「んと……とりあえず必要なのはこんなものかな?」
アレから数日が経過して、今日は俺がハートランド学園に転入する日だ。
…………え? シャークと遊馬のデュエル? 原作通りだったよ。これでもかって位原作通りだったし、別に良いよね。変わってる所……って言っても、何故か俺もアストラルが見えるって位かな…………あの時はその場に合わせて見えてないって言ったけど。
……さて、問題はNo.を遊馬とのデュエルで使うか否かなんだよなぁ……まぁ、俺のNo.はデッキの補助みたいな部分があるし……使うなら本気のデッキで相手をしたい所だけど…………まぁ、あのデッキなら負ける事は少ないだろうけど……確かNo.を持つ相手とのデュエルに負けると、アストラルって消えるんじゃなかったっけ…………? そうやって考えると……どうも勝ちづらい。けど、あのデッキを使うなら勝ちたい。
「どうするかな…………」
俺は制服へと着替えながら悩む。一応、【シーラカンス】デッキも持ち歩く予定だけどシーラカンスって初見には強いけど一度見られてると中々決まらないんだよなぁ…………良し、決めた。
「昨日思い付きで作ったデッキで戦おう。あれなら負けても気にしないし、勝っても大丈夫な筈!」
と言うわけで既に用意していた二つのデッキ(【紋章アンデ】と【シーラカンスエクシーズ】)のとは別のデッキケースも一緒にカバンの中へと入れて準備完了!
「さってと、出かけるか!」
俺は意気揚々とハートランド学園へと向かった。ちなみに今は授業の始まる2時間前だがな!
「初めまして。今日から君の担任を勤める北野右京だ。宜しく」
「七穂氏 大輔です。宜しくお願いします!」
と、言うことでどうやら俺は遊馬らと同じクラスになっているようだった…………なんつー運命だよ……ったく。
「それじゃあ、私が呼んだら入ってきてくれ」
「はい」
そう言って右京先生は教室へと入っていった。教室の扉が開くと、ガヤガヤと色んな生徒の声が聴こえてきた。
「そういやさ、今日転校生が来るんだって!」
「へぇ、男? 女?」
「男の子だって。噂好きなあの新聞部から聞いたからまちがいないよ」
「あ、俺も聞いた! なんでもあのシャークに後攻で1killしたって!」
「うっそ、マジで? それはガセじゃないの?」
「あ、それ俺見たぜ。シーラカンスでモンスターを大量に特殊召喚して一杯エクシーズモンスター出してた!」
「ってことはすげぇデュエリストじゃん!」
「スゴいデュエリストかぁ……どんな奴なんだろうなぁ…………」
あの札付きのシャークを1killで倒したと噂の奴がこの学校に来るらしい。とても楽しみだ……
ガラララ…
「ほら、静かにしろ!」
そうこうしている内に右京先生が教室に入ってきた。
「え~、今日からこのクラスに新しい仲間が増えますよ!」
へぇ、転校生が来るのってこのクラスだったんだ……
「さぁ、入ってきてくれ」
扉の向こうに居るらしい転校生に向けて右京先生が声を掛けると、扉が開いて一人の生徒が入ってきた。
明るい茶色の髪を肩に掛からない程度に伸ばして毛先は外に跳ねており、ダークブラウンの瞳……クラスで一番かとも思える高身長の奴だった。
「あっ、アイツ……」
俺の後ろに座ってる遊馬が何か言いたげにしていた…………どうやら、シャークを倒したデュエリストってのは本当にアイツらしい。(少し前、遊馬がシャークを倒したデュエリストがいてそのデュエリストと今日戦うんだってはしゃいでたからな)
「それじゃあ、自己紹介をして」
「はい、七穂氏 大輔です。宜しくお願いします」
見た目と噂からは想像つかないくらい礼儀正しいな……
「んと……七穂氏の席だが…………」
「あ、俺の隣空いてますよ」
右京先生が七穂氏の席を探していたから俺の隣が空いているのをチラリと確認してスグに手をあげて先生に進言した。色々聞きたいことあるしな。
「そうだな。それじゃあ今手をあげている岩槻の隣に行ってくれ」
「はい」
さて、これでいろいろ話す口実が出来たな……何から聞こうかな…………
俺は先ほど手を上げていた生徒の隣へと向かう……っと、どうやら遊馬(とアストラル)の前の席らしいな。
「七穂氏 大輔だ。宜しく、岩槻」
「岩槻(いわつき) 優也(ゆうや)だ。優也で良いぜ。宜しくな、大輔!」
「……おう。改めて宜しく、優也」
「な、後で色々聞きたい事あるんだが、放課後にちょっと良いか?」
「あぁ、俺は構わないよ」
先程手を上げていた人吉善吉のような容姿(分かんない人はggってくれよ?)の生徒……優也が早速話し掛けてきた。デビルは言わないのか……きっと同じ顔ってだけなんだろうな、うん。
ってか、放課後かぁ…………遊馬とのデュエル……長引くのかな?
「それでは、本日はこれまで!」
「「「「ありがとうございました!!」」」」
と言うことで放課後になった……
……え、授業の時の風景? と言われても遊馬が寝ていたり遊馬が「カットビングだ!」と叫んで跳び箱20段に失敗したり……息継ぎしないで50m泳ぎ切るって言って飛び込んで中央で水面にプカプカ浮いてたり…………いつもの事だったし……な。
「ようし、大輔! デュエルしようぜ!!」
「ん、おう……わりぃな、優也。質問はデュエルの後でも良いかな?」
「あぁ、構わないぜ(むしろコイツのデュエルタクティクスが気になるから願ってもない事だ……!)」
「よおうっし、校庭行ってデュエルだあ!!」
とまぁ、そんなわけで俺と遊馬、優也、小鳥、鉄男(とアストラル)の5(6)人で校庭へと向かった。
校庭に着いた俺と遊馬は早速距離をとって向かい合い、優也、小鳥、鉄男は少し離れた場所で俺達のデュエルの観戦。
「よおうっし、大輔! 負けねぇからな!!」
「それは俺も同じだよ(さて、アストラルのタクティクスはいかほどかな?)」
「「デュエルディスクセット!」」
それにしても、アクロバティックだよな。俺は普通にセットするだけなんだが……よくあんだけ飛ばして外さないよな…………
「「ディーゲイザー、セット! デュエルターゲット、ロックオン!」」
そして俺達がディーゲイザーをセットすると視界に0~9の数字が流れていきARヴィジョンへと姿を変えていった。
『ARヴィジョン、リンク完了』
そして互いに初期手札を引く……っと、これは先攻取れるならとりたい所だな。
「「デュエル!!」」