遊戯王ZEXAL 知られざる八人目の七皇   作:瑞田高光

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CNo.EX17 アイドルとなりし人魚の使い手との話し合い

「(さてと、デュエルもしたことだしそろそろダン達のところに合流したいのだけど場所は分かったか?)」

 

『はい、デュエル中に調べていましたから場所は特定できましたよ』

 

「(そうか)さてと、デュエルも終った事だし俺はそろそろ行くぞ」

 

 デュエルが終わり海音は戦った大輔にそう言ってこの場を立ち去ろうとした……が

 

「待ってくれ!」

 

 大輔は海音を呼び止めた。海音は少し疑問を持ちながらも大輔に問い掛けた。

 

「まだ何かあるのか?」

 

「お前のデッキにメタカードが入ってたが、何を追っているんだ? もしよかったら色々教えて欲しいんだが」

 

「(メタカードって何かあったっけ? ……あっそういえば酸のラスト・マシン・ウィルスがあったな。あれは対古代機械対策として入れていたなそういば)」

 

 海音は大輔が言っているカードの事を分かると少し考えた。

 

「(どうするパシフィカ? あの時は必要最小限しか説明しなかったがこれ以上下手な情報を言わない方がいいかな?)」

 

『私としてはそうしたほうが良いかもしれませんが、それで納得するとも思いませんけどね……』

 

「(だよな。仕方がない……)」

 

 海音は今現在自分自身が関わっている事について大輔に説明した。それを聞いた大輔は驚きはしたが納得したように小さく頷いた。

 

「そうか、そんなことがあったんだな……」

 

「ああ。と言ってもお前とはもう関わらないと思うから大丈夫だとは思うぞ」

 

 大輔のつぶやきに海音は苦笑いをしつつそう返す。

 

「まあ、こっちで何かあったら俺や他のメンバーがいるからな。何とかするよ」

 

 大輔は笑って言うと海音もその様子に何故かは分からないが安心感を得ていた。

 

「そうならないためにも俺達もがんばなきゃな」

 

「そう言えば、さっきからお前の傍にいるのは……さっき出てきたパシフィカと言うやつか?」

 

『えっ! 私の事が見えるのですか!?』

 

 大輔の問い掛けに思わずパシフィカは驚きの表情になる。

 

「お前はパシフィカのことが見えるのか?」

 

「まあな。俺の方もカードの精霊……みたいなやついるからな。今はちょっと諸事情でここにはいないが」

 

「(なるほどな。そう言うタイプの人間か……)そうか、なら改めて紹介するよ。こいつは俺の相棒のパシフィカだ」

 

『初めまして、パシフィカです』

 

 そう言ってパシフィカは大輔に挨拶をした。

 

「宜しく。それにしても、見たことないデッキ群だったが……」

 

 大輔はそう呟き、何か考えていたようだったが、すぐに軽く頷けば

 

「うん、まあ……こっちの世界にも、アニメオリカやら漫画オリカとか色々あるからな。世界が違えばカードが違っていてもおかしくないな」

 

「そ、そうか」

 

 そう笑っている様子に海音は苦笑いするしかなかった。すると、大輔は何かを思案していたようだったが、頷くと海音にこう告げた。

 

「まあ、俺から言えることがあるとすれば……無理や深追いはするな、かな?」

 

「(なんだ、気付いてくれたのか)まっ、そんなところかな?」

 

 軽い返しに大輔は表に出さなかったが内心では色々思案していた。

 

「(そんなところ? 俺は心配をしていたんだが……それは杞憂だとでも言いたいのか? それとも、俺のことを言ってるのか? はたまた何か別の意図でもあるのか……?)」

 

 そうやって大輔が思案していると海音はポリポリと頬を掻くと

 

「なぁ、そろそろいいか? 俺も仲間と合流したいし……」

 

「あぁ、すまなかったな……また会えるといいな」

 

「気が向いたら今度は仲間を連れてくるよ」

 

 最後に軽くそう言葉を交わすと二人は背を向け合い、互いに目的に向かって歩き出した。


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