A memory for 42days   作:ラコ

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fateってアニメ面白い笑
セイバーって強いのかわからん笑
アサシンはかっけーな。
アーチャーと戦うシーンカッコよすぎ!




ダージリンで微睡んで

 

日が当たるこの喫茶店。

 

高い建物に囲まれているにも関わらず、どうしてこんなに日が入るのだろう。

 

雪が止んだ今日、晴れて私はこの喫茶店に戻って来ることができた。

久し振りに見る青空はどこまで澄んでいて遠く感じる。

 

遠いのに強く照る日の光がどうしてこんなに暖かいの?

 

雲ひとつない晴天の下で、大きく吸った空気はどこか冷たい。

 

冷たさは身体を巡り頭をスッキリとさせ、改めて戻ってきたのだと実感を覚える。

 

そうだ、暖かくなったらお花を育てよう。

 

育てた一輪を店内に飾るんだ。

 

アザレアなんてどうだろう。

 

 

「あ?春になったら花を飾る?生花はだめだぞ。コーヒーの香りと合わないからな」

 

「えー。お洒落だと思うんだけどなぁ。アザレアを春先に育てて飾るなんて素敵じゃないですか?」

 

「……アザレアって何だっけ?まぁ、飾るなら造花にしてくれ」

 

「ぶー」

 

 

先輩は時にリアリストだ。

理想を求めるロマンチストかと思う時もあるが、理想を求める方法がリアリストなのだ。

 

わかってないなぁ。

 

育てることに愛が生まれるのに。

 

それに、アザレアの花言葉は…。

 

 

あなたに愛される幸せ

 

 

ーーーーopen

 

 

午前中、お店には数人の学生がコーヒーを飲みながら教科書とにらめっこしていた。

 

可愛らしい女の子達だ。

 

数学の教科書をみんなで眺めながら相談している。

どうやら一つの問題に行き詰まってしまったらしい。

宿題なのか、それともテスト勉強なのか。

どちらにしても、このお店までよく脚を伸ばして勉強をする気になるものだ。

 

 

「もぉー、全然わかんないよ!ねぇ、八幡ー」

 

「なんだよ。るみるみ」

 

 

どうゆことだ。

先輩がJKと親しそうにしている。

るみるみと呼ばれた子は、どこか高校生だった頃の雪ノ下先輩に似ていた。

端整な顔と長い黒髪、そして落ち着いた雰囲気がどことなく似ているのだ。

 

 

「ここの証明問題がわかんないの。教えて」

 

「……ん、数学なんて将来役に立ちません。はい証明終了」

 

 

そういえば先輩は数学が苦手だったな。

そして、雪ノ下先輩なら絶対に先輩に頼ったりしない。

先輩はコーヒーのお代わりをついであげながら、るみるみちゃん達に話しかける。

 

 

「これ飲んだら帰れ。午後から雪が降るらしいぞ」

 

「まじで?」

 

 

コーヒーをゆっくり飲むと、るみるみちゃん達は名残惜しそうに喫茶店を後にした。

これからカラオケに行くとかかんとか。

 

 

「先輩って昔から少しロリコンでしたよね」

 

「……シスコンなら許すがロリコンは聞き捨てならん」

 

 

午後の昼過ぎ、予報通りに雪が降り出した頃。

喫茶店には男性客が1人。

 

 

「うん。今日もおいしいね」

 

「……葉山、おまえ暇なの?」

 

 

クラブサンドとダージリンを飲みながら、葉山先輩は和かに先輩と会話を繰り広げる。

今日の葉山先輩は私服だ。

 

 

「暇じゃないさ。こうやってここに居るのも仕事のうちだよ」

 

「監視かよ。達悪いな」

 

「そう言わないでくれ。いろは、ダージリンのお代わりもらえる?」

 

 

私は葉山先輩からカップを受け取りダージリンのお代わりを注ぐ。

 

 

「いろは、比企谷に虐められてないかい?」

 

「いえいえ、むしろ良くしてもらってますよ。昨晩も。ね、先輩」

 

「……」

 

「ひ、比企谷。どうゆうことだ?」

 

 

葉山先輩の顔が引き攣る。

先輩は私を睨みながら何か言いたげな素振りを示すが何も言わない。

 

 

「私、先輩の大切な人なんですから!」

 

 

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