遊戯王ZEXAL 知られざる八人目の七皇   作:瑞田高光

51 / 76
No.49 WDC決勝大会予選

『ハート、バーニングッ!! 今日から、決勝大会を始めるぞぉ!!』

 

 紅葉さんとのデュエルから数日、いよいよWDCの決勝大会当日……だが、俺のいる会場ではある不可解なことが起こっている。

 

「……見慣れない奴ばっかりだ」

 

 そう、アニメはある程度把握してるから言えることだが……俺のいる会場にいるのはトロンやゴーシュといった『アニメでの進出者組が誰一人としていない』。それどころか、遊馬すらも居ない……それに観客席にも、見た限りでは小鳥達も見当たらなかった。いったいどういう事なんだ……っと、会場の大きな画面にMr.ハートランドが写ったぞ……

 

『さて、皆さんは予選を勝ち上がった強者達です…………が、しかし! あなた方はスタートラインにすら立っていない!』

 

「はぁ!? どういう事だ!」

「決勝大会にきた俺たちがスタートラインにすら立っていないてどういうことだ!」

「ちゃんと説明しなさいよ!」

「アイエエエ!?」

 

 おっと、Mr.ハートランドの言葉に周りからブーイングの嵐だ……俺は何となく察したからブーイングをするつもりはないが……いや、一部変なのが混じってたな。けど、どうするのかまでは俺も分からないな……

 

『予選通過者がかなりの人数でしてね、運営に支障をきたすと判断させていただきました。よって、これより【決勝大会予選】を開始いたします!』

 

 今度はざわめきになったな。まぁ、予選を通過したと思ったらまた予選に参加していた……って状態だからな。

 

『まず、大まかに2グループに分けさせていただきました。そして、各グループでの上位通過者4名……合計8人での決勝トーナメントとさせていただきます!』

 

 あぁ、そう言うことか。なるほど、つまりはそう言うことか……どうりで【この会場にコースターが見当たらなく、やけに会場が広いわけだ】

 

『始めにAブロックは! デュエルコースター! そしてBブロックは……ハートアンティデュエル! ルール等は各会場毎にご説明いたします!』

 

 すると、一度画像が切れたかと思うと、再びMr.ハートランドが出てきた。多分、事前に準備された映像なのだろうな……

 

『Bブロックの選手たちよ、これよりハートアンティデュエルのルール説明を行わせてもらう!』

 

 

 

 

 

 えーと、説明をようやくすると……

 

1.LP4000のデュエル。形式はシングル、タッグ、バトルロイヤルからランダムで設定

2.アンティとして参加資格のハートピースを(完成したもので数えて)1~任意の個数を必ず賭ける事

3.D・パッドにてデュエルフィールドが指定される。対戦相手やデュエルの形式は指定されたフィールドで相対した時に初めて分かる

4.手元にあるハートピースが無くなったとき、対戦続行不可能として強制退場

5.制限時間までに生き残った選手の中から手元にあるハートピースの個数がもっとも多い選手4名が決勝トーナメント進出となる

6.ハートピースの個数はD・パッドで管理される

 

 ……こんな感じか。アンティデュエルとは驚いたけど……個数で分かるから進出者が明確に分かりそうだな。

 

『それでは、決勝予選スタートです! ハートッ、バーニング!!』

 

 ピルルルッ

 

 おっと、D・パッドに通信が入ったな。

 

『登録デュエリスト名:七穂氏 大輔 所有しているハートピース:1個 勝敗:0勝0敗 次のデュエルフィールド:8番デュエルフィールド』

 

 8番か。にしても、結構正確に記載されているんだな……っと、到着したな。

 

「貴方は……お久しぶりですね。あの時は貴方とはデュエル出来ませんでしたが……とても良いデュエルを見させていただきましたよ」

 

 おっと、確か……この相手は……

 

「確か、万丈目 祐輔……だったな」

 

「えぇ、覚えていただけていたなんてとても嬉しいですよ」

 

 そう、遊馬が先輩とタッグを組んだ時の相手……万丈目姉弟の弟である祐輔である。あの時は惜しくも遊馬達に負けてたけど……デュエルタクティクスはぶっちゃけ強い方だと思っている。

 

「姉が貴方に負けたと悔しがってましてね……姉の代わりにリベンジをさせていただきますよ!」

 

「それはそれは……でも、俺としても負けるわけには行かないから……勝たせてもらうよ!」

 

「「デュエル!!」」

 

大輔vs祐輔

 

「先攻は俺だ、俺のターン、ドロー!」

 

 とりあえず、決勝予選の間は【シーラカンス】で統一しておくか? Aブロックを突破して決勝トーナメント進出する4名は恐らく三勇士とトロンだろうから……【紋章獣】はその時になったら使おう。とりあえず、手札は守備に徹する方がいい、と……

 

「俺はモンスターをセット、カードを3枚セットしてターンエンドだ」

 

 

大輔LP4000

手札2

???

伏せカード

伏せカード

伏せカード

 

 

「それでは、俺のターンです、ドロー!」

 

 さて、この前は【ドラゴン族サポート】と言ったイメージだったが……流石にサポートデッキじゃないはずだけど…………

 

「……うん、俺はフィールド魔法『フュージョン・ゲート』を発動。永続魔法『凡骨の意地』を発動して、カードとモンスターをセット、ターン終了です」

 

 

祐輔LP4000

手札2

???

凡骨の意地

伏せカード

 

フィールド

フュージョン・ゲート

 

 

 おっと、意外だな。攻めてこないのか……それにしても、【通常モンスター】と言うよりは【凡骨融合】って感じかな?

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 うーん、動きづらいんだよな……ここは何もせずもう少し様子見するか……

 

「俺は何もせずターンエンド」

 

 

大輔LP4000

手札3

???

伏せカード

伏せカード

伏せカード

 

 

「俺のターン、ドロー……今引いた『達人キョンシー』を公開して凡骨の意地の効果発動。デッキからカードをドロー……更に『バトルフットボーラー』を公開してドロー。『アレキサンドライドラゴン』、ドロー。バトルフットボーラー、ドロー。『ジェムナイト・ガネット』、ドロー。『大木炭18』、ドロー。『ヤランゾ』、ドロー。『幻殻竜』、ドロー。『サイバティック・ワイバーン』、ドロー……これで打ち止めです」

 

手札

2→3→4→5→6→7→8→9→10→11→12(達人キョンシー・バトルフットボーラー×2・アレキサンドライドラゴン・ジェムナイト・ガネット・大木炭18・ヤランゾ・幻殻竜・サイバティック・ワイバーン)

 

 さて、結構ドローされたけど……流石に全部は使いきれないだろ……多分。

 

「……さて、それでは行きましょうか。まずはフュージョン・ゲートの効果により機械族のバトルフットボーラーとドラゴン族のアレキサンドライドラゴンを融合! 現れよ! 『重装機甲 パンツァードラゴン』!!」

 

重装機甲 パンツァードラゴンDEF2600

 

 おっと、そいつからか……インスタントラーメンで良く出てくるモンスターだけど……そいつからなのか

 

「では、お次です。ジェムナイト・ガネットと炎属性の大木炭18をフュージョン・ゲートにより融合! 現れよ、『ジェムナイト・マディラ』!!」

 

ジェムナイト・マディラATK2200

 

次に出てきたのはマディラ……効果封じモンスターだな。普通に有能な融合モンスターが揃ってるんだな……

 

「次は召喚権を使います。『レスキュー・ラビット』を召喚し、除外して効果発動。デッキからレベル4以下の通常モンスター……『メカ・ハンター』を2体特殊召喚!」

 

メカ・ハンターATK1850

メカ・ハンターATK1850

 

「そしてフィールド上の闇属性のモンスター2体をフュージョン・ゲートの効果で融合!! 現れなさい、自分のエース! 『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』!!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンATK2800

 

 っと、次は彼のエース、か……ってか、デッキの圧縮っぷりが半端ないな……

 

「そして手札のヤランゾと達人キョンシーをフュージョン・ゲートで融合!! 『冥界龍 ドラゴネクロ』を融合召喚!」

 

冥界龍 ドラゴネクロATK3000

 

 おいおい、火力の高いモンスターが勢ぞろいしすぎだろ……

 

「さて、そろそろフィールドも埋まってきましたので、ここで手札を整理しますか。手札を2枚セット、セットモンスター『メタモルポッド』を反転召喚。効果で互いに手札をすべて捨てて5枚ドローです」

 

祐輔の捨てたカード

・バトルフットボーラー

・幻殻竜

・サイバティック・ワイバーン

 

 うーん、公開情報をリセットされたか……

 

大輔の捨てたカード

・キラー・ラブカ

・超古深海王シーラカンス

・ハリマンボウ

 

「墓地に送られた『ハリマンボウ』の効果発動。ドラゴネクロの攻撃力を500下げる!」

 

冥界龍 ドラゴネクロATK3000→2500

 

「おっと、これはちょっと意外でしたね……しかし、そこまで気にするものでもありませんね。先程伏せた『二重召喚』を発動し、メタモルポッドをリリース。『魔法剣士トランス』を召喚!」

 

魔法剣士トランスATK2600

 

 これ、どう見てもオーバーだよなぁ……ホント。セットモンスターはリクルーターだけど……

 

「これでバトルです! ジェムナイト・マディラでセットモンスターを攻撃! マディラの効果により、貴方はあらゆるカードの効果を発動できませんよ!」

 

 そう、これがある。本当にデッキ構築が強い。様々な対応の仕方がある融合モンスター達だから、対応が難しい……

 

???→素早いマンボウDEF100

 

「次です、冥界龍 ドラゴネクロで攻撃! ソウル・クランチ!!」

 

 別に通しても良いんだが……迷うな。だが……まぁ、こいつは通しても良いかな?

 

「っつぅ……!」

 

LP4000→1500

 

「……伏せカード3枚もあってこれを通すんですか…………」

 

 おっと、悩みだした? 悩んでくれるのは大いに歓迎だな。

 

「……仕方ない、攻撃続行です! 魔法剣士トランスで直接攻撃!!」

 

 その攻撃は一番最良!

 

「リバースカード『体力増強剤スーパーZ』を発動! 2000以上の戦闘ダメージを受ける時、ライフを4000回復する!」

 

LP1500→5500→2900

 

「っ……! スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンの攻撃っ!!」

 

「リバースカード、『リビングデッドの呼び声』を発動、墓地の『超古深海王シーラカンス』を蘇生する。海の深き場所より現れ出でよ、超古深海王シーラカンス!」

 

超古深海王シーラカンスATK2800

 

「なっ……攻撃、続行!!」

 

 相打ちなんてさせないよ?

 

「墓地のキラー・ラブカの効果。墓地のこいつを除外して、その攻撃を無効にし……次の俺のエンドフェイズまでそいつの攻撃力を500ポイント下げる」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンATK2800→2300

 

「なっ……! た、ターンエンド……!」

 

 

祐輔LP4000

手札4

魔法剣士トランスATK2600

重装機甲 パンツァードラゴンDEF2600

ジェムナイト・マディラATK2200

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンATK2800→2300

冥界龍 ドラゴネクロATK3000→2500

凡骨の意地

伏せカード

伏せカード

 

 

 相手の攻撃を防ぎ切ったのは良いけど……相変わらずこのフィールドは辛いな……さて、どうしたものかな……


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。