今回の話だけは序盤は三人称にしてあります。
それでは、(vs十代戦の)最終話、どうぞ!!!
「っ…………!」
大輔は必死に耐えてたけど足に力が入らずにその場で倒れる……
「大輔!?」
その光景を見た優也が思わずデュエルフィールドに駆け上がり、大輔の元に駆け寄る
「だい、じょうぶ……!」
大輔はゆっくりと優也に肩を借りながらも立ち上がる。流石に十代も様子がおかしいと思ったのか声をかける
「おい、大丈夫か!?」
「え、ええ……俺は大丈夫ですから、ターンを進めて下さい」
「……分かった。そこまで言うなら止めないぜ。俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ! 特殊召喚されたラーの翼神竜は墓地へと戻るぜ」
十代
手札0
LP1
ネオスペース
伏せ
伏せ
「…………ありがとう、優也。大丈夫だから……」
「……分かった。無理はすんなよ?」
優也は心配な様子ながらも大輔から離れる。大輔は何とか足を踏ん張っていた。
「あぁ……行きます。俺のターン! …………俺は、魔法カード“貪欲で無欲な壺”を発動! これはメイン1の開始時にのみ発動でき、このターンのバトルフェイズを放棄して墓地の違う種族のモンスターを3体デッキに戻して2枚ドローする!」
「そのドロー、俺も便乗させてもらうぜ! 永続トラップ 便乗を発動! このカードは相手がドローフェイズ以外でカードをドローした時に2枚ドローする!」
「(止めたいけど……この伏せじゃダメ…………)…………良いですよ。俺は墓地の獣戦士のセイリオス、魚族のメタボ・シャーク、ドラゴン族のスターダストを戻して2枚ドロー! スターダストとセイリオスはエクストラへ」
手札0→2
「俺も二枚ドロー!(このカードは!)」
「さぁ、何をひいたんだ、大輔?」
「……まさか、戻した直後に来るなんて…………メタボ・シャーク召喚!」
メタボ・シャークATK1800
「発動するカードはないぜ」
「それじゃあ、メタボ・シャークの効果で墓地のレインボー・フィッシュと白タウナギを戻します……(皆、頼む……俺に力を!)このターン、バトルは出来ません。カードを伏せてターンエンド!」
大輔LP1
手札0
メタボ・シャークATK1800
伏せカード4枚
「俺のターン、ドロー!……此処まで粘ったんだ。とっておきのとっておきを見せてやる!」
「っ! ラーの翼神竜以上のとっておきがあるんですか!?」
「その通り! 俺はミラクル・フュージョンを発動! 墓地のE・HERO ネオスとラーの翼神竜をミラクル・フュージョン!!」
「神との……融合!?(何か……出来る事は…………!アレがある……けど…………いや、今の十代さんなら……きっと…………)……リバースカード、“最終同調”を発動」
「っ……?」
このカードを使うしかない……! 俺の嫌な予感がそう警鐘を鳴らしている。
「このカードの効果で俺はデッキの白タウナギと場のメタボ・シャークで、スターダストをシンクロ召喚扱いとして特殊召喚します。そして、このターン、特殊召喚したモンスターにカード効果の破壊耐性を与える代わりに攻撃宣言の出来ない効果も与えます。更に特殊召喚したターンのエンド時に場に残っていれば除外され、俺は1000のダメージを受ける事になります……」
最終同調(オリカ)
通常罠
相手がモンスターの召喚・特殊召喚または、特殊召喚を含む魔法カードを発動した時に発動できる自分の場とデッキからチューナーモンスターとチューナー以外のモンスターを除外しエクストラデッキ・墓地からスターダスト・ドラゴンをシンクロ召喚扱いとして特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはカード効果では破壊されないが、攻撃宣言が出来ない。
また、特殊召喚したモンスターはターンの終わりに場から除外し、シンクロモンスターの元々の持ち主は1000ポイントのダメージを受ける。
カード説明に俺以外の全員が驚きを隠せていないようだ……
「大輔!? どういうことだよ!!」
「なに……最後の決着に十代さんは本気を出すと言っていた。それなら俺もそれ相応の返しをしないと……と思っているだけさ。それに、ただ負けるためだけに発動した訳じゃない。リバースカードオープン! 非常食! この効果で最終同調を墓地に送ってライフを1000ポイント回復する。これで俺のライフは1001、バーンダメージを受けても残る数値になった。それに、バーンダメージを受けるのは場から除外された時。つまり……戦闘で破壊されて墓地に行った時や自分で墓地に送った時…………そのデメリットは関係無くなる……最後の決着の為……来てくれ、スターダスト!」
大輔LP1001
場
スターダストATK2500
伏せ2
ぶっちゃけ、片方は残す予定だったけど……一応ブラフでもう片方も残しておこうかな…………
「! …………いいぜ、その全力に俺の全力だ答えてやる! 太陽の化身たる最高神よ、宇宙を守りし英雄と混じりて、神の戦士を創造せよ!」
融合召喚! 太陽の戦士、E・HERO アトゥム・ネオス!!」
アトゥム・ネオス(オリカ)
☆12 神属性 戦士族
ATK4000 DEF4000
『E・HERO ネオス』+『ラーの翼神竜』
このモンスターは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。また、このカードは自身の効果か最上級呪文でのみ墓地から特殊召喚できる。
(1):融合召喚に成功したターンの次の自分のスタンバイフェイズまでの間、魔法・罠・効果モンスターの効果を受けない
(2):1ターンに1度、自分の墓地のモンスターを任意の数除外する事で発動できる。相手の場のカードを除外した数破壊する。
(3):このモンスターが墓地に送られたターンの次のスタンバイフェイズに自分の手札のHEROと名の付くモンスターを墓地に送ることでこのモンスターを墓地から特殊召喚できる。
「これが……新しい十代さんのエース…………!」
「行くぜ、アトゥム・ネオスの効果発動! 1ターンに1度、墓地のモンスターを除外することで除外した枚数分相手フィールド上のカードを破壊する!」
「なっ!? ……スターダスト・ドラゴンがいる中で発動するってことは!!」
「当然、アトゥム・ネオスも神の力を受け継いでいる! このカードは融合召喚してから次の俺のスタンバイフェイズ時まであらゆる効果を受けなくする! つまり、スターダスト・ドラゴンで無効にすることはできない!」
「っ!!(アバターと似た耐性!? 俺の……負けか……)」
「俺は墓地のアクア・ドルフィンとブラック・パンサーを除外して二枚の伏せカードを破壊! ラストバトルだ!アトゥム・ネオスでスターダスト・ドラゴンに攻撃! ラス・オブ・ソーラー・ネオス!」
「……(破壊された伏せカードは魂の一撃とブラフのトランスターン…………あと一手届かなかった、か)くっ……うわあああっ!」
ラーの時より風圧は収まってたが…それでも、俺のLPを削るには十分すぎるダメージを受けて、俺の体は少し吹き飛んで仰向けで倒れる
LP1001→0
遊城十代 win
「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ!」
「は……はは、かんっぜんに俺の負け、だったなぁ。流石は伝説のデュエリストの十代さんだ!」
俺は仰向けで倒れたまま空笑いをしてしまう。それほどまでに、十代のLP1……たったの1が削り切れなかった……ブラフとは言え、あれも墓地に送った方が……いや、それはそれでだめだ。スターダストがやられる。魂の一撃も墓地に送ればワンチャン、だったか……でも、攻撃力4000なんて、俺のデッキだとどうしても出せないよな……
「そんなことねえよ。お前だって、すっげー強かったぜ。どっちが勝つかわからない勝負だった」
「…………ありがとうございます。……あ、そうだ。ガッチャ! 次戦うときあったら……絶対に負けないですよ!」
俺は立ち上がって軽く微笑みながら十代の決めポーズをやり返す。
「おっ! ソイツは楽しみだ。だけど次デュエルしても俺が勝たせてもらうぜ!」
そんなこんなで俺達ハートランド学園組とデュエルアカデミアとの交流戦を無事に終えたのだった…………