遊戯王ZEXAL 知られざる八人目の七皇   作:瑞田高光

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少し強引ながらも原作に介入させました。

なお、やりたいことやったら予想以上に量が嵩んだので次の話までで1話と思って下さい。

やりたいことはやった。後悔はしてない。


No.01 原作介入&vs???

「……う、うぅ…………こ、ここは……?」

 

 俺が目を開くと、太陽の明るさに思わず目を細めていたけど、不思議に思って体を起こして辺りを見渡すと、そこは何処かの公園だった。ところどころに遊具で遊んでいる子どもが見える。そして、ふと下に目を向けると自分が体を横にしていたのが背もたれ付きの木のベンチである事も分かり、俺自身の服装は前の世界にいたときと然程変わらない事も分かった。

 

「……あ、デッキ!」

 

 俺はついさっきまで変な空間にいたからか、少しの間頭の中が真っ白で何も考えれなかったが、ふとあの神様が持っていた俺のデッキの事が気になってポケットに手を突っ込んでみる。すると指先に何かが当たる感覚があって、それを取り出してみると……それは見間違うことのない俺のデッキケースだった。

 

「あった……」

 

 俺はホッと溜め息を吐いてデッキケースの蓋を開いて中身を確認することに。すると…………

 

「あれ……? カードが一部減ってる…………」

 

 俺が愛用していたデッキの【紋章アンデ】の中から『RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース』が、そしてエクストラから『No.8紋章王ゲノム・ヘリター』『No.69紋章神コート・オブ・アームズ』『CNo.69紋章死神カオス・オブ・アームズ』がそれぞれ無くなっていた。更に『No.18紋章祖ブレイン・コート』の枚数が1枚に減ってる事に気付いた。

 

「何で…………って無くなってるカードがこれ等って事はまさか……」

 

 俺はある仮説を立てて立ち上がって辺りを見渡す。すると、少し遠くの方に特徴ある建物が見え、俺の考えは嫌疑から確信へと変わった。

 

 

 

 

 

俺は今、遊戯王ZEXALの世界に居るのだ

 

 

 

 そう考えるとデッキの枚数が減っているのにも納得がいく。何故なら【紋章獣】はこの世界の住人であるトロンのデッキで、何より無くなっていた2枚のNo.は元を正せばトロンのNo.だからだ。

 それにRUM(ランクアップマジック)やCNo.が無いのにも、まだこの世界は一期の世界なのだと考えれば納得がいく。この時期ではあるとしてもシャークのCNo.や、ホープレイ位だろうからな。

 では、何故No.であるブレイン・コートは俺の手元にあるのか……それも用意に想像がついた。恐らく、ブレイン・コートは俺のNo.なのだろう。しかし、俺の手の甲にNo.の刻印が無いことから俺を操っていると言うわけでは無さそうだ。

 

「それにしても、どうするか…………」

 

 俺はふと、これからの事を考えた。この世界の事が分かったのは良いが、如何せん今居る場所は公園のベンチだ。学生が真夜中に一人ベンチで寝ているところを見られたら警察に保護されてどうしたのかを尋ねられる事になる。

 俺は嘘があんまり得意ではない。嘘をつくときに癖が如実に現れるから分かりやすいと友人に言われた事があるくらいだ。

 だから、それだけは避けたい。となると家の様なものが必要になってくるし、学生が一人で暮らす意味とかも考えなくてはならない。そこら辺も面倒である。

 俺は途方に暮れながらデッキケースの入ってたポケットとは反対のポケットに手を突っ込む。すると、ポケットの中からカサカサと紙が当たる音が聴こえてきた。取り出してみると、何やら小さいメモ用紙があり、そこにはこう記されていた。

 

『無事に新しい世界へ辿り着いた様だね。これから君がその世界で住んでいくにあたって君の住む家を用意した。これを見たら直ちに向かってほしい』

 

 これを見た俺は初めてあの神様にありがとうと言いたくなった……言わないが。

 俺は特にやることもなかったため、直ぐに示されている場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

「…………まさかの一軒家かよ……」

 

 俺は示された場所にある一軒家の前に辿り着いた。何故一軒家なのかはさておき……俺は内ポケットにあった家の鍵を使って家の中へと入った。

 

 

 

「お、おおぅ……中々どうして結構立派な平屋建てなのだろう…………」

 

 中に入ってみると、木の温もりを感じるフローリングの床に木の柱……自分の予想以上に立派な家に驚きを隠せなかったが、今の状態ではデッキが使い物にならないため、何処かでデッキを調整する必要があった。そして、俺はある一室の扉を開く……すると、そこにあったのは…………

 

 

「うわっ……すげぇ…………」

 

 夥しい数のカード保管ケースがズラリと並んでいる…………まさに、デッキ調整部屋と言うべきだろうか……部屋の中央にはそれなりに大きめの机があり、実際に二人以上いれば調整を終えれば試すことも可能な位だ。そして、その上には1枚の手紙らしき物がおいてあったので見てみると……

 

『カードが無くなったのは心許ないだろう。良かったらこの部屋のカードを自由に使ってくれて構わない。自由にデッキを組んだり調整したりしてくれ。

そして、この部屋の何処かに君が使っていた“もうひとつのデッキ”を隠している。一応、その世界では使われていない召喚の“シンクロ召喚”を使うデッキだから隠させてもらっている。どうしても倒せない相手が居たときになら使っても構わないよ?

               神より』

 

「……本当に準備が良いな…………」

 

 俺はちょっと神様の手際のよさに感心しながらもスグにデッキの調整に取り掛かった。そのついでにもうひとつデッキを組むことにした。今の俺の【紋章アンデ】はNo.18を使うからNo.を持たない相手との対戦時には使わない様にしようと思うからだ。

 

「さて……どんなデッキ作るかな…………あ、そういやシンクロデッキが隠されてるって言ってたな……確か、俺が使ってたシンクロって言うと…………よし、思い付いた!」

 

 俺はまず新しいデッキを組むためのキーカードを探し始めた。そして、それを見付けると、それを軸にできるカードを探しまくった。そして……

 

 

 

 

 

「よっし、出来上がった。次は強化用のパーツだな……どうするかな…………」

 

 ひとつデッキを完成させた俺は即座に愛用デッキの補充パーツを探し始めた。それにしても、色々あるんだな……本当に。No.と神のカード、シンクロ系統のカード位じゃないか、無いのって…………しかもアニメオリカもあるし……これはデッキ調整が捗るな。

 

 

 

「……よし、こんなものか」

 

 そういうわけで結構アッサリと決まった。まぁ、減っていたパーツが少なかったのが幸いだったな。

 

「…………さてと、これからどうしよう……」

 

 そう、俺はこの世界でどんな風に生きていけば良いのかが分からん。まぁ、ハートランド学園に通うのが無難か……?でも、そうにしても職員なのか生徒なのか……何時から行くのか…………全く分からん。

 

「……とりあえず、リビング行くか」

 

 考えててもラチがあかないから、俺はひとまずリビングへ向かうことにした。大概、リビングにはカレンダーとかもあるだろうし……何より俺はメモを残したときは基本リビングにおいていたから、何かあるかも知れないし…………

 

 

 

 

 

「…………ほんと、どこまで面倒見が良いんだろな……あの神様」

 

 まさか、来週の月曜日にはハートランド学園へ転入する手筈になってるとは……

 まぁ、そんなわけで愛用デッキと新しく作ったデッキ、それにデュエルに必要なもの一式を持ってハートランド学園へとやって来た。学園からかなり近かったのは嬉しいな。

 

「さってと……ひとまず事務室行ってみるか。流石に無断で校内を歩き回るのはアカンだろ」

 

 と、言うわけで事務室へ向かうことに。時間的にまだ授業中…………だと思う。

 

 

 

 

 

「許可証貰えたし、どこから回ろうかな……」

 

 校内を歩き回るの理由はもちろん、下見…………ってのは建前で、本音はどこまで物語が進んでいるのかを確かめる為。それによって行動変えたりせんにゃいかんからな。

 

「…………ん? あれは…………」

 

 校内の高台の部分に誰かがいるのが見えた俺はポケットに入れていたD-ゲイザーを左目に装着、起動させた。すると……

 

「“ビッグ・ジョーズ”と“スカル・クラーケン”…………シャークか。お相手は……鉄男か」

 

 フィールド上に鉄製(だろうと思われる)の牙を持つ鮫のモンスター……“ビッグ・ジョーズ”と骨っぽい蛸のようなモンスター……“スカル・クラーケン”がおり、相手の顔グラが表示されると、そこにはこの世界の主人公の友人である人物の顔が表示されていた。

 

「こりゃ、第1話に間に合ったのか…………あ、“潜航母艦エアロ・シャーク”が出てきた」

 

 そうこうしてる内にビッグ・ジョーズとスカル・クラーケンが二種類の球体になって吸い込まれると…………オレンジ色の体で2体の鮫がくっついてて……元の世界だとハズレアと呼ばれてるエアロ・シャーク……原作効果なら相当強いのに…………ほんと、不憫だよなぁ…………

 

「いけぇ、エアロ・シャーク! ダイレクトアタック!!」

 

「うわああああっ!?」

 

LP800→0

 

 あ、終わった……確か、このあとだったよな、シャークが鉄男のデッキ奪うの……

 

「約束通り、コイツは貰って行くぜ……」

 

 シャークが鉄男に近付いていき、屈んでデュエルディスクに手を掛けようとする……

 

「ここしかないな」

 

 俺は即座にデッキケースから一枚のカードを取り出して……

 

「っつ! ……誰だ!?」

 

 カード手裏剣として投擲。投げたカードはそのままデッキを奪おうとしたシャークの左手に直撃! この世界じゃカード手裏剣は必須スキルだからな。

 まぁ…………実を言うと、元の世界でトランプで手裏剣の紛い事してた時期があって……正確さにはちょっと自信があったからやったんだがな…………って、あれ……手に刺さってる…………意外に火力あるのな。

 

「おい、テメェか! コイツを俺に向けて投げたのは!」

 

 ……っと、シャークに睨まれてるよ…………ま、止める予定だったし、良いんじゃね? 海老頭の……じゃない、この世界の主人公の遊馬と緑髪の女の子の小鳥(だったかな)が鉄男に駆け寄ってるし。

 

「そうだけど……何か?」

 

「……テメェ、この学校の者(やつ)じゃねぇな」

 

「君の名前は聞いたことあるよ……確か全国大会出場経験もある神代凌牙……だっけかな?」

 

「ほう……俺を知ってるのか」

 

「あぁ…………ま、生憎と負けるつもりはないがな……ってか負ける気がしない」

 

 シャークが少し調子に乗ってるからその鼻をへし折ってやった。案の定、怒ってるけどな。

 

「テメェ……それどういう事だっ!!」

 

「そのカードよく見てみろよ」

 

「あぁ……? ……融合モンスターの“深海に潜む鮫”…………?」

 

 皮肉を込めて送ったけど、まだ気づいてないんだな……

 

「融合モンスター……つまり、お前自身だけではなんの意味もない……そして、深海に潜む鮫……要は深海の事しか知らないアマちゃんだって事だよ。俺がデュエルで軽く相手してやるから……掛かって来いよ」

 

「貴様、シャークさんを侮辱するのか!!」

 

「おもしれぇ……その喧嘩(デュエル)、受けてたつぜ!」

 

 おや、ちょっと想定外。当日に受けるなんて聞いてないけど……ま、デュエル出来るならやるか。

 

「うっし! デュエルディスクセット……D-ゲイザーセット……デュエルターゲット……ロックオン!」

 

【ARビジョン、リンク完了】

 

 すっげ……現実(リアル)でこれが出来るなんて…………本気で燃えるだろ! 遊馬がやる前に一度軽く揉んでやるか。ああいう奴って大概負けたら再戦申し込んできそうだし。その時は遊馬とデュエルさせるか。

 

「このデュエル……互いにデッキを賭けさせてもらう。異存は無いな?」

 

「……いや、お前はデッキを賭ける必要はない。何故なら、お前は俺に負けるからだ」

 

「っ……貴様ぁ…………今に吠え面かけなくしてやる!」

 

「出来るもんなら、やってみろ!」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

先攻 凌牙LP4000vsLP4000大輔 後攻

 

 

 

「俺の先攻っ、ドロー!」

 

凌牙手札5→6

 

 さて、このときのシャークはまだNo.は持ってなかったからな。折角だし俺の新しく作ったデッキでお相手するか。それにしても、手札が微妙かな……

 

「俺は“キラー・ラブカ”を召喚!」

 

キラー・ラブカATK600

 

 キラー・ラブカ……魚族の多いシャークのデッキらしいカードだよな。

 

「更に、手札の“シャーク・サッカー”を特殊召喚! コイツは魚族・海竜族・水族モンスターが場に現れた時に特殊召喚出来る!」

 

シャーク・サッカーATK200

 

 魚族が軸デッキには有難い特殊召喚出来る鮫だよな、サッカーって。俺もこのデッキでは重宝するよ。

 

「レベル3が2体か……来るか?」

 

「俺はレベル3のキラー・ラブカとシャーク・サッカーでオーバーレイ!

 

2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!

 

現れよ、“潜航母艦エアロ・シャーク”!!」

 

潜航母艦エアロ・シャークATK1900

ORU2

 

「エアロ・シャークか……」

 

「俺はエアロ・シャークのモンスター効果発動! オーバーレイ・ユニットを1つ使用して俺の手札の数×400分のダメージを与える! 俺の手札は4枚! よって、与えるダメージは1600!! 食らえ、エアー・トルピードっ!!」

 

潜航母艦エアロシャーク

アニメ版効果

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する事ができる。

手札の枚数×400ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

エアロ・シャーク

ORU2→1

 

 エアロ・シャークのエクシーズ素材がひとつ吸収されたかと思うと、魚雷的な何かが4つ出てきてそれから更に弾が4つずつ出てきてコッチに向かって飛んできたっ!? そして地面に当たると爆風が俺に向かって激しく吹き付けて来る……!

 

「ぐううううっ……」

 

大輔LP4000-1600=2400

 

 それにしても、本当にOCG化されたときは驚愕だったなぁ。手札×200バーンの調整でも良かった気がするのに…………

 

「まだだっ! 魔法カード“浮上”を発動! 俺の墓地のレベル3の魚族モンスターを表側守備表示で蘇生させる! 蘇れ、キラー・ラブカ!!」

 

キラー・ラブカDEF1500

 

 ……何故だろう、凄く嫌な予感しかしねぇ…………

 

「お、おいおい……まさか…………」

 

「俺が通常魔法を使用したターン、コイツは特殊召喚出来る……こい、“ビック・ジョーズ”!!」

 

ビック・ジョーズATK1800

アニメ版効果

通常魔法を発動したターン、このモンスターを特殊召喚出来る

 

「「出た! シャークさんのマジックコンボだ!」」

 

「またレベル3が2体……!」

 

 どうしてこうも揃えれるかねぇ……ある意味スゲェよ。やっぱり腐ってもデュエルの全国大会に出ているだけはあるか。

 

「俺はビック・ジョーズとキラー・ラブカで再びオーバーレイ! 再び現れよ、潜航母艦エアロ・シャークっ!!」

 

潜航母艦エアロ・シャークATK1900ORU2

 

 2体目持ってたのか……ブラック・レイ・ランサーとか出されるよりはマシだけど……ちょっとヤバいな。

 

「再びエアロ・シャークのモンスター効果発動! 今度は手札が2枚だから800のダメージだ!」

 

エアロ・シャーク

ORU2→1

 

 今度は先程の半分の数の魚雷が俺めがけて飛んでくる……そして爆風も来るが、さっき程ではないため、普通に踏ん張れた。

 

大輔LP2400→1600

 

「チッ……はやくも2000切ったか」

 

 思わず舌打ちをして呟いたが……正直言って助かった。相手の手札が1枚でも多かったら軸となるモンスターを出す準備が整わなかった…………肝心の軸となるモンスターは初期手札には来てないけど。

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ! さぁ、貴様のターンだ!(伏せカードの片方は奈落の落とし穴……これでエアロ・シャークを越える攻撃力のモンスターを出されても問題はねぇ。それに例えこれを処理されてももう片方の伏せカードはポセイドン・ウェーブだ……安心して攻撃を仕掛けてくればそれで終わりだ! それに、墓地にはキラー・ラブカもいる……この場に死角なんてない!)」

 

神代凌牙LP4000

手札0

モンスター

潜航母艦エアロ・シャークATK1900

ORU1

潜航母艦エアロ・シャークATK1900

ORU1

魔法・罠

伏せカード

伏せカード




どうしてもエアロシャークの効果をアニメ版で使いたかったからこうなった、後悔は一切ない。

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