『ハート、バーニングッ!! 今日から、決勝大会を始めるぞぉ!!』
紅葉さんとのデュエルから数日、いよいよWDCの決勝大会当日……だが、俺のいる会場ではある不可解なことが起こっている。
「……見慣れない奴ばっかりだ」
そう、アニメはある程度把握してるから言えることだが……俺のいる会場にいるのはトロンやゴーシュといった『アニメでの進出者組が誰一人としていない』。それどころか、遊馬すらも居ない……それに観客席にも、見た限りでは小鳥達も見当たらなかった。いったいどういう事なんだ……っと、会場の大きな画面にMr.ハートランドが写ったぞ……
『さて、皆さんは予選を勝ち上がった強者達です…………が、しかし! あなた方はスタートラインにすら立っていない!』
「はぁ!? どういう事だ!」
「決勝大会にきた俺たちがスタートラインにすら立っていないてどういうことだ!」
「ちゃんと説明しなさいよ!」
「アイエエエ!?」
おっと、Mr.ハートランドの言葉に周りからブーイングの嵐だ……俺は何となく察したからブーイングをするつもりはないが……いや、一部変なのが混じってたな。けど、どうするのかまでは俺も分からないな……
『予選通過者がかなりの人数でしてね、運営に支障をきたすと判断させていただきました。よって、これより【決勝大会予選】を開始いたします!』
今度はざわめきになったな。まぁ、予選を通過したと思ったらまた予選に参加していた……って状態だからな。
『まず、大まかに2グループに分けさせていただきました。そして、各グループでの上位通過者4名……合計8人での決勝トーナメントとさせていただきます!』
あぁ、そう言うことか。なるほど、つまりはそう言うことか……どうりで【この会場にコースターが見当たらなく、やけに会場が広いわけだ】
『始めにAブロックは! デュエルコースター! そしてBブロックは……ハートアンティデュエル! ルール等は各会場毎にご説明いたします!』
すると、一度画像が切れたかと思うと、再びMr.ハートランドが出てきた。多分、事前に準備された映像なのだろうな……
『Bブロックの選手たちよ、これよりハートアンティデュエルのルール説明を行わせてもらう!』
えーと、説明をようやくすると……
1.LP4000のデュエル。形式はシングル、タッグ、バトルロイヤルからランダムで設定
2.アンティとして参加資格のハートピースを(完成したもので数えて)1~任意の個数を必ず賭ける事
3.D・パッドにてデュエルフィールドが指定される。対戦相手やデュエルの形式は指定されたフィールドで相対した時に初めて分かる
4.手元にあるハートピースが無くなったとき、対戦続行不可能として強制退場
5.制限時間までに生き残った選手の中から手元にあるハートピースの個数がもっとも多い選手4名が決勝トーナメント進出となる
6.ハートピースの個数はD・パッドで管理される
……こんな感じか。アンティデュエルとは驚いたけど……個数で分かるから進出者が明確に分かりそうだな。
『それでは、決勝予選スタートです! ハートッ、バーニング!!』
ピルルルッ
おっと、D・パッドに通信が入ったな。
『登録デュエリスト名:七穂氏 大輔 所有しているハートピース:1個 勝敗:0勝0敗 次のデュエルフィールド:8番デュエルフィールド』
8番か。にしても、結構正確に記載されているんだな……っと、到着したな。
「貴方は……お久しぶりですね。あの時は貴方とはデュエル出来ませんでしたが……とても良いデュエルを見させていただきましたよ」
おっと、確か……この相手は……
「確か、万丈目 祐輔……だったな」
「えぇ、覚えていただけていたなんてとても嬉しいですよ」
そう、遊馬が先輩とタッグを組んだ時の相手……万丈目姉弟の弟である祐輔である。あの時は惜しくも遊馬達に負けてたけど……デュエルタクティクスはぶっちゃけ強い方だと思っている。
「姉が貴方に負けたと悔しがってましてね……姉の代わりにリベンジをさせていただきますよ!」
「それはそれは……でも、俺としても負けるわけには行かないから……勝たせてもらうよ!」
「「デュエル!!」」
大輔vs祐輔
「先攻は俺だ、俺のターン、ドロー!」
とりあえず、決勝予選の間は【シーラカンス】で統一しておくか? Aブロックを突破して決勝トーナメント進出する4名は恐らく三勇士とトロンだろうから……【紋章獣】はその時になったら使おう。とりあえず、手札は守備に徹する方がいい、と……
「俺はモンスターをセット、カードを3枚セットしてターンエンドだ」
大輔LP4000
手札2
???
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「それでは、俺のターンです、ドロー!」
さて、この前は【ドラゴン族サポート】と言ったイメージだったが……流石にサポートデッキじゃないはずだけど…………
「……うん、俺はフィールド魔法『フュージョン・ゲート』を発動。永続魔法『凡骨の意地』を発動して、カードとモンスターをセット、ターン終了です」
祐輔LP4000
手札2
???
凡骨の意地
伏せカード
フィールド
フュージョン・ゲート
おっと、意外だな。攻めてこないのか……それにしても、【通常モンスター】と言うよりは【凡骨融合】って感じかな?
「俺のターン、ドロー!」
うーん、動きづらいんだよな……ここは何もせずもう少し様子見するか……
「俺は何もせずターンエンド」
大輔LP4000
手札3
???
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「俺のターン、ドロー……今引いた『達人キョンシー』を公開して凡骨の意地の効果発動。デッキからカードをドロー……更に『バトルフットボーラー』を公開してドロー。『アレキサンドライドラゴン』、ドロー。バトルフットボーラー、ドロー。『ジェムナイト・ガネット』、ドロー。『大木炭18』、ドロー。『ヤランゾ』、ドロー。『幻殻竜』、ドロー。『サイバティック・ワイバーン』、ドロー……これで打ち止めです」
手札
2→3→4→5→6→7→8→9→10→11→12(達人キョンシー・バトルフットボーラー×2・アレキサンドライドラゴン・ジェムナイト・ガネット・大木炭18・ヤランゾ・幻殻竜・サイバティック・ワイバーン)
さて、結構ドローされたけど……流石に全部は使いきれないだろ……多分。
「……さて、それでは行きましょうか。まずはフュージョン・ゲートの効果により機械族のバトルフットボーラーとドラゴン族のアレキサンドライドラゴンを融合! 現れよ! 『重装機甲 パンツァードラゴン』!!」
重装機甲 パンツァードラゴンDEF2600
おっと、そいつからか……インスタントラーメンで良く出てくるモンスターだけど……そいつからなのか
「では、お次です。ジェムナイト・ガネットと炎属性の大木炭18をフュージョン・ゲートにより融合! 現れよ、『ジェムナイト・マディラ』!!」
ジェムナイト・マディラATK2200
次に出てきたのはマディラ……効果封じモンスターだな。普通に有能な融合モンスターが揃ってるんだな……
「次は召喚権を使います。『レスキュー・ラビット』を召喚し、除外して効果発動。デッキからレベル4以下の通常モンスター……『メカ・ハンター』を2体特殊召喚!」
メカ・ハンターATK1850
メカ・ハンターATK1850
「そしてフィールド上の闇属性のモンスター2体をフュージョン・ゲートの効果で融合!! 現れなさい、自分のエース! 『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』!!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンATK2800
っと、次は彼のエース、か……ってか、デッキの圧縮っぷりが半端ないな……
「そして手札のヤランゾと達人キョンシーをフュージョン・ゲートで融合!! 『冥界龍 ドラゴネクロ』を融合召喚!」
冥界龍 ドラゴネクロATK3000
おいおい、火力の高いモンスターが勢ぞろいしすぎだろ……
「さて、そろそろフィールドも埋まってきましたので、ここで手札を整理しますか。手札を2枚セット、セットモンスター『メタモルポッド』を反転召喚。効果で互いに手札をすべて捨てて5枚ドローです」
祐輔の捨てたカード
・バトルフットボーラー
・幻殻竜
・サイバティック・ワイバーン
うーん、公開情報をリセットされたか……
大輔の捨てたカード
・キラー・ラブカ
・超古深海王シーラカンス
・ハリマンボウ
「墓地に送られた『ハリマンボウ』の効果発動。ドラゴネクロの攻撃力を500下げる!」
冥界龍 ドラゴネクロATK3000→2500
「おっと、これはちょっと意外でしたね……しかし、そこまで気にするものでもありませんね。先程伏せた『二重召喚』を発動し、メタモルポッドをリリース。『魔法剣士トランス』を召喚!」
魔法剣士トランスATK2600
これ、どう見てもオーバーだよなぁ……ホント。セットモンスターはリクルーターだけど……
「これでバトルです! ジェムナイト・マディラでセットモンスターを攻撃! マディラの効果により、貴方はあらゆるカードの効果を発動できませんよ!」
そう、これがある。本当にデッキ構築が強い。様々な対応の仕方がある融合モンスター達だから、対応が難しい……
???→素早いマンボウDEF100
「次です、冥界龍 ドラゴネクロで攻撃! ソウル・クランチ!!」
別に通しても良いんだが……迷うな。だが……まぁ、こいつは通しても良いかな?
「っつぅ……!」
LP4000→1500
「……伏せカード3枚もあってこれを通すんですか…………」
おっと、悩みだした? 悩んでくれるのは大いに歓迎だな。
「……仕方ない、攻撃続行です! 魔法剣士トランスで直接攻撃!!」
その攻撃は一番最良!
「リバースカード『体力増強剤スーパーZ』を発動! 2000以上の戦闘ダメージを受ける時、ライフを4000回復する!」
LP1500→5500→2900
「っ……! スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンの攻撃っ!!」
「リバースカード、『リビングデッドの呼び声』を発動、墓地の『超古深海王シーラカンス』を蘇生する。海の深き場所より現れ出でよ、超古深海王シーラカンス!」
超古深海王シーラカンスATK2800
「なっ……攻撃、続行!!」
相打ちなんてさせないよ?
「墓地のキラー・ラブカの効果。墓地のこいつを除外して、その攻撃を無効にし……次の俺のエンドフェイズまでそいつの攻撃力を500ポイント下げる」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンATK2800→2300
「なっ……! た、ターンエンド……!」
祐輔LP4000
手札4
魔法剣士トランスATK2600
重装機甲 パンツァードラゴンDEF2600
ジェムナイト・マディラATK2200
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンATK2800→2300
冥界龍 ドラゴネクロATK3000→2500
凡骨の意地
伏せカード
伏せカード
相手の攻撃を防ぎ切ったのは良いけど……相変わらずこのフィールドは辛いな……さて、どうしたものかな……