!)

 

 すずかは内心ツッコむが、『対戦車ライフル』のツッコミを忘れていた。なんせ、重量からして普通は人間が持ちながら使うことができるない。しかも肩が外れる衝撃があるのにも関わらず、アリスはものともしないで、それを使いこなしていた。

 

 アリスは二、三発撃ち続けるが、アイテムボックスから次の武器を取り出す。

 

「はぁっ!?」

「ぶっ飛べ」

 

 大きさは対戦車ライフルの1.5倍の『対艦ライフル』を放ったのだ。ズドォォン!と衝撃でゾンビや傀儡兵を巻き添えで草太(使い魔)の姿が見えなくなった。

 

 消し飛んだと思われたとき、アリスの付近に円上の影ができる。すずかが嫌な予感がしたとき、アリスに大きな足が落とされた。

 草太(使い魔)が七メートルの巨人になったのだ。

 

『ナメるなよ女ァァァァァ!』

 

 アリスは潰された。踏まれた一撃でアリスの身体はペシャンコだった。大きくなった草太(使い魔)の質量に、さすが耐えきれなかった。

 

「あ、アリスさァァァァァん!!」

 

 アリスの死にすずかは泣き叫ぶ。そんなすずかに対して笑いながら、草太(使い魔)の次なる獲物を決めた。

 もう彼には正気という文字はなかった。草太(使い魔)がすずかをアリスのようにしようとした刹那、彼がバランスを崩したのか膝についた。

 

 何事と思い、バランスを崩した原因を探りだすとなんと一人の女性が立っていた。

 それは確かに肉塊に変えたはずの女性――――アリスだった。

 

『なぜ貴様が!』

「私って、頭を吹っ飛ばしても心臓が残っていれば復活するし、心臓を破壊した程度では口から血を吐きながらでも戦える身体なんだよ。『ガストレア』をナメるなよ」

 

 アリスはほんの数秒の間、再生して復活したのだ。再生してから、彼女は大太刀で彼の足首を切り飛ばし、バランスを崩させたのだ。

 

 草太(使い魔)が彼女に左拳を降り下ろそうとしたとき、アリスも対抗して本気の拳をぶつけた。その瞬間あと、草太(使い魔)の拳が花火のように砕け散った。

 

『ギャアァァァァァ!?』

「いくぜー。怒濤のドリームコンボ!」

 

 右足の健を切り裂き、右腕を切り裂き、とどめに顔面を縦から切り裂く。

 痛みのあまり草太(使い魔)は巨人化を解除してしまい、宙にいた彼にアリスは顔面、腹部、肩など拳をいれていった。

 地面に叩きつけられ、彼は瀕死の身体だったが、生きていた。

 

「き、き貴様ァァァァァ!!」

「食らって、喰らって、貪ってやるよ!」

 

 宙にいたアリスが真の姿を現した。彼女は『ガストレア』という化け物だ。

 普段は人型なのだが、その真の姿は九本の尻尾を生やし、翼を羽ばたかせるドラゴン。

 

 彼女はドラゴンとなって彼をつまみ上げて、宙へ投げ出し、そしてその大きな口を開いた。

 

「やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろォォォォォ!!」

 

 草太(使い魔)は恐怖のあまり、泣き叫ぶがアリスの口は無情にも閉じられ、ブチュリ!と嫌な音を立てて喰われた。

 アリスはしかめ面をしながら、咀嚼してから呟く。

 

『マズゥ……』

 

 嫌そうな顔をしているが、まあ何はともあれ彼女は草太(使い魔)をマミらせた。

 勝利したのだ。すずかはその姿を見て、

 

「……あれが本当の」

 

 ――――化け物。そう呟くが、そのドラゴンのあり方にすずかにはとても美しいと思えた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ノエルさんが……」

『え?』

 

 ドラゴン化したアリスによって、着陸で潰されたゾンビや傀儡兵だけでなく、ノエルも巻き込まれていた。

 ……アリスと違って五体不満足な状態で失神していたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 友江さやかは結界を破ることができた。他のみんなも閉じ込められた結界から抜け出したが、どこか上の空だ。

 自分が信じていた――――いや、信じられていたものが決壊し、彼女は迷いながら歩いていた。

 

 そんな彼女にゾンビや傀儡兵もなぜか襲ってこない。彼女を敵として認識されていないがゆえである。

 

(あたしは草太が好き。好きなのに……なんで、アイツはあんなことを)

 

 キアラを殺そうとしたことがいまだに信じられない。魔女化()()()()()()()自分を助けてくれたのに、どうして彼女を……と考えたとき、また違和感が出てきた。

 

(救われた……? ホントにあたしは魔女化しなかったの? なんで、あたしはそんな大切なことを疑っているの?)

 

 草太を信じたい。疑いたくない。けれど、いまだに違和感が拭いきれない。

 自分を助けようとしていた少年は、本当に天宮草太だったのだろうか。

 

 そんなとき、彼女の前に草太(使い魔)が現れる。

 

「草太……」

「気にする。これも全て神威の策略だ。だから、一緒に戦ってくれ」

 

 さやかへ手を伸ばされる。

 さやかはいまだに納得していない。けれど、彼の言葉を聞いてそんな迷いが薄れていき、そして――――

 

「ふざけるな……!!」

 

 

 草太(使い魔)はぶん殴られた。何度もバウンドしていき、その果てに岩石に激突する。彼を殴ったのは、腰まで伸びた赤い髪の少年。背丈に合わない着物をという特徴的な少年――――音無シチカだ。

 その傍らには、金髪の少年――――タツミと同じく髪が金色の獣っぽいお姉さん――――レオーネがいた。

 

 いきなりなんだ!?とさやかは警戒心を露にしていき、『神器』を召喚しようとする中で、召喚するその手を何者かが止める。

 キアラだ。

 

「落ち着きたまえ友江さやか。彼らは悪いものではない」

「でも! 草太が……!」

「目を覚ませ……と言いたいが、とにかくこの戦いを見ておけ。彼らとヤツの違いを、な」

 

 草太(使い魔)の手には、槍が握られていた。魔槍『デススピア』。

 必殺の一撃のある槍だ。この槍は必ず相手を殺せるという概念が込められている。

 

「俺の『創造』の力。お前なんかには負けないぞ」

「やってみろよ。……タツミ、レオーネ。手を出すなよ」

 

 シチカは剣呑な目で魔槍を向けて、迫る草太に立ち向かう。槍の打突は回避され、シチカは槍柄を掴み奪い取った。

 そして槍を破壊する。

 

「脆いな」

「まだまだぁ!!」

 

 今度は槍だけでなく、剣も創造される。それが宙に浮いて一斉にシチカに向かう。

 それらが一斉に射出されていき、シチカはやむ得ず回避に移る。

 

 最初は避けていくことができたが物量によりドスドスとシチカに槍と剣が突き刺さっていく。身体がハリセンボンのようになっていくシチカを見て草太(使い魔)は鼻で笑う。

 

「この程度か。笑わせてくれる」

「……めんどくさい」

「なっ――――」

 

 普通ならば死んでもおかしくないところなのだが、シチカはなんともなさそうに突き刺さっていた武器を抜いていった。

 

 これが彼の帝具『エンジェルビーツ』。そう、彼はこの帝具が有るがゆえに死なない『人外』なのだ。

 

「化け物か!!」

「うるせぇな。お前が言うなよ」

 

 ズダンッ!とシチカは消えた刹那、草太(使い魔)の背中に衝撃がはしる。背後からの奇襲をもろに受けて、草太(使い魔)は一瞬怯んだもののすぐに同じように武器を創造して射出した。

 シチカは今度は避けず破壊していく。何千何万の武器が破壊されていく。

 

「なぜ最初は避けなかったんだろ?」

「めんどくさかったからじゃないの?」

 

 さやかの呟きにレオーネが答える。事実である。彼は基本めんどくさがりなのだから。

 

 自慢の武器が破壊されていく中で、草太(使い魔)は今度は魔力弾を散発弾のようにして放つ。しかし、全て回避され、草太(使い魔)は上空へ蹴り飛ばされてしまう。

 

「サッカーしようぜオリ主(笑)~」

「なんだ――――ゲバッ」

「ボールはお前だけど!」

 

 パースッと言わんばかりに、草太(使い魔)はレオーネに向かって飛んできた。すると、レオーネの目が暗くひかり、タツミがいるところまで思いきり、草太(使い魔)を蹴った。

 

 ここでタツミも同じく蹴る。まさしく三人で行うドリブル。ボコボコになったところで、シチカは踵落としで草太(使い魔)を叩きつける。

 

「お、が……ァァァァァあ!!」

 

 草太(使い魔)は弄んだ三人に対して怒りの雄叫びをあげる。しかし、上空にいたシチカを見て恐怖に染めた顔になった。

 そう、身体を捻り拳を相手に突き出す技。筋肉や防具など、間に挟んだ物には損傷を与えず、好きな位置だけに衝撃を伝えることができる『虚刀流四の奥義』――――名は柳緑花紅(りゅうりょくかこう)

 

 その構えをとり、地面にいる草太(使い魔)に向けて、放つ準備に入っていた。

 

「これで、」

「待て、待て待て待て待て待て待て待て待て待て待てェェェェェ!!」

「仕舞いだぁぁぁぁぁ!!」

 

 首を振る草太(使い魔)に、シチカの奥義が頭上より決められた。その影響で、地は陥没し、クレーターができた。

 

 草太(使い魔)の頭はザクロが落ちたかのようになった……と追記しておく。それ以外は語ることができないくらいのひどい有り様だった。その死体は黒い塵となって消えていった。

 

「草太……」

「見たまえ。ヤツのの最期はどうだい。なんと浅ましいことか」

「そんなの誰だって……!!」

「ふっ、誰だってなんてあり得ないさ。わたしの知る限り、その男はヤツのような浅ましいこと言わずに最期まで立派だったよ」

 

 今は眠りについた彼のことだ。そう、さやかは知っているはずだ。

 ほむらに殺されてしまうとき、彼は最期まで何をしていたのか?

 

――――命乞いをしたのか?

――――助けを呼んでいたのか?

――――泣き叫んでいたのか?

 

 彼は――――ソラはそんなことをせず、最後まで戦おうとしていた。ほむらを助けようとしていた。

 結果、死んでしまうことになっても彼は笑顔で逝った――――そうじゃないか。

 

 そう思うと、さやかの目から涙が溢れる。そして呟いた。

 

「……そう、だったわ」

「思い出したか? 全てを」

「あ、あたし……ソラに、なんてことを……」

 

 涙を流す彼女にキアラは抱き締める。

 

「……しばらくは後悔しておけ。そしてそれが済んだら、ソラに謝ってこい。キミにはその義務が残されている」

「……う、ん」

 

 さやかは泣いた。後悔して、反省して、泣いた。

 全てを思い出した彼女は、彼に対して、もう謝罪しかすることがなかった――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……MVPの俺を差し置いてしんみりしているなぁ」

「店長、それよりゾンビと傀儡兵をぶっ飛ばしましょうよ!」

「ヒャッハー!!」

「……あれ、レオーネって『ヒャッハー』言うキャラだっけ?」

 

 レオーネが謎の電波を受信してしばらくおかしくなったらしい。

 

(※その後、元の世界に戻ると元に戻ったそうな)

 

 




和泉流夜&幾月望: スノウバークライトさんのオリキャラ。まどマギでも活躍していたが現在はオリ小説で奮闘中。雷斗の演技に気づいていたのは幾月のみだったのは、単に経験(幾月の組織関係)だったから。流夜も腹の探り合いという経験があれば気づいていたかもしれない

浮遊: あらゆる物体を浮遊させる能力。ふわふわの実(笑)

アリス: 虚無龍さんのオリキャラ。しかしこのアリスさんはバッドエンドを歩んできたため、やや悲しい設定らしい。龍化ということでとどめをさしたが、ついでにノエルもとどめをさしている。……わざとではない

巨大: 大きくなる能力。そういえばウルトラマンセブンも巨大化できていたような……

音無シチカ: ボルテメテウスさんのオリキャラ。レオーネが世紀末化していたのはノエルの空気にやられたから。まあでも正気に戻るのも早かったので安心。虚刀流を上手く書けたのかどうかが自分の不安でした(-_-;)

創造: あらゆるものを創造できる能力――――なのだが、屑宮の創造ははっきり言って三流なのでものすごく弱い。銅剣でも互角レベル(笑)

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