とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

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感想欄の皆様がオリ主くんを殺りたい、潰したいこと……。
どんだけアンチするんだー(棒読み)

ではどうぞ。


第五十一話 だってあたしって馬鹿だから

 

 

 

 

 帰り道。オレは一人ぼっちで帰っていた。

 久しぶりの孤独の下校だ。まあ、何年も一人ぼっちだったから慣れてる部分があるかもしれない。

 

「……はぁ」

 

 なぜ『神器』がオリ主くんに奪われたのか。

 なぜオレの立ち位置が『踏み台』になったのか。

 

 考えるべきことが多くある。まず女神に連絡しようと通話してみたが、ノイズによって繋がらなかった。

 確か、ある空間では前世でもまどかが携帯を繋げようとしたことがあったが、同じようにノイズによって繋がらなかった。

 

 よってオレは推測したのが――――

 

「『魔女結界』」

 

 魔女のプライベートルームであり、胃袋。おそらくその結界と同じような空間にいるのではないかとオレは思った。

 

(『抑止の存在』が何も反応を示さないということは許される力を使ったからか? こんな今まであったことをすり替えるようなことが)

 

 今まであった『真実』がなかったことにされ、そして新しく作り出された『嘘』によってすり替えられたということになる。

 それはほむらの『叛逆』の力以来の概念干渉に違いない。

 

 オレはふと路地裏に目を向ける。さっきから何者かがオレの後ろをつけている。

 誰かは知らないが、とにかく誘い込むかと考える。

 

 オレは路地裏に足を運ぶ。人の気配がなくなり、感じるのは三人の気配だ。『神器』が奪われたとは言え、今まで得た経験は奪われなかったようだ。

 

「……出てこいよ」

 

 オレの後ろには三人の女性管理局員。おそらくオリ主くんの刺客だろう。

 そいつらはデバイスを構えて、オレに向けていた。

 

「神威ソラだな」

「そうだけど?」

「隊長の命によりお前を排除する」

 

 まとめ役らしき管理局員が魔力弾を放つ。跳躍したオレは壁に足をつける。魔力を使った忍者と同じ吸着術だ。

 

「お前らは何言ってるんだ? こんなところで人殺しをしてなんとも思わないのか?」

「隊長の言葉は絶対だ。お前のような害虫を殺したところで何も思わない」

「ひどい女」

 

 また弾がオレに飛んでくる。

 それを回避するごとに壁を破壊する。破片が飛び交い、オレは三人の管理局員の視線を外さなかった。

 

 武器がない。手にはランドセルしかない。さて、地面に落ちていたらいいのだが、その隙を与えないようにドンドン撃ってくる。

 遂にはひとけのない広場まで出た。

 

 三人の局員は勝ったと思わんばかりに笑う。そんなとき、剣が局員の前に突き刺さる。

 サーベルだ。サーベルが三人の前に刺さっている。

 

 その一瞬怯んだ隙に、サーベルを引き抜き、三人のうち二人を斬る。

 肺から息を出して二人は倒れ、まとめ役の局員がこちらにデバイスを向けてきた。

 

「貴様ァァァァァ!」

「遅い」

 

 斬撃の嵐を局員に与える。手足を切り裂き、デバイスもバラバラにしてとどめに、「ヒィ」と言うまで目の前まで剣先を突きつける。

 局員はブクブクと泡を吹いて倒れるのを確認してから、サーベルを突き刺してくれた少女に声をかける。

 

「そういえばお前ってまどか達と一緒にいなかったなぁ。なんでだ?」

「そりゃあ、オリ主くん(・・・・・)といるあの子達がおかしいからよ」

「じゃあ、なんでお前はオレのことを覚えている? みんなが忘れているのに」

 

 彼女はいつものようにオレに話しかける。そして笑って話しかけてくれた。

 

「それはあたしが馬鹿だからよ」

 

 答えになってねーよ、なあ――――さやか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さやかに案内されて訪れたのは、どこかの建物だ。潰れた企業のビルで、そのオフィスには知らない少女と知ってる少女がいた。

 

「やあ、『無血の』」

「キアラ。お前も覚えて……」

「当たり前さ。あんな三流エリートが英雄など断じて認めない。わたしは貴様以外を『無血の』とは認めないのさ」

「どうやってオレのことを……?」

 

 キアラが答えてくれたのは、彼女とさやかがどのようにしてオレを覚えてくれたのかということだ。

 まず、彼女は世界に何かが起きたと感じて違和感が感じた。そして仕事中にオリ主くんの資料を見て、違和感が確信へと変わったらしい。

 『無血の』と呼ばれているのはオレだけなのに、オリ主くんは一応苗字呼びだったのだ。それによってオレのことを思い出した――――ということらしい。

 

 どうやらこの違和感がオレを思い出させるキーパーソンのようだ。

 

「ちなみにさやかは?」

「え、普通に覚えてたんだけど? いきなりオリ主くんの家になって荷物を持って飛び出したよ」

「お前、規格外過ぎないか!?」

「わたしもそう思うよ。世界改変をされても彼を覚えているとは……」

「いやぁ、だってあたしってほむらが世界改変したときでも使命を忘れさせられたけど、アイツが敵だってことを覚えていたもん」

 

 さやかの規格外さに全国の主人公もびっくりである。こいつって実はヒロインより主人公に向いてないか?

 

 それよりも、だ。

 

「この白銀少女は誰だ? なんかどっかで見たことあるんだけど」

 

 先ほどから立ちながら居眠りしているこの少女のことをいい加減に聞きたかった。

 

 鼻提灯が割れて、目を開けた少女はオレと視線を交わして、ガバッと飛びかかってきた。

 いきなりの不意打ちにオレは避けることができず、彼女に押し倒された。

 

「なんだなんだぁ!? いきなり何してんだお前!」

「パパだ~♪」

 

 パパだと!? え、パパって誰なの!?

 さやかとキアラの視線が交差すると、そんなオレの疑問に答えるかのように全員にオレに人指し指を向けられた。

 

「ちょっと待て。オレは前世も今も子作りしてねぇぞ!?」

「安心したまえ。彼女はわたしとキミの未来の娘だ」

「違うわよ。この子は超絶美少女であるさやかちゃんの愛娘よ」

「不毛な喧嘩するなよ!」

 

 バチバチと火花を散らして睨み合う二人にオレは制止を促す。こんなところで争っている場合じゃねぇだろ。

 それにしてもこの子がまさかオレの未来の娘とは……。

 

 歳はオレと同じくらい。

 白銀の髪の毛に、ゆったりとした目付き。華奢のように見えて実はしっかりと年相応な肉付きがある。

 そして瞳がオレと似ている。オレの深海の色に対して、彼女の場合、スカイブルーという色がしっくりくる。

 

「いったい誰との子だ?」

「にゅふふふ……秘密だよ。あぁ、幼き頃のパパの匂いだぁ……♪ クンカクンカして、ペロペロして、チュパチュパしていい?」

「判明した。お前、変態だろ。あと、離れろ変態」

「変態とは失礼な。ぼくはその後ろに淑女をつけてよ! もしくはマダムでも可!」

「どのみち変態じゃねぇか!!」

 

 あいつだ。あいつしかいねぇ……。

 まどかの場合ならば、(外も中身も)頭はピンクだし。

 ほむらの場合ならば、オドオドした感じがありそうだ。

 

 よってこいつはオレと千香の娘になるだろう。確信ではないが。

 

「というキアラお母さんもさやかお母さんもケンカしてないで一緒に、パパのパンツをクンカクンカしようよ!」

「匂いフェチではないが……よかろう。娘の頼みであればやってみせよう」

「いや、するなよ! そして気づけよ。これは『変態の罠』だってことを!」

「うるさい。今まで決して登場できなかった鬱憤でもなければ、リメイク版ではヒロインですらなれなかった怨みでは決してないぞ。これは娘との交友を深めるための儀式――――そう親子愛なのだ!!」

「どこがだよ!」

 

 父親のパンツをクンカクンカする親子愛あってたまるか! それとメタい私怨が理由だろ絶対!

 というか、さやか! お前もなんで協力して羽交い締めにする!

 

「え、だってアンタを犠牲にすればスムーズに事が運ぶでしょ」

「その代わりにオレがお婿にいけなくなっちゃう!」

「大丈夫! そういうときはあたしがアンタをお嫁さんにする!」

「さ、さやかくん……! ……ってなんでお嫁さん!?」

「いつもまどかが嫁、嫁って言ってるから、もうアンタが嫁でもモーマンタイでしょ」

「問題ないじゃねぇよ! それ、男として終わってるだろ!」

「後、本音を言わせてもらうとめんどくさいから、もう成りゆき任せの大作戦というあたしの思考パターンが発動したからよ」

「それって単なる思考放棄じゃねぇ! 最低だろ!」

 

 感動していたのに! 返せ。オレのジーンときた感動を返して!

 おのれ、アホのさやかめ。どこまでもお馬鹿属性を貫くのか!

 

「さて、」

「そろそろ」

「「ヤ り ま す か ❤」」

「いやあァァァァァ! ケダモノォォォォォ!!」

 

 遂にケダモノ二匹がオレのズボンに手をかけ、そして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※『見せられないよ!』な展開が起きたため、お待ちください(笑)

 

 

 

 

 

「うぅ……」

「いやぁ、良い匂いだったよお♪」

「ふむ、なかなか興味深い趣向だった。クセになりそうだ」

「おぉ、キアラお母さんが同志になりそう! あ、でも未来(アッチ)でも変わらないか」

「おや、未来のわたしはどんな変態なのかね?」

「運動したパパに抱きついて匂いを堪能している狼ッ娘」

「よろしい。今日からわたしの性癖は匂いフェチにしよう」

「それにしてもパパのぞうさん大きいねー♪」

 

 ……何も言うまい。もう、しゃべりたくないのでスルーして空気になろう。

 

「うーん。それにしてもなんであたしだけがソラを覚えていたのかなぁ」

「まだ悩んでいるのかい?」

「たぶん、パパやママ達はこう言うよ。なぜなら、さやかはアホの子だから」

「失礼な。あたしはアホじゃないわ」

「じゃあ、何かな? もしかして伝説の勇者でも言いたいのかね?」

「そんな大層なものじゃないわよ。『だって、あたしは馬鹿なのだから』。これで充分なのよ」

「それも大して変わらないのでは……?」

 

 とりあえず、オレをディスってるこいつらにはいずれにせよ、裁きを与えたい所存です……。

 




局員ズ:噛ませ犬の女達。天宮草太の忠実な捨て駒(笑)

友江さやか: 我らの希望。ほむらの『叛逆』の力を使われても彼女を敵だと認識していたため、彼女には『世界改変』に耐性があった模様。おそらく、主人公になれる素質がある

キアラ: ニオイフェチ化。よくよく考えたら眼帯の娘って狼っ娘的な女の子が多いのではないだろうか?

白銀の少女: ソラの未来の娘。誰との娘なのかは語るまでもない。知りたければ次回を待っていてほしい……(遠い目)

ぞうさん: ぱおーん。……すみません。下ネタですm(__)m

現在の状況: ソラは一人ではなかった。これは希望に繋がるカギである。しかし同時に絶望に繋がるカギでもある――――え、どうしてこんなこと言うかって? それはこの作品はまどマギ要素があるからさ(byノエル)

次回: シュミレーション。ソラの変態化が想像の中で起きてるんだ!!

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