とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

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連投。……地味に疲れたので一日休んで、次回も連投にします。

すみませんm(__)m


第六十話 コラボっちゃいますその三(やりたい放題なコラボキャラ)

 

 

 『終焉龍の籠手(エンドレス・ギア)』。このセイクリッド・ギアは『Endless』の音声で任意の対象を強制的に『終わらせる』能力だ。

 

 『終わり』とは様々な意味がある。

 

 目標を達成にした『ゴール』。

 大切な人との別れの『別離』。

 生物の最終的な終点の『死』。

 

 そう、『終わり』とはそれぞれ意味がある。『終わり』のあっての『始まり』があるのだが、このセイクリッド・ギアには『終わらせる』ことしかできない。

 

「光よ!」

 

 弦夜と戦ったような闇の触手とは別に真っ白な光線が地を蹂躙する。一誠は戦いの経験による回避で、全てを躱しきっていた。

 

「悪魔は光が弱点だろぉ!? だったら『狂光』に当てれば狂う前に、死んじまうなぁ!!」

 

 『狂光』――――ダメージを与え、理性を無くす凶悪な光魔法。

 この草太の特性は『狂気』と見ていい。狂っている証拠にめちゃくちゃ乱れ撃つ。

 

「ほらほら、逃げてばっかじゃ意味ないぜぇ!」

「やかましいなぁ」

 

 一誠はただ避けているのではない。彼が大きな隙を作るのを待っていた。『狂気』の草太が『狂光』を放ち、そのインターバルを狙って、『Endless !』と右の籠手が唸る。草太は再び、『狂光』が出せなくなった(・・・・・・・)

 

「…………は?」

「本気でいくわよ」

 

 禁手化(バランスブレイク)した一誠は、赤と黒が混ざったスリムな鎧を身に纏った。

 

 草太は『狂光』が使えなくなったことを知るや否や、他の魔法を使い始める。

 火、水、雷、風、地。自然界のありきたりとも言える属性の魔法を乱雑に撃ちまくる。

 

 しかし、草太の魔力が唐突に『終わらされた』。

 

「なんで、ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデェェェェェ!!」

 

 遂に全ての魔法が使えなくなり、草太は拳で一誠に殴りかかる――――が、容易に受け止められた。

 

 彼女は『終わらさせている』間に、どんどん倍化を繰り返しており、展開しておいた終焉龍の籠手や自身の魔力へと力を譲渡していた。

 

 禁手化して、約数十秒。その間で、約三十回の倍加が終わっていた。相手の行動を制限しつつ、強化した魔力が手に見えるくらいに現れる。

 その手はドッジボールくらいの大きさの圧縮された魔力が込められていた。

 

「くらえ!」

 

 至近距離からの、天体魔法を撃ちまくる。それはもう相手が哀れに想うくらいの蹂躙劇である。

 

 大量の魔法を使っての攻撃。その結果、草太の形をした使い魔が黒焦げの果てに、黒い塵となって風になって消えていった。

 

「不死鳥と龍。この世で最も敵に回してはいけない存在を敵に回したことを後悔しなさい」

 

 そのセリフと共に鎧は解除された。彼女はフゥと息を整える。少しばかり張り切りすぎたようだ。

 そんなとき、ヴァーリを閉じ込めて結界がひび割れ、そこから『使い魔だったモノ』が吹き飛んできた。

 それは自分より小さくなっており、一誠が倒した者と同じように黒い塵になった。

 

「ふん、大層な口を言っていたくせにここまでか」

「お疲れヴァーリ。怪我はない?」

「まあね。さてと……」

 

 ヴァーリが一誠に抱きついた。ビクッと一誠は反応するも、それを受け入れた。

 

「も、もうヴァーリ。こんなところで……あん」

「ふふん。口では言っておいて身体は正直だぞ?」

 

 ヴァーリは草太という害虫に散々なことを言われて、癒しを求めていた。その結果がセクハラに繋がるのは、不明なのだが。

 

「こんな人の目がある前でぇ……」

「だから燃え上がるじゃないか」

 

 ヴァーリと一誠の唇が近づき、そして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『キマシタワー』!!」

「「ッ!?」」

 

 一人の女性の叫び声で高ぶっていたモノが萎えた。

 

「いけませんわ! そんな往来の場でエッチぃことして、なおかつ女の子同士なんて背徳的ですわぁ! ワタシには激しすぎますわ!」

「……いつから復活してたの?」

「え、最初から。まーさーかー、こんな往来の場でエッチぃことするなんて、もしかしてイッセーちゃんって結構ムッツ――――」

「消し飛べ!!」

「みぎゃあぁぁぁぁぁ!! ありがとうございますゥゥゥゥゥ!!」

 

 悪は滅びた。いや、ぶっ飛ばされた。一誠の魔力砲撃で。

 まあ、ノエルにとってそれはご褒美なのだったりするが、一誠はすぐに周りを見る。

 やはり、ゾンビや傀儡が溢れかえっている。

 

 彼女は嘆息を吐きながら、気を取り直す。

 

「後で埋め合わせしてもいい?」

「いいぞ」

「それじゃ――――今こそ裁きの時『妖精の法律(フェアリー・ロウ)』!!」

 

 とある異世界では最強とも呼ばれる魔法がゾンビと傀儡兵に襲いかかる。彼女達の戦いはまだまだ続く――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、雷斗は傀儡とゾンビを殺りながら、空に飛んで気持ち良さそうな顔をしているノエルを見ていた。

 

「何やってんだアイツ?」

 

 どうせあの巨乳の茶髪少女に変なこと言ってぶっ飛ばされたんだろーなぁ、と呟きながら彼は目の前のゾンビと傀儡兵、そして使い魔を睨み付ける。

 

「うげぇ……悪魔のヤローが後ろに下がったせいでなんか余計にややかしいことになってきたなぁ」

 

 ゾンビと傀儡兵。確かに駆逐しているが倒せば倒すほど、増えているような気がする。おそらく『増殖』の特性がある使い魔がどこかに潜んでいるはずだ。

 

(木を隠すならば森の中って言ったところか。さて、ここをどうする……)

 

 そんなときだ。黒髪と瞳、黒ジーパンと白いパーカーを着る。そして、十字架のネックレスを付けている男――――岩谷正輝が、雷斗の前に立つ。

 

 信用できる人以外にはほとんど無口と無表情な彼だが、雷斗に初めて声をかけた。

 

「……いけ。ここは任せろ」

「…………」

「心配する必要はない。お前が成すべきことをすればいいだけだ。――――いけよ。お前の大切なモノだろ?」

「……感謝する」

 

 雷斗が金色に光だした刹那、ゾンビと傀儡兵を抜け、彼らの後ろにいた。

 そんな軍団は雷斗を阻止しようとした刹那、大量の武具によって串刺しにされた。

 

「自分と家族と仲間は大事にしなくちゃな。だから助けてやるよ」

 

 使い魔は無言のまま、目を瞑り、目を開いた瞬間あと、正輝は右へ飛んだ。嫌な予感がして飛んだのだ。

 その直感が正しかったのはすぐに理解した。なんと正輝がいた場所が爆破されていたのだ。

 

 『爆裂』の特性を持つ使い魔。どうやら正輝の相手は爆破を使うようだ。トリガーは普段閉じられた目が開いたときのようだ。

 

 閉じられていた目が再び、開いた。正輝はまた回避したが、ゾンビと傀儡兵が襲いかかる。彼は舌打ちして『王の財宝』から取り出した聖剣で対応するも、使い魔の視線の先には正輝は立っていた。

 

「ッ……!」

 

 使い魔はゾンビ達もろとも正輝を爆殺するつもりのようだ。そして、目が開かれ、正輝は爆破によって姿が見えなくなる。

 使い魔の能面の顔は喜色あるように見えるのは気のせいではない。

 

「甘い」

 

 使い魔の頭に『!』マークがついたとき、正輝は動いていた。彼のもう一つの力――――Dーダグスが発動していた。

 

 Dーダグスというのは周りにある怒りと悲しみなどの負の感情を吸収し、エネルギーに変え、力に変えるモノだ。

 Dーダグスの姿はNARUTOのイザナギのような状態であり、ドラゴンの姿をしている。

 

 その力を解放した状態で、彼は姉によって変えられた設定で防御の特典を発動して防いだのだ。ちなみに、なぜ姉の特典とも言える『全設定変更』が使えるというのは、『抑止さん』の計らいである。

 

「もう躊躇なく殺るとするか」

 

 その宣言通り、シャドー・という技を使って影分身を作り出し、姉の全設定変更を使って草太(使い魔)の設定をlevel1状態まで弱体化させた。『是 射殺す百頭』でぶちのめし、『王の財宝(姉の特典で正輝の特典の武器を非殺傷設定にさせるがダメージは相当なもの)』を死なない程度に滅多刺しと滅多斬りを開始。

 

 草太(使い魔)はやっと能面の顔から苦痛であがく醜いものへと変貌した。

 

 そして最終的に、Dーダグスで敵を動けなくさせ、ゼロ距離から改悪化『約束された勝利の剣』に『天地乖離す開闢の星』の発射準備をさせたシャドー達に号令をかける。

 

 放たれたオーバーキルにより、最後に草太(使い魔)は「なぜ、負けた……」と呟いて黒い塵となっていった。

 『無血の死神』という英雄の称号を奪った草太(使い魔)に、消えていった彼に向けて、正輝は言った。

 

「俺は所詮英雄殺し。それ以上もそれ以下もない」

 

 皮肉にも『英雄』と自分で語った罰を裁かれるかのように、彼はそう呟いて、背中を向けてゾンビと傀儡兵を蹂躙し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ、なんでこっちに砲撃くるのー!?」

 

 ノエルにガンガンと砲撃が飛んでくる。【S2機関】と呼ばれる『つおいビーム』なのだが、なぜか彼女に向かって飛んでくるのだ。

 プラズマは意図してやっていないが、遠距離からの『なのです無双』にヒャッハーしていたのである。

 

 善意悪意お構いなしのトリガーハッピーをしていたのだ。

 そしてなぜか的がノエルになっている。目立つエメラルドヘアーが原因だったりする。

 

「敵も倒しているのがたちが悪い! っと!」

 

 草太の形をした使い魔が斬りかかる。ノエルはその場を後退し、彼の剣をじっと見ていた。

 

(……『概念殺し』が込められている剣。『殺害』の特性のある使い魔かな)

 

 雷斗の電波による通信で事前に情報は渡っていた。人それぞれにある耳から脳に伝わる伝達電気と波長を合わせることで通信ができる。

 当然、それは遥かに難しいことだ。なにせ、言語を解釈させるための演算能力だけでなく、効果範囲を従順承知していなければならない。

 

 まあ、なんにせよ。ノエルの目の前に相手は天敵と言ってもいい。

 

(ワタシってある意味概念に近いものだからねぇ。あれに斬られたらしばらく動けなくなりそうだし)

 

 ノエルはキョロキョロと戦ってくれないかなぁ、美女のために殺り合ってくれないかなぁという人を探す。そして見つけた生け贄(助っ人)は、

 

「田中光輝くん! 君に決めた!」

「有里零だ!」

 

 軌跡シリーズのロイドと仮面らいたのフィリップを足して2で割った感じの少年をどこから、借りた猫のように使い魔の前に出す。

 使い魔は無言のまま斬りかかるが、そこを日本刀で受け止める。

 

「おぉ! アドリブなのに合わせるなんてスゴイスゴーイ!」

「……絶対、後でシバく」

「それは楽しみ❤ んじゃ、アディオス! ノエルちゃんは華麗に去るぜ!!」

 

 「にょほほほほほほほっ!!」と笑いながら逃走したノエル――――に、プラズマのレーザー砲撃によって吹き飛び、『スタープラチナ(スタンド)』によってとどめをさされていた。

 どれも艶のある声で殺られていた辺り、ヨカッタのだろう。

 

 零はそんなノエルに対して深く考えないようにした。

 

 鍔ぜりに合っていた日本刀で草太(使い魔)を飛ばし、剣道の『引き面』の用法で斬りかかる。しかし、それは常人離れの回避能力により、躱され、草太(使い魔)が斬りかかる。

 この使い魔の一太刀一太刀は必殺の概念が込められている。よって、零が持っている日本刀を対象に入れば、その日本刀は『殺される』。零は日本刀で受け止めるつもりはないのか、構えず、ただ彼の剣が迫るのを待っていた。

 確かにこの一太刀を日本刀で受け止められなければ、まず『殺される』ことはない。しかし、剣は剣。斬られれば無傷とはいかない。

 

 零に迫る剣。それは彼の背後にいた『ナニカ』が代わりに受け止めた。

 

 物理攻撃と雷を主に使う『ペルソナ』――――名は『イザナギ』。そのペルソナを発動させた零は、草太(使い魔)をペルソナで殴り飛ばした。

 

「さあ終わりの時だ。蹂躙される覚悟はできたか?」

 

 その言葉と共に、零はカードを取り出す。『クラスカード』と呼ばれるそれを使うことで『英霊』の力が得られる魔術霊装だ。

 

「『クラスカード、インストール』――――『アーサー王』!!」

 

 インストールされたカードの力により、アーサー王の力を得た零は迫る草太(使い魔)に向けて黄金の剣を降り下ろした。

 

勝利する剣(エクスカリバー)!!」

「ぎぎゃあぁぁぁぁぁ!」

 

 草太(使い魔)は黄金の光に飲み込まれていき、そして黒い塵となって消えていった。

 残された彼は、

 

「目には目を。歯には歯を。悪には虚無の終わりを」

 

 そう言って消えていった使い魔に背を向けるのだった。

 

 




兵藤一誠: 友夏さんのキャラ。原作通りの赤龍帝と終焉龍の籠手というオリジナルセイクリッドギアを持つ少女。別の意味でおっぱい魔神……あ、ちょ、ヴァリ子さん。謝りますから魔力砲撃うたな――――(ジュッ!)

ヴァーリー: 原作通りの容姿なのだが女の子。……まさかの一誠の恋人。ノエルがキマシタワーと叫んだが否定はできない……あ、ちょ、一誠さん。そんな大きなオーラの弾をなげな――――(ジュッ)

『狂光』: 威力は小さいが、相手を狂わせることができる力。……使いようによってはチートなのに

岩谷正輝: 斬刃さんのオリジナルキャラ。英雄殺しという異名は伊達じゃない

『爆裂』: 爆破の力。ボンバーマン?

有里零: ストライクフリーダムさんのオリジナルキャラ。ペルソナが上手くかけなかったが、クラスカードはできましたよ! ……いやホント申し訳ないです。



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