vs遊馬の後半……スタート!
「手札が全く減ってねぇ……コイツはヤベェな……」
遊馬は対戦相手の大輔を顔をしかめつつ見詰めていた。まぁ、確かにあれだけ場を整えてるのに手札は最大の6枚。これは少し厳しいよなぁ……
正直、口出し出来ないのが辛いけど……あのデッキ相手は遊馬だけじゃ難しいと思うんだよなぁ…………
「いっくぜ! 俺のターン、ドロー!!」
まぁ、アイツは諦めるってのをしないからな……もしかしたらもしかするかもしれん。
手札
3→4
「とりあえずコイツからだ! 魔法カード“サイクロン”! これでそっちのデッキ側から2番目の伏せカードを破壊するぜ!!」
お、上手い。少なくとも最初から伏せていたのは破壊できると思うし……いけるんじゃないか?
「…………」
発動は……ない? 破壊されたのは…………!?
「破壊された“呪われたの棺”のカード効果。相手……つまり遊馬は自分の場のモンスターと手札のどちらかを犠牲にしなくてはいけない」
「ハアッ!? 俺の場にモンスターが居ないって事は……!」
「自然と手札からランダムに……となるな。俺から見て一番左のカードを墓地に」
な、なんつーもん伏せてやがるんだ……! 捨てられたのは……ガガガガール、か。それにしても、普通呪われた棺なんて入れるか? 魔法・罠破壊カードはそんなに多い訳じゃ無いのに……
手札
3→2
「くっそ…………あぁ、そうだな。今のはラッキーだったぜ!」
「……?」
「俺は魔法カード“ガガガリベンジ”を発動!」
「っ…………いや、特に発動する予定はない……続けてくれ」
ガガガリベンジ……って前にアイツが使ってたけど、確か墓地のガガガモンスターの蘇生カードだったな。それにしても、今何かを発動しようか迷ってなかったか……?
「俺はこの効果で“ガガガガール”を呼び戻す! 更に“ガガガマジシャン”を通常召喚!」
ガガガガールATK1000
ガガガマジシャンATK1500
レベルは違うのに攻撃表示……? どういうことだ?
「ガガガガールのモンスター効果! 俺の場のガガガモンスターとレベルを同じにする! 俺はガガガマジシャンを選択してガガガガールのレベルを4にするぜ!」
っ!! まさか、エクシーズモンスターをゲットしたのか!?
「っ……来るか…………」
「行くぜ! 俺はレベル4のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
来い、“No.39 希望皇ホープ”!!」
No.39希望皇ホープATK2500
「っ……やっぱりソイツか!」
No.39……? 何なんだろう……大輔はその場に居たらしいし分かってるみたいだけど…………
「ホープの特殊召喚成功時にガガガリベンジの効果で俺の場のエクシーズモンスターの攻撃力を300上げるぜ! 更にガガガガールのモンスター効果! 相手モンスターの攻撃力を0にするぜ! «ゼロゼロコール»!!」
「チッ……シャインエルフのモンスター効果! オーバーレイユニットを1つ使って召喚、特殊召喚したモンスターの攻撃力を500下げる!」
ホープATK2500→2800→2300
シャインエルフATK2000→0
っちょ……攻撃力が激しく変動してるんだが…………と、とりあえずこの攻撃が通れば相手に大打撃だな!
「よっしゃ、バトル! 希望皇ホープでシャインエルフに攻撃! ホープ剣ツインブレード・シュート!!」
ホープは腰に掲げていた剣を2振りを手に持ち、それをシャインエルフに近付き斬った! そしてシャインエルフは為す術なくそのまま破壊され、爆風が大輔めがけて吹き荒れる……!
「くっ……うおおおっ!?」
大輔LP4000→1700
最初こそは少し耐えていた様だったけど、次第に勢いに押されて少し体が押されて少し飛んで倒れた……! よし、これでボードアドとハンドアドはともかくライフでのアドを取り返しt「リバースカードオープン!」っ!? 発動するカードがあったのか……!?
「罠カード、“ダメージ・コンデンサー”!! 手札を1枚捨てて、俺の受けたダメージ以下の攻撃力を持つモンスターをデッキから特殊召喚する! 来い、ギkk……じゃねぇ“召喚僧サモンプリースト”を守備表示で特殊召喚!」
捨てたカード
魔導書院ラメイソン
召喚僧サモンプリーストDEF1600
ダメージ・コンデンサー、か。これで大輔の場にモンスターが残っちまった…………それにしても……今、何て言おうとしてたんだ? それに、あの時どうして…………
「くっ……俺はこれでターンエンドだ!」
遊馬LP2900
手札0
場
No.39 希望皇ホープATK2300
伏せカード
さて、ダメージ・コンデンサーを発動させる為に受けたけど……正直、呪われた棺が狙い撃ちされて破壊されるとは思わなかったな。まぁ、むしろダメージ・コンデンサーが破壊されたとしても“ゲーテの魔導書”でホープを対象にして発動してたし問題は無い、かな? あの伏せカードが気になるけども……ま、この手札なら問題はないでしょ。
「俺のターン、ドロー!」
手札
5→6
おっと、コイツか……これはこれで良い引きだし問題ないな。
「スタンバイフェイズにラメイソンの効果を発動してそれにチェーンして2枚目となる神判を発動する! ……これに更にチェーンするか?」
「……いや、無いぜ」
流石に回るのは許したくないけど……って感じだな。まぁ、展開の阻害が無いなら安心だ。
「そんじゃ、チェーンを処理していくぜ。まずは神判の発動が有効になった。そしてラメイソンの効果で墓地の神判をデッキに戻してシャッフルして1枚ドロー!」
手札
5→6
うん……中々良好な手札で満足だ。
「そんじゃ……メインフェイズ! 手札からグリモの魔導書を発動! デッキから……“魔導書庫ソレイン”を手札に。そして……装備魔法“ネクロの魔導書”を発動!」
「っ……今度はどんな効果なんだ……!」
「俺は効果の発動コストとしてパテルを除外して手札のソレインを見せる。墓地の見習い魔術師を特殊召喚し、このカードを装備する! 蘇れ、見習い魔術師よ!」
俺がネクロの魔導書を発動させると、俺の場に黒い円が出てきたかと思うと、そこから見習い魔術師が出てきて、俺の場にあるネクロの魔導書を手に取り、守備の体勢を取った。
見習い魔術師DEF800
「ネクロを装備したモンスターはこの効果使用時に除外したモンスターのレベルをプラスする効果がある。よってま見習い魔術師のレベルは4となる。更に見習い魔術師のモンスター効果で俺の場に特殊召喚に成功した為に俺の場の魔力カウンターを置けるカードに魔力カウンターを1つ乗せる! エトワールに魔力カウンターを乗せる」
見習い魔術師☆2→4
魔導書院エトワール
魔力カウンター 4→5→6→7→8
「っ……! これでレベル4のモンスターが2体……!」
「エクシーズも良いけど、先にこっち! 俺の手札にあるこのモンスターは、俺の手札の魔導書を3枚見せる事で特殊召喚できる……いでよ、“魔導法士ジュノン”!」
見せた魔導書
グリモ
ソレイン
ヒュグロ
魔導法士ジュノンATK2700→3500
「こ、攻撃力3500……!」
「あの“青眼の白龍”をも越えただと……!」
さて、ホープは攻撃を2回無効に出来る。そしてあの伏せカード……発動される気配が無いが…………やってみる価値はある、か。
「伏せていた魔法カード、“ゲーテの魔導書”を発動。墓地の魔導書の魔法カードを任意の枚数除外して、除外した枚数に応じて効果を発動する。俺は墓地のラメイソン1枚を除外して……その伏せカードを手札に戻してもらう」
「っ……クッソ……コレが手札に戻されちまったか!」
「さて、その伏せカードが何だったのかは知らないけど……勝たせてもらう! ジュノンのモンスター効果! 手札、または墓地の魔導書の魔法カードを1枚除外してフィールドのカードを1枚破壊する。俺は墓地のグリモを除外してホープを破壊する!」
ジュノンが魔導書らしき本を手に持ち呪文の様な物を唱えると、ホープが苦しみだして……爆発した…………何この演出。
「ホープっ!!」
「あ、それとゲーテを発動してたから、エトワールにカウンターが乗るぜ」
エトワール
魔力カウンター8→9
ジュノン 3500→3600
「あ~、クッソ~! 負けちまったかぁ! でも、次は絶対に負けないからな!!」
……何だろう、凄く清々しい笑顔してる。やっぱり、負けてもへこたれないのか…………実際に見ると凄いメンタルだな。なら、俺もそれに敬意を評してこのままダイレクトを決めよう。
…………嫌な奴なら徹底的に展開して絶望させるけど…………
シャークのは……仕方なかった。うん。ああ言った手前、あっさり負けたらそれはそれでシャレにならないし。ってか、手札が良すぎた。どこまで行けるか試してみたかった。あのあと直ぐに調整したけども。っと話がそれたな。
「行くぜ! ジュノンでダイレクトアタック!」
え、攻撃口上無いのかって? …………全く考えてなかったわ。
「くっ……うわああああああっ!?」
遊馬LP2900→0
大輔win
ARヴィジョンが解除されて俺はゲイザーを外して遊馬の元へと駆け寄る。
「大丈夫か?」
「あぁ! それにしても、大輔はつえぇんだな!」
「ハハッ、それほどでも無いよ」
遊馬が立ち上がってキラキラした目で此方を見るからちょっと照れるな…………
「……なぁ、大輔。聞きたい事が山ほどあるんだが……それより何より確かめたい事があるんだ」
「うん、どうしたんだ?」
と、その時優也が俺達に近付いてきて、俺に声をかけてきた。その時の顔は……何か考えている様子だった。そして…………ある一言を放った。
「大輔……お前、本気出してないだろ」
遊馬「今日の最強カードのコーナー!! ……って、何するんだ?」
大輔「デュエルをした回の後書きで活躍したカードをピックアップするらしいぞ」
遊馬「へぇ、そうなんだ。じゃあ、今回はこいつだろうな!」
魔導書の神判
速攻魔法(現実世界では禁止カード)
このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、
このカードの発動後に自分または相手が発動した魔法カードの枚数分まで、
自分のデッキから「魔導書の神判」以外の
「魔導書」と名のついた魔法カードを手札に加える。
その後、この効果で手札に加えたカードの数以下のレベルを持つ
魔法使い族モンスター1体をデッキから特殊召喚できる。
「魔導書の神判」は1ターンに1枚しか発動できない。
(遊戯王カードWiki参照)
大輔「魔導書の神判はこれを読んでるみんなの世界では禁止カードなわけだが、こんな効果なら仕方ないよな。だけど、こっちじゃ無制限。まぁ、自分は2枚しか入れてないけど十分動くのは今回のデュエルで分かってくれたよな」
遊馬「あと、神判の漢字は『審判』じゃないから気を付けないとな」
大輔「作者もWikiを見て絶句して慌てて直したもんな」
遊馬「それにしても、最後の優也の発言はどういう意味なんだ?」
大輔「そこら辺は俺からはノーコメントだ。当事者だしな」
遊馬「うーん、知りたいけど仕方ねぇ! それじゃあ、みんな!」
大輔・遊馬「ルールを守って、楽しくデュエル!!」